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Lovin' you 1

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できる限り近付きコックピットを開けて肉眼で確かめる。
私に気付いた彼女が立ち上がり、琥珀色に輝くあの熱い瞳でこちらを睨みつけた。
そして、私の心が彼女の名前を呼んだのに答える様にかつての私の名を叫んだ。
「シャア!」と。


思いがけない邂逅に戸惑いと共に己の心が高揚するのを感じた。そして思う。
『彼女をこの手に!』

エゥーゴに参加し、ティターンズとの抗争に立ち向かいつつも、かつて、ザビ家への復讐に心を燃やした様な熱さは無かった。
しかし、今、彼女を前に心が熱くなる。
「ララァ、これは運命なのか?それとも君が…?」
今はいない少女に問いかける。
遠くで彼女の鈴を転がすような笑い声が聞こえた気がした。



アウドムラに帰艦したマークⅡのマニュピレーターから彼女がドックへと降り立つ。先に輸送機から脱出していたと思われる少年も無事回収した。

マークⅡに続き百式もドックインする。急ぎコックピットから降りると、連絡を受けたハヤト艦長がアムロを迎い入れていた。
「アムロ!カツ!」
ハヤト艦長はアムロの手を握りその無事を確かめる。
「よく無事で!全く相変わらず無茶をするなぁ!本当に肝が冷えたぞ!」
「ハヤトこそ!無事でよかった!」
アムロも手を握り返す。
「フラウ達は?」
「無事日本へ向かったよ。あ、そうだ。手紙を預かってる。」
アムロはポケットから手紙を取り出すとハヤト艦長に手渡した。
「そうか、ありがとう。カツも良くやったな!」
カツと呼ばれる少年の頭をガシガシと撫で回し抱きしめる。

それを見つめる私にカミーユが近付いて来た。
「クワトロ大尉、あの人が一年戦争の英雄アムロ・レイなんですよね?」
複雑そうな目で私を覗き込む。
かつてのライバルを前に私がどう思っているのか心配しているらしい。
「ああ、そうだ。」
私はアムロ・レイに視線を向けたまま短く答えた。
私の視線に気付いたアムロがこちらを振り向く。
アムロの動揺を察したハヤト艦長が私の紹介をする。
「クワトロ・バジーナ大尉だ。エゥーゴでブライトが艦長を務めるアーガマのパイロットだ。」
アムロは複雑な視線を私に向けて呟く。
「クワトロ・バジーナ?エゥーゴ?ブライトさんの艦のパイロット?!」
信じられないという顔をして、フラフラとこちらに近付くアムロの体が突然グラリと揺れてこちらに倒れ込んできた。
「アムロ!?」
咄嗟に抱きとめると右腕の袖口から血が伝って床に落ちた。
「怪我をしているのか!?」
すぐさまジャケットのファスナーを下ろし脱がせる。
すると、一つでまとめ、ジャケットの中に入れていた赤茶色の長い髪がフワリと広がった。
アムロを女性と知るハヤト艦長やカツを除く他のクルーが目を見開く。
「女性!?」
隣にいたカミーユが驚いて叫ぶ。
まさか一年戦争の英雄。連邦の白い悪魔と呼ばれたパイロットが女性だとは思わなかったのだ。

アムロの右腕を見るとかつての私が付けた剣の傷跡が生々しく残っていた。
『間違いなく、アムロ・レイだ』と心の中で呟く。
そしてそのすぐそばにある簡単に応急処置をしたであろう傷口からは血が溢れていた。おそらく先程の激しい動きで傷が広がったのだろう。
私は意識の無いアムロを横抱きにすると医務室へと急いだ。



section6

医務室ではカツが医師に、脱走する際、腕に埋め込まれた発信機をアムロ自ら腕を切り裂いて取り出したのだと説明していた。
出血による貧血で眠るアムロの蒼い顔を見つめ、医師によって手当てをされた包帯の上から傷口に触れる。
「無茶な事を…。」
治療の為、上半身はタンクトップのみを身につけているだけでその細い両腕は掛布の外に出ている。
そして薄っすらと残る無数の注射針の痕や小さな傷跡に気付く。
「これは一体…。まさか…。」
いくら探しても見つける事が出来なかったニュータイプ。埋め込まれた発信機、そしてこの痕…。ジオン軍でも行われていたニュータイプの研究を思い出し、嫌な想像が脳裏を過ぎる。

