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同調率99%の少女(13) - 鎮守府Aの物語

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・一般教養(座学)
・艤装装着者概要(座学)
・川内型艤装(無・改)基礎知識(座学)
・川内型艤装(無・改)装備・同調
・川内型艤装(無・改)進水・水上移動
・川内型艤装(無・改)腕部操作
・川内型艤装(無・改)脚部操作
・川内型艤装(無・改)スマートウェア操作
・川内型艤装(無・改)バリア操作
・川内型艤装(無・改)レーダー操作
・川内型艤装(無・改)魚雷発射管操作
・川内型艤装(無・改)艦載機(ドローンナイズドマシン)操作
・川内型艤装(無・改)出撃訓練(屋内・屋外・水路以外)
・川内型艤装(無・改)防御・回避(バリア訓練含む)
・川内型艤装(無・改)単装砲砲撃訓練
・川内型艤装(無・改)連装砲砲撃訓練
・川内型艤装(無・改)機銃訓練
・川内型艤装(無・改)雷撃訓練
・川内型艤装(無・改)艦載機・対空訓練
・深海凄艦デモ戦闘1/2/3/4
・自由演習
……

「こ、こんなに多いんですか!?」
 カリキュラムの多さに驚き慄く川内。
「実際には2〜3組み合わせて1つの訓練で終わらせられたりするから、多くても内容はあっさりしたものだよ。他の艦種ではカリキュラムが少なくても一つ一つめちゃくちゃみっちりやるのもある。川内型は数は多いけど、那珂も比較的あっさり終わったし、君たちも問題無いとは思う。」

「……とは申されましても、私、体力が……心配です。」
と不安を口にする神通。
「あ〜、基礎体力はまぁ、必要だとは思うからそれは合間を縫ってやってくれ。同調では腕力・脚力や敏捷性は高まるけど、持久力や基礎体力までは増えないからね。それは普段から気をつけてとしか言えないな。」
 神通の不安を耳にして対応しきれていないフォローをする提督。
「あたしは体力は自身あるからそこは平気かな。心配なのは、全部覚えられるかなってとこなんですよね〜。身体動かす訓練はいいけど、学校の授業みたいに本読んだり座って何かするの苦手なんすよね、あたし。」
 一方の川内は後頭部をポリポリかいて苦々しく思いを口にする。

「進め方は基本訓練の管理者、つまり那珂、実際のカリキュラム調整は君に一任するよ。いいね?」
「はーい。わかりました。任せて。」
 那珂から快い返事を聞いた提督はニコッと笑って頷き、念押しして那珂に言った。
「スケジュールを作ったら後で俺に提出してくれ。確認するから。それから明石さんにも話を通してあるから、今後はいつ工廠に行って艤装を装備してもらっても構わない。先日は同調しないでってお願いしたから不満だったろうけど、今日からは、明石さんと那珂の監視のもとならいつ同調してもいいから。ただ地上では周りに気をつけてやってくれ。」

 先日は、という言葉を聞いた3人はドキッとしたが、那珂も神通もポーカーフェイスを保ってなんとか普通に返事をした。ただ川内だけは焦りの顔をしたままだ。那珂は肘でつついてわざとらしく大きめの声で注意を促した。

「川内ちゃん!神通ちゃん!そういうわけだから!このまえ!同調できなかった!分!今日からガンガンして慣れていこうね!!?」
「へっ?あ〜は、はい!わかりました!」
「……はい。承知しました。」
 焦りを隠しきれず返事をする川内と、いたって平静を保って返事をする神通、二者二様であった。

「ところで君たち夏休みだっけ?」
「「「はい。」」」
「休みたっぷりあるだろうし、早めに終わらせてくれればいつでも任務を任せられるから、頑張ってくれよ。とはいえ夏真っ盛りだから、熱中症には気をつけて。個人的には13時以降の日中はぜひとも避けてほしい。うっかり倒れられたら管理者として俺マジで困るのよ。もちろん君たちへの心配が先だけどさ。」
 基本的な注意をしつつ、最後はおどけてみせる提督。その言葉に3人はクスッと笑いつつも、真面目に返事を返した。
 その日から川内と神通の、本物の艦娘になるための訓練が始まった。


--

 提督から訓練の事前説明を受けた3人。那珂は執務室の秘書艦席を借りてカリキュラムの確認を始めた。川内と神通は那珂についていき、那珂のやることをじっと見ている。
 それに気づいた那珂は、二人にピシャリと言い渡す。

「カリキュラムはあたしが責任持ってきっちり決めてあとで二人にも確認してもらうから、二人はいつでもできそうな"一般教養"と"艤装装着者概要"をやっておいて。」
「……やっておいてって言われても。何をどうすればいいんですか?」
 川内の返しに神通もコクリと頷いて那珂に尋ねた。
 二人の言い分ももっともだと思い那珂は提督の方を見つめた。提督は那珂の視線に気づいて那珂に助け舟を出す。

「後ろの本棚に国から指定された教科書があるからそれ読んで。別にテストするわけじゃないから、暇な時に読んでおいてくれれば構わないから。」
 それを聞いて安心した3人。川内と神通はそれらの教科書を本棚から引き出し、ソファーに座って読み始めた。


--

 那珂は自身の基本訓練の頃を思い出しながら、カリキュラムの羅列された資料とにらめっこしながら考えにふける。ざっと決める分には決められるが、川内と神通の能力的な問題もある。まずはそれを確認しなければならない。
 座学やシミュレーション的な訓練は室内でいつでもできる。那珂は非常に真面目な顔をして考える。チラリと提督のほうを見ると、提督はPCに向かって何かを打ち込んでいる。那珂はすぐに視線を戻して手元の資料を見直す。

「ねぇ提督。」
 那珂は再び視線を上げて提督を呼んだ。
「ん?なんだい?」
「あたしがやったときの資料って、秘書艦席の後ろの本棚に今もあるの?」
「あぁ。まったく変えてないから、全部あるはずだよ。」
「そっか。ありがと!」

 自身が使った時の資料の場所を確認した那珂はカリキュラムの資料にメモ書きを始めた。夏休みはたっぷりあるが、長々と訓練をさせるわけにもいかない。先ほど聞いた給料の話もあるが、二人の体力や興味の持続を考えると、自身の時と同じか、少し日数をプラスした2週間が的確と判断する。本を読む座学はこの2週間繰り返しやってもらうことにして、早々に二人にさせるべきは基本的な動きだ。艤装の装備や同調を再優先で行い、その後進水、出撃で基本的な動きを完璧にマスターさせる。その後、シミュレーション訓練に戻り、腕部や脚部、その他装砲の操作や訓練とする。

 最後は食事でいえばメインディッシュ、あるいはデザートたる深海凄艦とのデモ戦闘。那珂自身のときも行ったもので、小型ボートの上に、かなり耐久力のある深海凄艦の模型が乗っかっているものだ。それは自動運転でペイント弾を投げて迫ってくる。那珂は最初それを見た時は思わず笑ってしまったが、提督に真面目にやれと注意されたのと思い出した。
 最重要拠点ではない鎮守府に配備される訓練用の機材は質が若干落ちる。場所によっては捕獲した深海凄艦をそのまま使うところもあるがそれはかなり限られた場所だ。
 モロに首都圏近郊な鎮守府Aではそういうたぐいのガチの訓練はかなわない。