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34 Dinner2~それぞれの想い

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レオニードはダイニングルームの戸棚からvodkaとグラスを二つ取り出しなみなみと注いだ。無言で一つをロストフスキーに勧め、一気に煽る。ロストフスキーは口をつけることもなくじっとレオニードを見つめていた。

「飲まぬのか?」

「まだ任務中です」

「・・・おまえたちが言いたいことはよくわかっているし・・・宮廷のくだらない噂も知っている」

「くだらない・・・?少々、ご執心が過ぎるのでは?あなたらしくもない・・・」

ロストフスキーは、珍しく棘のある突き放すような物言いで幼なじみでもある主に進言した。
もう一杯を自らのグラスに注ぎ、今度はゆっくりと味わうと主は苦し気に口を開いた。

「初めて、なのだ・・・このような気持ちは。あれと過ごしているとどうしようもない安らぎに満たされる自分に私自身も戸惑っておる・・・体を繋ぐ男女の関係もなく、ただ心を通わせるということがこんなにも癒されるものなのだと・・・」

ロストフスキーはレオニードの絞り出すような告白に衝撃を受け、思わずギュッと目を瞑る。

「候!今のあの娘は、本来の自分を見失っているのです!本当のあの娘は・・・」

「だからだ!!だからせめて・・・記憶が戻るまで・・・おそらくもう、あと少しだろう・・・それまでは・・・」

「・・・・・」

目を閉じ大きく息を吸うと、ロストフスキーは黙って幼なじみのグラスを満たしてやるのだった。