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綾瀬しずか
綾瀬しずか
novelistID. 52855
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あゆと当麻~Vivid boys and girls1

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「悪かったな、ばらして。何かあったら携帯でもなんでもいいから俺を呼べ」
うん、と亜由美が小さく頷く。
今日から戦争が始まる、と亜由美は思いながら教室へ向かった。
亜由美はいつもよりも気配を消して教室へ入りこむ。
亜由美はどうもこの学校と言うのが苦手なのだ。
あまり人に干渉されたくないという思いが先行してしまう。人嫌いではないが詮索好きな学生が苦手なのだ。
自分のことを話すのはあまり好きではない。
だから気付かれない様に席に着いて静かに大人しく授業を受けるのだ。
しかも今日は当麻の交際宣言のおかげで何を言われるかわからない。
ひたすら人の視線をひきつけないように静かに席に着く。
ついてほっとため息をつく。
席に着けばなんとなく自分の居場所にたどり着いた気がするからだ。
だが、当麻の交際宣言はあっという間に校内を駆け巡った。
ただ、当麻の脅しが効いたのか親衛隊とも言えるファンからは呼び出されると言う事態にはならなかった。
ただ、恋愛に興味を持っている女子学生に囲まれる。
いつから付き合っているのかとか、なぜ同居しているのかとか答えられないような質問が次々に発せられる。亜由美は休み時間ごとに苦慮して答える羽目になった。

昼休み亜由美は逃げる様にして当麻達がいる中庭に向かおうとして戸惑った。
雪は暖かい日によって溶けてはいるが地面はまだ濡れている。こういう場合は校内の食堂に行くことになっているが、そこでかなりの視線を集める事態を予想して足がとどまる。そこへ珍しく迦遊羅が呼びに来る。
「姉様、御昼に参りましょう」
にこにこ微笑む迦遊羅に付き添われて亜由美は弁当を手に当麻達の元へと向かった。
席に着くなりぼそっと当麻に悪態をつく。
亜由美が困り果てている様子を察していた当麻は甘んじてそれを受け止める。
「何かされなかったか?」
心配げに当麻が問う。
昨夜、亜由美がいじめられそうとこぼしていたのをきにしていたから。強気に出ろとは言って置いたが当の亜由美がそう振舞えるとは思えなかったのだ。
「大丈夫。当麻先輩がちゃんと守ってくれたから。ありがとう」
幸せそうに亜由美は微笑む。亜由美はそれぞれを名前プラス先輩と呼ぶ。入学当初に羽柴先輩と呼んで思いっきり当麻にいやがられたのだ。
呼び捨てにしろといわれて折衷案としてこの呼び方に決めた。
そっか、と言って当麻も微笑む。
その仲むつまじさが噂を立てたというのに相変わらずの様子にメンバー一同あきれると同時に微笑ましく見てしまう。
「幸せそーでいいなー」
舞子が定食をがっつきながら言う。
「扇にも相手いるだろう?」
当麻が答える。
「えっ? 誰?」
舞子がきょろきょろ周りを見まわす。
「ほら、そこでカレー食べている奴、とか」
当麻が向側でカレーを食べている近江を指す。言われた近江が咳き込む。
舞子が大声で驚く。
「相変わらず騒がしい奴だな。扇と池田ならぴったりだと思うが?」
当麻の言葉に当の本人達以外は力強く頷く。
その言葉に二人が困り果てる。
「あまり先輩をいじめてはいけませんよ。羽柴先輩」
迦遊羅がフォローに回る。
わかった、と言って当麻が話を変える。
「今日、遼来るのか?」
その問いに迦遊羅が頷く。
今日は遼の高校ところの高校のサッカー部で練習試合が行われるのだ。
遼はとっくに引退していたが、元主将という名目で来るのだった。
「じゃぁ、チョコ手渡しできるんだ。よかったね」
亜由美が自分のことの様にうれしそうに言う。その言葉に迦遊羅が顔を赤らめる。
「あゆちゃんは渡したの?」
双子の片割れ翔子が問う。その言葉に昨夜の事を思い出して亜由美が真っ赤になりながら頷く。
「ほう、今年は本命なのか?」
以前のいきさつを知っている征士が問う。もちろん、と当麻が顔をほころばせながら答える。
「そーいう征士はどーなのよ。せーじは」
当麻がぼろぼろ話し出さないうちに亜由美が矛先を変える。慌てて聞いたため先輩扱いするのを忘れている。征士はうむ、とだけ答える。
「柳生先生の手作りチョコはおいしかったー?」
その答えにも征士はうむ、とだけ答える。顔色は変わっていないが照れてそれだけしか答えられないのを亜由美は知っていた。
「照れちゃってかわいいー」
かわいい、をひたすら連発する。亜由美が調子に乗っているので当麻が止めに入る。
「お前、征士をからかうと後が怖いぞ。素振り百回とかさせられるぞ」
言われて亜由美がからかうのをやめる。朝の五時からそれはしたくない。
「じゃぁさー。今日、遼が来るんなら、当麻先輩と征士先輩と一緒にサッカーやって」
唐突の言葉に二人が顔を見合す。
「時間があればな」
当麻が軽く言い聞かす。
「絶対やってー。かゆ先輩だって遼のりりしい姿みたいよね?」
迦遊羅が言われて頷く。
「柳生先生だって征士先輩の凛々しいお姿拝見したいと思うなー」
その言葉に征士が一瞬考える。
当麻が亜由美の頭をぽかりと叩く。
「お前の見る相手は違うだろうが」
「私はもちろん当麻先輩だよー。だって弓ひく当麻先輩見れなかったんだもん。サッカーぐらいいいでしょう?」
人数が足りない、と当麻は答える。
「奇数人数でどうやってするんだ?」
言われてうーんと亜由美が考え込む。亜由美と当麻以外が一人物に視線を向ける。
「俺か?」
近江が驚いて答える。
「いいじゃない。久しぶりに一暴れしたら?」
「人助けもいいかもしれないわね」
先輩双子に言われ、さらにもう一組の双子もお願いと言わんばかりにじっと近江をみつめる。わかった、と近江が答えると亜由美と迦遊羅が喜び合う。
「じゃぁ、かゆ先輩は絶対に柳生先生呼んできてね」
亜由美の頼みに迦遊羅は嬉々としてうなずいた。

