二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

艦隊これくしょん―艦これ― 第2艦隊健在なり

INDEX|17ページ/25ページ|

次のページ前のページ
 

「大丈夫。だから那珂さん、長官が私達を大切に思ってくれるのはありがたいって言ったんだよ」
「まあ、仲間をすぐ死地に追いやる人間じゃなくて助かるわ」
「さて、長官はああ言ってたけど、那珂ちゃんとしてはあの戦艦部隊を沈められると思うんだよね〜」
「僕たちは準備バッチリさ」
「こんなの、かすり傷にも至らないわ」
「私も元気に溢れてます!」
「というわけで、あの艦隊を殲滅させよ〜! みんなついて来て!」
 那珂が速力を一気に上げる。時雨、五月雨、満潮も直後に続き、単縦陣で敵艦隊に突撃していった。まずは先行する敵駆逐艦が発砲。しかし、命中には至らなかった。この砲声を皮切りに砲撃戦が始まる。敵艦隊と砲撃しつつ、肉薄する第2艦隊。目と鼻の先まで近づき、横をすり抜けてゆく。敵戦艦が16インチの鉄塊を再び放つも、時雨は難なくこれを避けた。敵艦隊はさらなる追撃をかけようと回頭し始める、その時を狙って第2艦隊は魚雷を叩き込んだ。
「当たれ!」
 魚雷は戦艦、軽巡洋艦と思われた雷装巡洋艦に命中。戦艦は食らったのにゆうゆうと航行している一方、雷装巡洋艦の方は速力が急激に落ちた。また、この魚雷攻撃で敵艦隊は回避行動をおこない、足並みが崩れて陣形がバラバラになった。
「やったぁ!」
「ああ、なかなかいい斉射だったね」
「満潮ちゃん、大丈夫?」
 満潮は魚雷発射管付近に直撃弾を受け、中破していた。
「だいぶ食らっちゃったけど、まだ大丈夫だわ。倍返しよ!」
「OK! 他のみんなは?」
「私もちょっと当たっちゃいましたけど、大丈夫です!」
「僕はまだ無傷さ」
『那珂、聞こえるか?』
「よーく聞こえるよ!」
『先程、海上自衛隊の護衛艦隊が危険海域を離脱した。君たちも早く離脱してくれ』
「ごっめーん、離脱したいのはやまやまなんだけど、敵艦隊が早すぎて離脱は無理そう〜」
『そうか……』
「よし! じゃあこのまま追撃戦かけちゃうよ! 戦艦を重点的に叩いて!」
 いつの間にか太陽の位置も低くなり、各艦の顔を朱色の光が照らす。
 反転した艦隊はそのまま敵艦隊の間を抜けるように進み、両舷に広がる敵艦隊を続けて砲撃した。しかし、交差しているときに五月雨に砲撃が集中。大破状態となって機関が停止する。
「五月雨!」
 戦艦に魚雷を叩き込んだ時雨が急いで五月雨のもとに戻り、身を挺して五月雨を守る。
「五月雨ちゃん、状況報告!」
「ごめんなさい、機関に直撃弾を受けて航行不能です」
「わかった。機関を急いで修理して、遅くてもいいから航行が可能になり次第、海上自衛隊が退避していった方向に向かって! 敵艦隊は那珂ちゃんたちがどうにかするから!」
「絶対に沈むんじゃないわよ!」
 時雨の魚雷が直撃した敵戦艦はそのまま海中に没した。残りは4隻。那珂は歯を噛み締めながら砲撃する。
 五月雨の修理が完了する頃には、時雨は中破、満潮は大破状態であった。敵は戦艦と雷装巡洋艦が沈没していたが、軽巡洋艦1隻、駆逐艦2隻は健在。
「……ここまでだね。全艦撤退するよ〜」
「まだよ! まだ主砲は撃てるわ!」
 鋭い目つきで那珂を睨む満潮。しかし、彼女の両腕は力なくブランと下がっている。
「流石にこれ以上は無理だよ満潮」
 時雨も傷を受け、だいぶ疲弊している様子が見て取れる。
「そうだよ満潮ちゃん。こっちは誰も沈没しなかったけど、戦艦と雷装巡洋艦を沈めることができた。作戦は失敗だけど、大戦果だよ」
 満潮はうなだれる。
「……そうね。撃滅できないのは心残りだけど、戦艦を沈められただけでもよしとするわ」
「そうそう。さあ、帰って歌の練習しなくちゃ!」
敵艦隊の動向を確認しつつ、距離を取る那珂。敵艦隊がそのまま東南東の方向へと去っていく航路を取るのを確認すると、彼女らは護衛艦隊のもとへと戻った。