50 小さな同志
「ミーチャがね…、最近立て続けに夜トイレを失敗するようになって…。実は自分が知らなかっただけで、頻繁にしてたのかな…って」
ユリウスのその相談事に同志の妻の一人がアドバイスする。
「それって…赤ちゃん返りじゃないかな?」
― うちもね、下の子が産まれて一時期その子にちょっとかかりっきりになって、上の子に寂しい思いをさせちゃったのね…。そうしたら今までそんなに失敗したりしなかった子が、やっぱりするようになっちゃったのよ。ミーチャも…今まで頑張ってるあなたを精一杯支えて…気を張り続けて…寂しいのも我慢していたんだと思うわ。アレクセイが戻ってきて、あなたがいつも傍にいるようになって、きっとミーチャも張りつめていた糸が切れちゃったのかもしれないわね。…ミーチャに、思い切り甘えさせてあげて。
「うん…。そうだね。わかった」
作品名:50 小さな同志 作家名:orangelatte