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永遠にともに〈グリプス編〉4

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「はい!地上用に色々調整をしてます。」
「そうか…」
カミーユと2人、飲み物を片手にベンチに座る。
カミーユを見ているとアクシズにいた頃のハマーンを思い出す。
彼女も多感な年頃にその高いニュータイプ能力を持て余し、不安定な状態だった。
「この辺りは…何だか嫌な感じがするんです。アムロさんも何か感じているんですよね。」
カミーユのその澄んだ瞳に、全てを見透かされている様な錯覚を覚える。
「……この辺りには…ニュータイプの研究施設があるんだ…。多分そのせいだと思う。」
アムロはカミーユから視線を逸らして言う。
「ニュータイプ研究?」
「ああ、オレや君の様な存在は珍しいからね。そう言うのを研究してるのさ。そして…」
『人工的にニュータイプを作り出し、戦争の道具にしようとしている…』
「そして?」
「いや、何でもない。」
「カミーユ、君の潜在能力はとても高い。でも高すぎる能力は君の身体に負担を掛けてしまう。だから、自分の能力をコントロールできる様にならなければならない」
「コントロール…ですか?」
カミーユが自分の両手を見つめて呟く。
「ああ、オレは心に扉を思い描いて、能力をいくつかに分けて抑え込み、必要な分だけ扉を開いて解放する様にしている。」
「扉?」
「ああ。まあ、あくまでオレのやり方だけどね。君も君なりに能力を抑える練習をしたほうがいい。」
カミーユは頷くと己の胸に手を当てて目を閉じる。
その様子をじっと見つめているとカミーユがゆっくり瞳を開く。
「何となくですけど…。わかるような気がします。」
「そっか。」
アムロはカミーユの髪をそっと撫ぜると優しく微笑み、その場を後にした。
「アムロさん…?」
カミーユはその後ろ姿に不安を覚える。
「何か…嫌な予感がする…。」


ケネディ宇宙センターで補給を受け、次は地球での出資者であるルオ商会のステファニー・ルオと接触する為、ニューホンコンに向かう。
カイとレコアとはここで別れる事になった。2人はティターンズの新拠点を調査する為、アウドムラを降りるのだ。

