二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

Lovin' you afterCCA 1

INDEX|2ページ/3ページ|

次のページ前のページ
 

シャアは両手でアムロの頬を包み込み、アムロの額に己の額を重ね合わせる。
「アムロ…、良かった…。」
アムロの頬に暖かいものが伝い落ちてくる。
「シャア…、貴方…泣いているの?」
それがシャアの涙だと気付く。
「アムロ…アムロ…」
幾筋もの涙がシャアの頬を伝い、アムロの頬へと落ちる。
アムロは重なり合った額から伝わる愛しい人の温もりに幸せを感じる。
「シャア…。愛してる。」
そっと囁くように告げると、シャアは顔を離しアムロの瞳を見つめる。
「私も君を愛してる。心から…愛してる」
そして、シャアはそっとアムロに口付ける。
初めは触れるだけの優しいキスを何度も贈る。アムロの唇がそっと開くと、そこから舌を滑り込ませ、それはお互いの熱を与え合うような深いものへと変わっていった。



翌日、アムロの元へカイルとライラが顔を出した。
「「お母さん!!」」
2人はアムロにしがみつくと、交互にアムロの頬へとキスをする。
アムロは自由になる手で2人の頭を撫ぜると、横に座っているシャアに目を向ける。
「カイル、ライラ。昨日聞いたかもしれないけどお母さんから紹介するね。この人が、2人のお父さんだよ。名前は…」
と、どの名前を言えばいいか迷う。
『本名はキャスバル・レム・ダイクンだよな…。でも、私にとってはシャア・アズナブルだし…。』
アムロがどう紹介しようかと迷っていると、シャアがクスリと笑う。
「君にとって私はシャア・アズナブルだろう?ならばそれでいい。」
シャアは2人に向き合うと笑顔で言う。
「シャア・アズナブルだ。カイル、ライラ。」
と名乗る。すると、ライラが満面の笑みを浮かべてシャアに抱きつく。
「お父さん!!」
その愛おしい仕草にシャアは胸が熱くなり、2人をギュッと抱きしめる。
「ああ、お父さんだ。お前達をこうして抱きしめる事が出来てとても嬉しい!」
ライラはシャアの頬へキスを贈る。それに応えるようにシャアもライラへキスを贈る。そして、少し戸惑い気味なカイルにもキスを贈ると、カイルは笑顔を浮かべそっとシャアの頬へキスを返した。
ライラはアムロへと視線を戻すと、アムロの髪が肩程まで短くなっている事に気付く。
「お母さんの髪短くなってる。なんで?」
と聞かれ、まさか2人への形見として切ったとは言えず言いよどんでしまう。
と、髪を切った時のことを思い返し、レウルーラに置いてきてしまったジュドーの事を思い出した。
「ああ!!ジュドー!!」
アムロは思わず大声をあげてしまい、傷に痛みが走る。
「いっ、痛たたたっ」
「アムロ!大丈夫か!?」
「シャア!!ジュドーがまだレウルーラにいるんだ!一応ナナイ大尉にはお願いしてきたけど、ジュドーを解放してくれないか!」
シャアとしては正直、このままシャア・アズナブルは死んだ事にしてネオ・ジオンには戻らずアムロの元に居たいと思っていたが、やはりそうはいかないようだ…。シャアは小さく溜め息をつくとアムロを見つめる。
「貴方…このままネオ・ジオンの総帥から逃げてしまおうとか思ってなかった?」
アムロに図星を指され二の句が継げない。
「いや。しかし、アムロ…。」
「ダメだよ!無責任な事しちゃ!今回のアクシズ落としはアレを貴方に売却した連邦の奴らも窮地に立たされるはずだからきっと貴方だけが責められるような事は無いと思うよ。だから、貴方は貴方の責務をきっちり果たして欲しい。」
アムロに諭され、渋々頷くとレウルーラへと極秘の通信回線を開き、ナナイ大尉に連絡をする。
モニターの向こう側ではナナイが号泣し、シャアの無事を喜んでいた。


