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Lovin' you 4

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下方霧の中に敵の気配を感じる。リックディアスの装備では届かない!
「カミーユ!下に向かってバズーカ砲を撃て!」
「え!?何も見えない!?」
「撃て!」
アムロの勢いに押されて、カミーユは何も見えない場所へとバズーカー砲を撃つ。
「もっと下だ!」
アムロに言われるまま砲撃すると霧の中から爆煙が上がる。
「命中した?!」
「カミーユ!ボウっとするな!来るぞ!」
霧の中から爆煙をあげたアッシマーが現れた。
そして、Mk-Ⅱとの間合いをつめる、
「しまった!」
Mk-Ⅱを捕らえたアッシマーが至近距離からビームサーベルでMk-Ⅱのコックピットを狙う。
「させるか!」
アムロはビームサーベルを持つアッシマーの右腕をビームサーベルで切り落とす、そしてそのままアッシマーを撃破する。
「大丈夫?カミーユ」
「はい、ありがとうございます。」
ふと、ヒッコリーの方へ視線を向けるとシャトルが宇宙へと飛び立ったのが見える。
「クワトロ大尉達、無事上がりましたね。」
カミーユも視線を向ける。
「ああ…。そうだね。」
『シャア…』
アムロは心の中で名を呼び、ノーマルスーツの上から彼が残した所有の印を押さえる。
一呼吸置くとアウドムラの方へ意識を向ける。
「カミーユ!アウドムラが攻撃を受けている!
戻るよ!」
Mk-Ⅱとリックディアスはアウドムラへ向け飛び立つ。

「弾幕薄いぞ!モビルスーツはどうした!?」
艦橋ではハヤトの怒声が響く!
「今、2機でました!」
「無人のモビルスーツを土台に乗せて出せ!真っ直ぐ飛ばせば当たる!!」
「艦長!Mk-Ⅱとリックディアスが戻って来ました!後、ベルトーチカのコメットもいます!」
オペレーターの声にハヤトは前方に目を向ける。
『カミーユは上げられなかったか…。』
「よし!コメットを回収したら海岸線に離脱する!!」
ハヤトは命令を下すと目の前で敵と交戦するアムロのリックディアスを見る。
「相変わらずアムロは凄まじいな。」
そこに、アムロ達が戻って来た事を聞いたアルが現れた。
「艦長、アムロは!?」
ハヤトは視線をリックディアスに向けてアルに指し示す。
そこには、美しい軌道を描き、無駄の無い動きで敵を撃破するリックディアスの姿があった。
「全く…。7年のブランクがあるとは思えないな、一年戦争の時を思い出すよ、あいつが戦場にいるってだけで大丈夫だって思える。」
その姿にアルも魅入る。
「連邦の白い悪魔…ですか…。確かに敵からしたら恐ろしいですね…。」
昨日、恐怖に震えていた女性とは思えないな…。
「まぁ、でも余裕がある時は機体だけに損傷を与えて、パイロットをなるべく傷つけない様にしてますよ。ほら!今、敵のランドセルだけをサーベルでブッた切ってるでしょ?あんな神技あいつにしか出来ないですよ。」
「凄い…。」
彼女はまさに一流の戦士なのだ…。あの男は戦士としての彼女と女性としての彼女、どちらを欲しているのだろう…。
宇宙に上がった金色の男を思う…。

