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What's the name of the Game

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 呆れ果てているロイと驚きに言葉を失っているエドワードの前で、二人の「国家最高」の下らない口げんかが始まったが、止める力というか元気はさすがにどちらにもなかった。

 結局心行くまで罵り合っている親友同士は放っておくしかないと決め、ロイとエドワードはオープンカフェを後にした。驚いたことにまだ彼らはいがみあっていて、つける薬がなかった。
「君のお父上たちはいつもああなのか」
「ごめん…なんかあいつら変なんだよ」
 ふう、とエドワードは溜息。愛されすぎるのも大変なものかもしれない、とロイは初めてそんなことを思った。
「っていうか」
 と、エドワードが難しい顔をしてくるりと振り返った。
「なんだい?」
「大佐、なんて。そんな偉い人だって、オレ全然知らなくて、その」
「――そういう任務だったんだ、私も」
「え…?」
「君に正体を教えないで、君に守られるふりをしつつ、君を守ること」
「…なにそれ…」
 目を丸くするエドワードに笑って、ロイは前を向く。
「プラス、多分、部下の鬱憤晴らしを私でさせること、かな」
「は?」
「昨夜襲ってきたのも、昨日銃を撃ってきたのも、これから君の同僚になる人間たちだよ」
「…えぇっ?」
 エドワードの大きな目がさらに大きく見開かれた。この反応が素直で可愛いのだ。
「まあ、彼らは身を持って私のすごさを再認識してくれたみたいだから、私にとってもプラスだよ。何より――」
「…?」
「君というすばらしい部下を手に入れられたしね」
 かあ、と素直な丸い頬が薄く染まったのに、ロイは満足げに目を細めた。

「…見直したと思ったけどやっぱり再認識したわ。あの人は根っからの軟派だわ…」
 実は、いちゃついているとしかいえない様子を双眼鏡で鷹の目が観察している人物がいた。読唇術まで使われ、大佐も形無しといったところだが…。
「…!」
 気づかれていないはずの双眼鏡の先、確かに男の黒い目がこちらを捉えた。レンズ越し、彼はにやりと笑い、すぐまた何事もなかったかのように少年に向き直って何かを告げている。
「……出来るんだか出来ないんだかわからない人」
 東方司令部が誇る才媛は、レンズの向こうの上官と、これから仲間になる少年とを交互に見比べ、肩をすくめたのだった。


作品名:What's the name of the Game 作家名:スサ