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銀河伝説 (新たなる旅立ちの後) Ⅰ

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確かにユキがもっと社交的だったら…とてつもない競争率になってたことは容易に想像できた。

  「でもユキさんも最初の印象と随分変わりましたよね?僕なんか同じ生活班だったから
   どんどん変わっていくのわかりましたよ。最初はただの仕事のできるキレイな人だった
   けど慣れてきて…僕副班長だったじゃないですか、本当よかったって思いますよ!
  他の班員より早く慣れたから!僕とユキさんと話してると大体の人が羨ましそうにこっち
   見るんですよ。ほんっとに楽しかったなぁ!あ、安心してください!その頃はもう
   古代くんか島くんかどっちかだって分かってましたから!横恋慕なんてしませんよぉ~
   第一高嶺の花ですからね!」

相原が楽しそうに話す。

  「ユキさんの得意分野と僕の得意分野を教え合いっこしたり…まさかユキさんが秘書に
   なるなんて思わなかったからこんな僕だけどちょっとは役に立てたかなって思うと
   嬉しくなっちゃうんですよ。」

ユキは長官秘書として働いているがほとんど通訳なしで仕事をこなしている

  「僕にも運命の人って現れるのかなあ…」(相原)
  「現れるだろ?」(進)
  「そうかなぁ…僕、キャラ薄いし…北野みたいにイケメンでもないし」(相原)
  「北野は北野だろ?万人が北野がいいってわけじゃないだろうし。男の俺が言うのも
   なんだが相原の良さはちょっと話した程度じゃ分からないと思う。」(進)
  「僕の良さってなんだろう?」(相原)
  「相原の良さは〝細かい所に気が付く”だろうなぁ。人の粗探しって意味じゃなくて
   気配り上手なところだと思う。ヤマトに乗ってる時も思ったんだけどつい後回しにして
   忘れてたこととか俺が忘れてるところとかしっかり抑えててくれてたりさ。」

進の言葉に〝ふぅん…”と他人事のように〝わかんないなぁ”とつぶやく。

  「自分の事、自分が一番わかんないと思うぜ?ユキだって自分のこと全然わかってない
   っぽいし。自分の事わかってるの真田さんと南部だろうなって俺は思ってる。」(進)
  「確かに…あの二人はそんな感じですね。でも真田さんは自分の限界を知ろうとしない
   感じもありますが…。」(相原)
  「真田さん、寝ないもんなぁ~」(進)
  「新しい研究なんて始めたら新しいおもちゃ与えられた子供みたいですからね!」

イスカンダルから帰ってきて地球の洗浄が終わると待ってました!と言わんばかりにイスカンダルから持ち帰った資料を読みあさり新しい火器や防御の研究、新しいエンジン、新しいエネルギー…研究に研究を重ねこの豊かな地球を作り上げたと言っても過言ではないと進は思っている。

ただ真田は豊かな地球を目指していたが物質的な豊かさを求めていたわけではないので本人は少し残念な結果になってしまっている部分があることを進は知っている。

だがその豊かさがこころのゆとりになっていることも確かだと進は思う。

  「誰もが…幸せって事ですよね。」

相原が嬉しそうにつぶやく。

  「このまま何事もなく平穏が続けばいいんですが…。」

少し厳しい声になった相原に進は同じ危機感を感じていることがわかった。

  「そうだな…何も起こらないことを祈るしかないな。」

進も少し厳しい口調になった。