数日後、ジュドーは解放され、レウルーラからの小型艇でラー・カイラムへと帰艦した。
「アムロ隊長ぉぉぉ」
車椅子に乗って出迎えたアムロにジュドーが抱きつく。
「本当に無事なんだ!良かった!良かった!俺、隊長が総帥と一緒に死んじゃったかと思った!良かったぁぁ」
号泣するジュドーの背中をトントンと叩いていると、ジュドーの後ろから小型艇を操縦して来たと思われるネオ・ジオンの兵士が姿を現わす。
「あ、君は…!」
姿を現したのはヤクト・ドーガのパイロット、ギュネイ・ガスだった。
ギュネイはアムロに向かい姿勢を正すと敬礼をする。
「ギュネイ・ガス准尉であります。」
アムロもそれに応えるように敬礼をする。
「アムロ・レイだ。ギュネイ・ガス准尉。ジュドー少尉の搬送をありがとう。」
ギュネイはアムロの首に巻かれた包帯に目を止めると。思い切り頭を下げて謝る。
「アムロ大尉!医務室では乱暴をはたらき、申し訳ありませんでした!」
アムロの車椅子を押していたアルはアムロの首の圧迫痕の原因を察すると彼を睨み付ける。しかし、当のアムロは全く気にもしていないようで、サラッと許してしまう。
「ああ、全然気にして無いよ。むしろ私の方こそ蹴り飛ばしたりメスで脅したりしてすまなかった。」
アムロの言葉にアルは目を見開く。
『ん!?蹴り飛ばす?メスで脅す?』
何か怖い事を聞いた気がするがアルはスルーする事にした。
「ギュネイか?ご苦労だった。」
アムロの後ろからノーマルスーツに身を包んだシャアがブライトを伴って現れた。
シャアは諸々の事後処理の為、ジュドーが乗って来た小型艇でレウルーラへ戻るのだ。
「大佐!ご無事で何よりです。」
ギュネイはシャアに敬礼をするとその無事を喜ぶ。
「ナナイ大尉の命により、自分が大佐をお連れする事になりました。」
「ああ、すまないが宜しく頼む。」
シャアもギュネイに敬礼を返す。
そして、アムロの前に回り込むとその琥珀色の瞳を見つめる。
「アムロ…。君と離れるのは辛いが私の責務を果たさねばな。必ず迎えに来る。それまで待っていて欲しい。」
「ああ。身体もこんなだし此処で大人しく待っているよ。だから貴方も頑張って。」
アムロはにっこり微笑むと、シャアのスカイブルーの瞳を見つめ返す。
「お父さん!早く帰って来てね!」
そのアムロの横からライラが顔を出す。
シャアは微笑むとライラを抱きしめ、頬にキスを贈る。
「ああ、ライラもいい子で待っていておくれ。」
「うんっ」
その光景にギュネイが目をパチクリさせている。
「お、お父さん!?大佐が!?」
「ああ、ギュネイ。私の娘のライラとこちらが息子のカイルだ」
シャアはさらりと2人をギュネイに紹介する。
しかし、ギュネイは思考が追い付かず上手く言葉が出ない。
「え?は?息子?娘!?」
そんなギュネイを尻目にシャアはもう一度アムロに向き直ると、そっとその唇にキスを贈る。
そしてチラリとアルを見てからアムロの首の包帯を少しめくり、そこにチュっときつく吸い付いた。
「痛っ」
アムロの小さな悲鳴にアルが眉を顰める。
「クワトロ大尉!!」
シャアはふふんと不敵な笑みを浮かべ、アムロにつけた所有の印に指を這わせる。
「アムロを誰にも渡したくはないのでな」
聞き覚えのあるそのセリフにアルの中で何かがプツリと切れた。
「貴方!!また!!ホント独占欲強過ぎですよ!ああ、もうっ!貴方との約束なんてどうでもいい!!」
キレたアルはアムロの両肩を掴むとその瞳を正面から捉える。
「アムロ!!君が好きだ!こんな男なんて放っておいて僕と結婚しよう!!」
作品名:Lovin' you afterCCA 1 作家名:koyuho