二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」
堀内とミオ!
堀内とミオ!
novelistID. 61360
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

ヘレナ冒険録

INDEX|7ページ/18ページ|

次のページ前のページ
 

[護衛剣士カーミル]  『メルセデスと約束を交わし、いよいよ瘴気渦巻く暗黒大陸ゴロノアに到着。船着き場もなく、海岸も大型船が近づけないので、ボートを借りてここからはまた一人。不安はあるが、ロマンのために私は突き進む』




「はあ……海賊船にお世話になって……あとは手漕ぎボート。だけど、この瘴気。間違いなく、ここはゴロノアね!」

 ヘレナよ。サバイバル術を身につけておいて良かったな。まさか、ボートを漕ぐはめになるとはな。人生何がどこで役立つかわからないものである。

「ええと……記録には……『その城は地下に築かれた。とある……の手によって』『巨大な地下坑道…………を抜けると、地上に通ずる』。大事なところ、穴だらけ……ヒントになるのは……【地下坑道】かな。確かにこんな瘴気、長くもたない。何かあるとしたら、地下だわ。ええっと……『私の後を追う者は注意せよ。坑道は魔物の巣窟となっていた』」

 吾輩はこんな瘴気、なんともないがヘレナよ。早く地下坑道に行くべきだな。……が、ヘレナにとっては瘴気よりも魔物の方が問題、か。

「うう、ロマンのためなら仕方ない! なんとかなるはずよ!」

 そうだ。地下坑道ならば得意の隠れる戦法も活きてくるしな。もちろん、逃げ場がなくなるリスクもあるが、そんなことは言ってはいられない。さあ、地下坑道へと向かおうではないか。

「はぁ……動く石像の魔物……あれも古代の遺物なのかな。」

 ふう……。行ったか。石系の魔物は物理攻撃が効きづらい。ここはやり過ごすに限る。

「上等! あれも冒険ロマン! ……と言いたいとこだけど。さすがに護衛くらい、雇えばよかったかな」

 おっと! 油断していると新たな魔物に見つかるぞ!

「誰!? 人間なの!?」
「そ、そっちこそ!」

 なんと、魔物ではなく人間だったとは。それも、女性が一人で……。ピンク色の髪の毛に踊り子のような格好をしてはいるが、剣を構えてきたところを見ると、剣士のようだな。

「土地の者じゃないわね。本を持ってるってことは、学者か何か……」
「冒険家。名前はヘレナよ」
「今どき、冒険家? 絶滅したとばかり……」
「あなたこそ、冒険のロマンもわからないくせにこんなところに何の用?」
「私はゾルダ……」

 何かを言いかけたな。そもそもこんなところへ剣士が何の用事で来ている、というのだろう。

「ダメ、ダメ。極秘任務なんだから。旅の傭兵らしく……オホン!」

 極秘任務とか聞こえたが、まあスルーしておこう。

「私の名はカーミル。通りすがりの旅の傭兵だ。ここへは腕試しに来たのだが……キミのように丸腰の者には、いささか危険ではないのかね」
「……何か、突然話し方、変わってない?」
「そのようなことはない! わわ、私は元よりこの性格だ!」

 いや、あきらかに変わったぞ。

「それより、危ないのだから早く、ここを脱出……」
「まあ、いいわ。傭兵ならちょうどよかった! 護衛が欲しかったところなのよ!」
「はっ?」
「報酬はあとで払うわ! 奥の地下城へ行きたいの。ついてきて!」
「ち、ちょっと待って! じゃなくて、待ちたまえ! 勝手に決めるんじゃないっ!!」

 ま、いささか頼りなさそうではあるが、ヘレナ一人で探索を続けるよりはいくらかマシだろう。これで吾輩の出番も、まだまだお預けになりそうだ。



作品名:ヘレナ冒険録 作家名:堀内とミオ!