「う…、あああ!ラ…ラ…。ううう。」
アムロが微かに声をあげた。しかし目は閉じたままだ。
「夢か?うなされているのか?」
するとコンコンとドアがノックされた。
「どうぞ」
答えると不安そうな顔をしたカミーユが入って来た。

「クワトロ大尉、アムロさんの具合はどうですか?その…大丈夫ですか?」
何か考える様に聞いてくる。
「ああ、今は眠っている。どうした?何か気になるのか?」
「いえ…、そのアムロさんの思惟だと思うんですが、凄く辛い…、苦しい、悲しいという感情が伝わってきて…。」

カミーユはその強いニュータイプ能力でアムロの思惟を感じ取ったらしい。
「ああ、何か夢を見てうなされている様だ。起こした方がいいな。」
「あの…、それと…、気のせいかもしれないんですが、その…、アムロさんから二人分の気配を感じるんです。」
「二人分?どういう事だ?」
「それが、曖昧ではっきりとはわからないんですがそんな気がするんです。」
カミーユが考え込みながらアムロを見つめる。


ーーーーーー
「ここは何処?」
アムロは真っ暗な空間に立っていた。
が、次の瞬間視界が開け自分はガンダムのコックピットにいた。
目の前に迫り来る赤いゲルググ。
その横に緑色のエルメス。
「ララァ!」
戦闘の最中、ララァと共感した瞬間、目の前に光が広がった。
ララァは自分はシャアを守る為に戦うという。僕には守るものがないのに何故戦うのかと責める。そして僕たちの出会いは遅すぎたのだと悲しく告げる。
「でも、出逢えば分かり合えるんだ!」
僕の言葉にララァがそうね…と言ってくれる。
次の瞬間、シャアが僕たちの共感に割って入った。
咄嗟に赤いゲルググにビームサーベルを突き刺そうとした、その瞬間ララァが間に飛び込んできた!
僕は避ける事も出来ずそのままララァの乗るエルメスにビームサーベルを突き刺してしまった。
「ああああ!ララァ!」
ララァは最後一瞬までシャアを愛してる、愛してると言った。
そしてシャアからも愛する人を失った悲しみが伝わってくる。
「僕は取り返しのつかない事をしてしまった!」
僕の心が自分の犯してしまった過ちに押し潰されそうなる。
「ごめんなさい!ごめんなさい!」


ーーーーーー
「アムロ!アムロ!目を覚ませ!大丈夫か?!」

呼びかける声に目を覚ますと目の前にシャアの顔があった。
咄嗟にシャアの頬を掴み、引き寄せる。
「ごめんなさい!ごめんなさい!」
驚くシャアにただ謝る。
「僕は取り返しのつかない事をしてしまった!ララァをこの手で…!貴方から愛する人を奪ってしまった!ララァは最期の瞬間まで貴方を愛してるって愛してるって…!ううう」
涙が溢れて止まらない。夢と現実の判断が出来ずに、ただ、ただシャアにしがみついた。
騒ぎに気付いて飛び込んできたカツと医師がその状況に驚愕している。
カミーユは私の心に引き摺られたのか私と同じく涙を流していた。
泣き縋る私をシャアは優しく抱きとめると背中をトントンと叩き、なだめてくれる。シャアから暖かい波動が伝わってくる。
「アムロ…。もういい、もういいんだ」
ゆっくりと囁く様に言うと私の体を離し、目と目を合わせる。
作品名:Lovin' you 1 作家名:koyuho