艦隊これくしょん―艦これ― 第2艦隊健在なり
第4章
リアウ諸島での作戦から第2艦隊が帰投した翌日、寺西は作戦の結果報告のために富山司令長官の執務室へと来ていた。執務室では富山と大淀が何か書類をまとめているところであったが、富山は書類を横に置いて寺西の報告を聞いた。
「以上が、今回の作戦の報告になります」
「うん、じゃあ戦闘詳報は預かる」
寺西の両手から報告書が手渡される。
「まさかあの海域に戦艦が現れるなんてな。申し訳なかった」
「いえ、あの段階で戦艦の登場は誰にも予測できませんでした。また、私が的確な指示を出せなかったために、艦隊の皆が大きな損傷を被る結果になってしまいました」
「そうか……」
富山は腕を組み、何か考える様子で少し目線を落とす。なにか叱責を受けるのだろうかと思い、寺西は直立不動のまま固まる。少し間が空いて、突然富山は膝を叩いて立ち上がった。
「よし、模擬戦するか」
「も、模擬戦ですか」
突然の富山の提案に、寺西は面食らった表情を見せる。
「ああ、模擬戦なら艦隊運動を実践的に学べる。よし、そうと決まれば」
作品名:艦隊これくしょん―艦これ― 第2艦隊健在なり 作家名:瀬戸信浩