「カイさん、また!」
「ああ、またな!」
カイはいつもの飄々とした態度で軽く手を振り、アウドムラを去って行った。
私室に戻るとシャアが腕を組んで立っていた。
「カイ・シデンは行ったか…。」
「ええ」
「少し寂しそうだな」
アムロの頬に手をあて顔を覗き込む。
「そうですね…、次はいつ会えるか…。」
『もう会えないかもしれない』そんな予感を感じて、首を横に振りその予感を振り払う。
シャアはアムロの不安を感じ取ると、そっと抱きしめる。
「カイ・シデンに釘を刺された。彼は“赤い彗星”は信用できないそうだ。しかし、今は利害が一致するから協力すると…。」
「ふふ、カイさんらしい」
アムロはシャアの腕の中でクスリと笑う。
「それから、君を何があっても守れと言われた。」
アムロは思わず顔を上げる。
「カイさん…」
「彼は良い先輩だな」
「はい…」
シャアはアムロの顎を掴み、上向かせるとその唇に己のものを重ねる。
「アムロ…君を守らせてくれ…、そしてずっと側にいてくれ…」
2人は強く抱き合うと、そのままベッドへと倒れ込んだ。
アムロの歯列を割り、舌で上顎を弄り逃げる舌を絡め取る。互いの唾液が溢れ、アムロの唇の端から流れ落ちる。
「んん…」
アムロが息苦しさにもがくと、少し隙間をあけて呼吸を促してやる。ゾクゾクと震える腰に手を這わせ、制服の裾から手を滑り込ませる。直接肌に触れるとアムロの身体がビクリとする。
反対の手でゆっくりと制服のジッパーを下ろし、ジャケットを脱がせる。
インナーをたくし上げ、胸の小さな突起を爪で弾くとアムロから甘い声が発せられる。
「やっ!あ…」
そして、唇をそこに這わせ、甘噛みしたり、周りに所有の印をいくつも刻んでいく。
「アムロ…」
また口付けをされ、それに翻弄されているといつの間にか身体を覆うものは全て取り払われ、互いの素肌を感じる。
アムロもシャアの首に唇を寄せるとそっと所有の印を刻む。
シャアはクスリと笑うと、同じ様にアムロの首筋に印を刻んでいく。
シャアに慣らされた身体はあっという間に快楽に呑み込まれ、何も考えられなくなり、気付くとシャアを求め、足を開きその中心を自分の中へと誘う。
「ふふ、悪い子だな…。自分で挿れたいのか?」
「だ…って…、も…欲しい!」
「それならば自分で挿れてみろ」
シャアはアムロを自分の上に跨がらせると自身をアムロの入り口へと充てがう。
「そのまま身体を下ろして…」
アムロは言われるまま、それに手を添え、腰を下ろし自分の中へと迎え入れる。
「くっ、うううん…、シャ…ア…」
ゆっくりと腰を下ろすアムロの腰を支えると、荒い息をしながら涙を浮かべるアムロの顔を見つめる。
その妖艶な表情に己のモノが熱くなるのを感じる。
アムロのゆっくりとした動きにもどかしさを感じると、グッと腰を掴み、一気にアムロの中に押し入った。
「やっ!ああああああ」
そのまま激しく腰を動かし本能のまま快楽を追う。身体を反転させ、アムロをシーツに寝かせると足首を掴み、更に中を貪る。
アムロがシャア背中に爪を立てその快楽に耐えようとする。その背中の痛みに更に興奮を感じるとアムロの最奥を何度も突く。
「シャア!!ああああ!」
アムロの絶頂が近いのを感じると耳元でそっと囁く。
「アムロ…愛してる。私のモノが欲しいか?」
腰をゾクゾクとさせるバリトンにアムロが薄っすら目を開く。
「シャ…オレも…愛…してる。貴方の…が…欲しい…」
首に手を回して必死に言うアムロの言葉に、シャアは口端を上げると更に激しく突き上げる。
そして、アムロが全身を震わせて果てると、己もその最奥に己の熱を吐き出す。
2人は強く抱きしめ合い、その快楽に身を任せた。


「何か…イヤな予感がするんだ…」
シーツの中でシャアに抱きしめられながらアムロが呟く。
「アムロ…?」
アムロは自分を包む腕に縋り付く。
「オレを離さないで…お願い…!」
シャアはそのアムロの言葉に不安を覚え、強くその愛しい身体を抱きしめた。


ニューホンコンに着くと、ステファニー・ルオと面会する為、シャアとアムロはニューホンコンの街をルオ商会に向けて歩いていた。
「凄く賑やかな街ですね…」
街の喧騒に圧倒されながら歩みを進める。
「ああ、ここは連邦政府が認めた経済特区だからな。」
「経済特区…」
「政府との条例によって一切の軍事行動も禁止されている。だから今日は制服ではなくこの恰好だ。」
2人はいつもの制服ではなく、シャアは水色のシャツに紺のスラックス。アムロは黒のTシャツにジーンズとラフな恰好で街を歩く。
「こうして2人で街を歩くのも悪くないですね。」
「そうだな」
久しぶりに楽しそうなアムロに、シャアも自然と笑みが零れる。
すると、その綺麗な笑顔へとすれ違う人々の視線が集まる。
その視線に気付くと、アムロはシャアの胸ポケットに入っているスクリーングラスを抜き取りシャアに掛ける。
「貴方、目立ち過ぎです。自分がどれだけ綺麗な顔をしているか自覚して下さい。」
少し拗ねた様に言うアムロに、シャアは「それは君もだろう!」と言いたくなる。