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艦隊これくしょん―艦これ― 第2艦隊健在なり

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『こちらオケアヌス1。寺西三佐とはこれが初めての交信ですが、よろしくお願いします。現在、深海棲艦は方位140、1400マイル先を、方位320、毎時20ノットで航行中です』
 入ってきたのは海上自衛隊のヘリからの更新であった。突然の交信に寺西の身体がピクリと跳ねるが、驚きの色を見せないように返信を行う。
「了解。こちらこそよろしくお願いします」
 
 1日後の夜、第2艦隊から入電が入る。
『こちら時雨。深海棲艦を視認したよ。向こうも正面から来てるから、視認されてるみたいだね。オライオン1の言ったとおり、軽巡1、駆逐5の編成だね』
「了解です。長官をすぐに呼びますが、その進路のまま射程圏内に入ったら、時雨ちゃんの判断で攻撃開始しちゃってください」
「分かったよ明石さん」
 今は寺西に代わって、明石が交信を行っていた。いくら彼の交代要員と言っても、明石自身も艦隊運用経験は皆無なので、自分で判断しなければならないことに緊張する。硬い表情で机の上に置いてある内線を手にとった。
「長官、第2艦隊が敵艦隊を視認しました。すぐに無線室に来てください」
「分かった。すぐに行く」
 数分後、寺西は無線室へと姿を表した。明石はその姿を見てホッと息を吐く。
「長官、よろしくお願いします」
「ありがとう。もう時間も遅いし、明石はゆっくり休んでくれ」
 明石は部屋をゆっくりとした足取りで出て行った。しかし、緊張が解けたからか一気に眠気が来たので、彼には見えないように小さなあくびをした。
「さて時雨。砲撃距離まで後どれくらいだ?」
『あと5分程度で砲撃できるよ』
「了解。ジグザグ航行で敵の攻撃を回避しつつ、攻撃にあたってくれ」
『了解』

 時雨が交信を終わると、敵軽巡洋艦が砲撃を始める。どうやら向こうのほうが射程が長いらしい。
「五月雨、全速で回避!」
「分かった!」
 急いで増速するも、軽巡洋艦の砲撃は五月雨の二の腕をかすめた。
「大丈夫かい?」
「まだまだ全然平気だよ!」
 砲弾がかすったにも関わらず、五月雨は元気な様子であった。そんな五月雨に少しの安心感を抱きつつ、時雨は大砲を構える。
「さあ、砲撃を始めるよ」
 まずは、先行する2隻の敵駆逐艦が散発的に砲撃を始める。しかし、砲弾は2人のまわりに水柱を作って静まった。五月雨も応じるように12.7センチ砲を発砲する。すると、その砲弾は敵艦隊のどまんなかに落下し、敵軽巡洋艦に直撃した。
「やったあ!」
 五月雨は初めての直撃に喜んだが、敵艦隊は手を緩めない。次の砲撃は2隻を完全に捉え、直撃弾を受けた。
「ぐっ、さすがだね。でも、僕もここで負けるわけにはいかないんだ」
 そう言って、時雨は大砲の引き金を引く。砲撃は放物線を描くと、正確無比に軽巡洋艦を貫いた。
「これなら行けそうだ。長官、敵軽巡洋艦への集中攻撃を行うよ。旗艦が手ひどくやられれば、相手も深追いはしてこなくなるはず」
「よし、それで行こうか。時雨、五月雨の両名は敵軽巡洋艦に攻撃を集中。奴らの出鼻をくじいてくれ」
 敵艦隊と交差する。その時、両艦隊はありったけの砲弾をお互いに叩き込んだ。爆風が辺りを包み込み、他の艦との相対距離が小刻みに変動する。五月雨と時雨は敵6隻の一斉砲撃で、全力で回避行動を行ったが、軽いダメージが蓄積されていった。しかし、時雨たちの砲撃も軽巡洋艦に直撃し、着実にダメージを与えている。2隻は敵艦隊と離れる際に、魚雷を一斉にばらまいて退避した。しかし、
敵艦隊から放たれた魚雷もこちらの2隻を追いかける。魚雷は互いにすれ違うが、時雨たちを狙った魚雷は時雨と五月雨の間をすり抜け、敵艦隊を狙った魚雷は敵軽巡洋艦の土手っ腹で大きな水柱を起こした。
「グオオオオオ」
 敵軽巡洋艦はどこから出したのかわからない悲鳴を上げると、行き脚を止めた。