二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

【青エク】(サンプル)踏ミ出シ往クハ

INDEX|3ページ/4ページ|

次のページ前のページ
 



踏ミ往ク先ノ


 三輪子猫丸は静かに部屋のドアを開けた。
 既に時刻は深夜を回ろうとしている。元々遅くなる申請は出していたが、流石にこんなに遅くなるとは思わなかった。以前任務で知り合った、正十字騎士團のシステム開発部の職員に話を聞いてもらってから、ここ最近は認定試験の勉強もほぼ放ったらかしで、開発部に出入りさせてもらっている。
 だが流石に試験の日程が繰り上がってしまい、これまでのように出入りが難しくなった。システム開発部の方も、イルミナティ関連の事件に対応した、新しい開発案件が立ち上がったとかで、候補生に構っている時間が無くなってしまい、暫く開発部に行くのはお預けになった。
 今日はその最終日と言うことで、特別に色々システム開発について、参考に読んでおくべき本などを教えて貰ったり、現在の傾向などを教えてもらったり、自分の抱えているアイディアの実現度などを教えて貰ったりして過ごした。
「まずは祓魔師になって現場を経験してくること。現場を知らないと、本当に必要とされるものも、使い勝手のいいものは作れないしね」
 とは部長と呼ばれていた中年男性の言葉だ。その言葉に、職員の全員がうんうん、と頷いた。
「開発部に配属なんて、簡単だから」
 ブラック部署だもんな、と皮肉な口調で言ったのは、開発部のエースと呼ばれている男性で、彼はいつも疲れたような顔をしていた。たまに泊り込んで今日で何日目だ、なんて話も聞いたことがある。皮肉屋な口調でクセが強そうなのが特徴だが、質問にはいつも十分すぎるほどに回答をくれる親切な人だった。
「まぁ、現場の祓魔師も超ブラックだけどね」
「昼も夜も、休みもありませんからね」
「俺らとあんまり変わんねーよ」
 とりなすためか、子猫丸を怖がらせないためか、女性と男性の職員が目を丸くする子猫丸に言った。
 そんなこの先の子猫丸の道行に、不安も希望も覚えた日の帰宅だ。
 新しい癖にちょっと軋む扉をそっと開いて、部屋に滑り込む。