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銀河伝説 (新たなる旅立ちの後) Ⅰ

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  「やっぱり相原くんって鋭いわね。」

普段からあんなに神経を使わなくてもいいのにとユキがごちる。今日、食堂で偶然相原と島と一緒に食事をしていたらシャンプーの匂いから一緒に暮らしている事がばれた。

  「本当に招待しないとダメになっちゃったわ。」

仕事が終わり進と軍のロビーで待ち合わせをしてユキは歩きながら進に今日一緒に住んでいる事がばれてしまった事を告げた。隠していなかったからいつかはばれるだろうと思いつつ進的にはユキの周りのコバエを払うのに都合がいいから特にコソコソするのをやめていた。

  「古代くんが上(天井を指さして)行く前にみんなを呼びましょうか?」

肩を並べて歩くとどちらからともなく自然と二人の手が伸びてそっとつなぐ。

  「パトロール艇の仕事が入っちゃう前に…ね?」

ヤマトのメインクルーはヤマトの中枢であるにもかかわらず普段の仕事は質素だった。進はパトロール艇の艇長。相原は司令部勤めだったが人手が足りないとパトロール艇に乗ったり巡洋艇などに乗って通信の仕事を担っていた。島はパイロットなのに無人艦隊のコントロールセンターに勤めそこのシステム担当。南部と太田は護衛艦の一般のクルーだった。

一見ヤマトのメインクルーと思えないような仕事の割り当てだったが彼らには他の任務が与えられている。辞令には但し書きがあった。それは有事があればヤマトに乗り込む事。できれば何事も起きずそんな但し書きの事なんてなかった事になればいいと思うのだがガミラスとイスカンダルを襲撃したあの黒い浮遊物が地球に仕返しに来ないとも限らない…

  「古代くん?」

ユキの小首を傾げて自分を見ている事に気付き進は慌てて“ゴメン、考え事してた”とつぶやく。

  「そうだね、いろいろ心配かけたしユキの手料理を味わってもらう事はできないけど
   デリバリーすればいいもんな!」

明るく言う進にユキはポカポカと繋がれていない手で進の胸を叩く。

  「あいつらはユキが笑ってくれてれば満足なんだよ。」

進の胸は厚くユキが叩いたぐらいじゃ痛くも痒くもない。

  「ふたりの家に来るのが重要じゃないんだ。ユキが笑顔でいられるかそれがあいつらの
   バロメーターだからな。ユキが笑ってなかったら俺は確実に南部のコスモガンの
   餌食になってるよ。」

進はそう言って軍の最寄のステーションに入っているモールに向かった。