戦闘が終わり、モビルスーツが次々とアウドムラのドックへと帰艦してくる。
Mk-Ⅱに続きリックディアスも帰艦する。
カミーユはコックピットから降りると隣にドックインするリックディアスを見上げる。
「アムロさん、全く被弾してない…。凄いな…。あれがファーストニュータイプ、アムロ・レイ…か。」
アムロがヘルメット脱ぎながら、クレーンに乗って降りてくる。
「アムロさん!いえ、アムロ大尉!」
パイロットとしてのアムロに敬意をはらい階級で呼ぶ。
「カミーユ、すまなかった!君を宇宙に上げられなかった。」
「いえ、いいんです。次の機会があります。それに、しばらくアムロ大尉の元で学びたいですし。」
「学ぶって…、士官学校出たわけじゃ無いし、戦闘だって独学だよ?クワトロ大尉みたいに何にも教えられないと思うけど…」
ーーーこの人は自分の凄さをわかって無いのか?
「そんな…事は…。そういえば、クワトロ大尉とカツ君は無事アーガマと合流出来ましたかね?」
カミーユの言葉にアムロ肩がビクリと揺れる。
『そうだ…、あの人は宇宙に行ってしまった…。』
「アムロさん!?」
カミーユが驚いてアムロの顔を覗き込む。
アムロの瞳からは涙が溢れ、頬を伝っていた。
「あ、あれ」
アムロは自分の涙に戸惑う。
「あはは、なんか安心したら気が抜けちゃったかな。あの2人ならきっと大丈夫だよ。ブライトさんが絶対何とかしてくれるって!」
「アムロさん…」
アムロから"淋しい","悲しい"という思惟が流れ込んでくる。
『アムロさんの心はここまであの人に傾いているのんだ…。』
「ごめん、先に部屋に戻るよ」
アムロはカミーユ背を向け歩き始める。
と、アムロは血の気がスッと引くのを感じ、その場に膝をつく。
『やばい!貧血…』
「アムロさん!!」
カミーユが咄嗟にアムロの腕を支える。
「だ、大丈夫。チョット貧血でくらっときただけだから。」
そう言いつつも、アムロはなかなか立ち上がる事が出来ない。
「何言ってるんですか!医務室に連れて行きます。つかまって!」
カミーユはアムロの腕を自分の肩にまわし、腰を支えると医務室に向かった。
そして、抱えるアムロの腰にドキリとする。
『細い…!こんな華奢な身体の人があんな凄い戦闘をするのか…!?』


「アムロ!どうした!?」
アムロを医務室に連れて行くと慌ててアルが駆け寄る。
「貧血みたいです。」
「わかった。カミーユ、そっちのベッドまで運んでくれ、ついでに腕の包帯も替えるから。」
カミーユはベッドにアムロを寝かせると、ノーマルスーツの襟を緩める。
「ありがとう、カミーユ」
アムロは蒼い顏で少し笑いながら答える。
そこに点滴と包帯持ったアルが現れる。
「アムロ、包帯を替えるから少し身体を起こすよ。」
アルはアムロの背中を支え、上半身を起こす。
「ノーマルスーツの上半身を脱がすね。ごめん、カミーユもチョット手伝って。」
スーツのファスナーを下ろすと、カミーユが背中を支え、アルがスーツの上半身を脱がせる。そして、インナーの半袖Tシャツの袖を捲り上げて包帯をほどく。
そこには、まだ治りきっていない新しい傷と、古い大きな傷跡があった。
「アムロさん、この古い傷跡…、1年戦争の時に?」
カミーユの問いにアムロはふとその古傷を見る。
「ああ、うん。1年戦争の時、ア・バオア・クーで、赤い彗星のシャアと白兵戦をした時にね、剣でブッすり刺されたんだ。」
アムロの言葉にカミーユもアルも固まる。そして数秒おいて叫ぶ。
「「ええ!赤い彗星って!!」」
『『あの男!女性相手に何て事を!』』
カミーユとアルの声(心の声も)が重なる。
「うん。あの人、あの時は私の事、男だと思ってたし、ホント容赦なかったなぁ。」
しみじみ話すアムロにニ人とも言葉が出ない。
「モビルスーツ戦でお互いの機体が大破して沈んだ後、ア・バオア・クーの内部に鎧やら剣やらが置いてある部屋があって、そこに誘い込まれたんだよね。そこで、「ニュータイプだって身体を使った戦闘は訓練を積んでなければ勝てない」って言われて腹が立ってさぁ、意地で向かっていったよ。」
「相手は訓練を積んだ軍人だよね?」
アルは思わず確認する。
作品名:Lovin' you 4 作家名:koyuho