当麻はコネを使ってサッカー部の主将に一時グラウンドとボールを貸してもらうことを頼んだ。遼には征士が話をつける、という手はずだった。
が、めったにない機会とばかりにサッカー部の主将はエキシビジョンマッチに変えてしまった。しっかり向こうにも連絡をとって元三年生サッカー部員プラス三大アイドルというチームを編成してしまった。向こうも元三年生サッカー部員と遼という具合だ。おまけに校内放送まで使って宣伝されてしまう。三大アイドルというのは校内で勝手に決められただけで当麻達は事あるごとに回りの手から逃れていた。したがって部活動以外の目立つような表舞台にはほとんど立っていない。それゆえに余計に面白がられてしまったのだった。
半ばやけになった当麻と征士は身内は全部巻き込んでしまえ、と伸も引っ張り出した。
もうほとんどドリームチーム状態である。ファンからもよだれが出そうなメンバーである。当の亜由美にしてみれば秀がいなくてもの足りないがいたしかなかった。

放課後、鈴なりの群衆の中でゲームがはじめられた。
言いだしっぺは亜由美と言うことで亜由美は特等席で観戦することを許された。
しかも、きっと派手に騒いで何を言い出すか分からない亜由美のことを考えた当麻は根回しして回りのファン達から隔離してもらった。
亜由美の周りにいたのは先輩双子、迦遊羅、ナスティである。
案の定、興奮した亜由美は当麻、征士、伸を先輩、先生扱いするのをすっかり忘れて呼び捨てで応援する。