銀河伝説 (新たなる旅立ちの後) Ⅱ
南部と太田は"慣らし"期間だった。
南部は進の処女航海を見に行こうと思ったが父が行くと聞いたので敢えて自宅待機することにしたのだ。ヒマな太田が南部の家に上がり込んでいた。
「この2日間ってどうにかならないのかなぁ…」
趣味の料理をたくさん作り南部の家にお裾分けに来ていたのだ。
「太田さぁ暇だからってたくさん料理作るのはいいが…どうせなら彼女に作って
やればいいじゃんか。なんで俺んちに持ってくるんだよ。」(南部)
「え?南部くんのお母さん料理上手だし作った料理を元に"こうするとまた別の
料理ができる"って教えてくれるからさ。それに今彼女いないし!…ってか
ずっといないし!」
南部の母は料理がとてもうまい。忙しくて自らキッチンに立つことは余りないが…。
「南部くんは忙しいもんねぇ…デートで…」
と太田が話してる途中で会話を止めた。南部も何か感じている様子…どうも外の様子がおかしいことに気付きテレビを付けた。
「南部くん…」
「太田、行くぞ。」
「うん。でも僕制服持ってない。」(太田)
「俺の裾切ればいいだろ。」
そう言うと南部は自分の部屋に戻り制服とはさみを太田に渡した。
「俺も着替えてくるから。」
ふたりは制服に着替え南部の家を後にした。そして無言で英雄の丘へ向かう。
南部と太田が英雄の丘に到着したのは相原がたどり着いた直後だった。
作品名:銀河伝説 (新たなる旅立ちの後) Ⅱ 作家名:kei