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同調率99%の少女(11) - 鎮守府Aの物語

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 更衣室に戻る途中、唯一会ってしまったのは夕立こと立川夕音だ。ちょうど女性用トイレから出てきたところを那美恵たちは見つかってしまった。

「あーー! 那珂さんのお友達が制服着てるー!」

 指さしながら夕立は大声で叫んで小走りで那美恵たちに近づいてきた。那美恵はそれを人差し指で内緒の仕草をしながらそれ以上叫ばせるのを静止する。
「夕立ちゃん!しーっ!しーっ!みんな来ちゃうでしょ!?」
「え〜、別にいいじゃん!川内さんと神通さんになるんだっけ?カッコいいっぽい〜!那珂さんもよかったけど二人とも決まってるよ!」
「アハハ。ありがとう、夕立ちゃん。」
「あの……ありがとうございます。」

 流留と幸は苦笑しながらも感謝を述べる。一方の那美恵はこれ以上知られてしまうとまずいとヤキモキしながら夕立に説明する。
「あのね夕立ちゃん。流留ちゃんとさっちゃんのこの姿さ、みんなには着任式の日に見てもらいたいの。今この場で見ちゃうとさ、みんなの楽しみが減っちゃうでしょ?」
「え〜そうかな〜?あたしはいいものは何回見ても楽しめるっぽい。気にしないよ?」
 夕立は思ったままのことをスパスパ口に出す。が、それは那美恵の思惑にはそぐわない。
「夕立ちゃんが良くても、他の人は違うかもしれないでしょ? あたしは皆を驚かせたいの。だから皆にはまだ内緒ね?」
「うー。まぁ那珂さんがそこまで言うならわかったっぽい。」

 口では理解したことを言っても、頭では納得いってない様子の夕立。那美恵は夕立が本当にわかったかどうか不安になったがとりあえずよしとしておいた。
「それじゃあ二人を連れて行っちゃうから、夕立ちゃん、また今度ね。」
「はーい。」
お互い手を振ってそれぞれの場所に歩を進めて別れた。


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 更衣室に戻った3人は誰が早いか、大きく息を吐いて安堵の表情を浮かべあう。
「はぁ〜なんかどっと疲れちゃった。」と那美恵。
「それはあたしらのセリフですよ。たった二人とはいえ、違う学校の子たちに艦娘の制服姿見られるなんてドッキドキでしたよ〜。」
 幸もコクコクと連続して頷いて流留の意見に賛同した。
「でも見られることの練習にはなったでしょ?」
「あ〜まぁそれはそうですけどね。」
 那美恵の指摘はズバリ当たっていたので歯切れの悪い言い返し方で反応する流留。

「あたしの計画ではまずは提督と五月雨ちゃんに見てもらって、他の子たちには着任式の時に初めてすべて見て知ってもらうっていう考えだったの。」
「はぁ。あたしはどっちでもよかったですけど。」
「私は……見られるのは一回で済ませたい……です。」
「結果的には提督じゃなくて夕立ちゃんに見られちゃったんだけど、あの子結構口軽いらしいから、ちょっとだけ心配なんだよねぇ。」
「いいんじゃないですか?どのみちもうすぐ見られるんですし。」
「あたしにはあたしの考えがあるんだけど……流留ちゃんたちがいいって言うならいいや。」

 那美恵が納得の意を見せたので、流留と幸は艦娘の制服を脱ぎ、ロッカーに閉まってある学校の制服を取り出して着替え始めた。
 夏本番の夕方。日は少し落ちたとはいえ暑さは辺りを支配している。更衣室内はさきほど那美恵たちが来た時にエアコンを付けておいたので涼しく快適だったが、廊下を歩いている間に那美恵たちは汗をかいてしまっていた。

「汗かいちゃったし、今日どこか寄って涼んでく?それともまっすぐ帰る?」
「なんか飲んで帰りたいですね〜。さっちゃんはどう?」
「私も、賛成です。」
 二人の賛同を得られたので、那美恵は号令をかけた。
「よっし!じゃあ着替え終わったら途中のファミレスに寄っていこー!」
 流留と幸が着替え終わった後那美恵は執務室にいる五月雨に一言行って鎮守府を発ち、途中にある、普段鎮守府Aの面々がよく使うファミリーレストランで30分ほど飲みながら涼んで3人はそれぞれの家へと帰っていった。