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銀河伝説 (新たなる旅立ちの後) Ⅱ

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アラームがけたたましく鳴り響く。イカルスに来て11ヶ月経つが地球にいた時も含めこんな緊急事態は今までなかった。

イカルスは火星の先にある小惑星帯のひとつ。その中の岩で出来た小さな基地で表向きは天文台だ。傍から見ると有人基地には見えない。


光速で移動する物体を把握していたがすでに地球へ通信が送れない状態になっていてどうすることもできなかった。しかしここに基地があることを知られないようすぐに地球へ通信を送るのもやめた。そのおかげか光速の未確認飛行物体はそこに基地があることに気付かず火星に向かっていった。

  (なぜ各惑星を経由していくのか…)

自らの通信を切ったので真田は何も映らないモニターを眺めながら眉間のしわをより深いものにしていた。










真田は何か虫の知らせを感じ通信システムの周波数をヤマトのクルーしかしらない特別で複雑なメモリに合わせ連絡を待った。






すると数時間後モニターに不鮮明ながらメインクルーが映し出される。真田はクルーが揃っていることに安心しヤマトがここにあることを伝えたかったがその途中で映像が切れてしまった。その後もう一度周波数を合わせるが全く感知しなくなってしまった。

  (妨害電波が強すぎる…)

しかし真田は確信した。クルーらは何があってもここへたどり着く…と。





  「山崎さんですか?エンジンルームにいますか?」

真田は山崎がいる場所を確認すると静かに司令室を出た。





  「…地球が?」(山崎)
  「多分…かなり危険な状態でしょう。そしてここへヤマトのメインクルーが来ます。
   来たらすぐ飛べるよう準備をお願いします。」

真田の顔は険しかった。一刻を争う…山崎もすぐにうなずき

  「新しいエンジンは完璧です。いつでも準備OKです。」

ヤマトは新しいエンジンになり新しい火器も開発されより強い戦艦になっていた。

  「四郎は?」(真田)
  「さっきのサイレンで演習はやめたみたいですね。格納庫では?」(山崎)
  「では私は格納庫に向かいます。」

真田はそう言うと格納庫に向かおうとしたので

  「では私はサーシアちゃんに付いてますね。」

真田が忙しい時サーシアの面倒を見るのは山崎の仕事。

  「すみません。お願いします。食事は…もう済んでると思うので…。」

食事をするときは幕の内と一緒にヤマト亭にいる。食事が終わるとヤマト亭の一角で勉強をするのが日課だった。

  「じゃ食堂に行きますね。」

山崎は新しい機関士に指示をすると腕まくりを解いてエレベーターに向かった。










  「四郎。」

演習がなくなったコスモタイガー隊は機の整備中だった。

  「はい。」

すぐに返事をし敬礼をして真田の前に立つ。

  「緊急事態だ。いつ戦闘になっても大丈夫なように準備を頼む。」

それだけを告げるとそこにいたコスモタイガー隊も全員四郎の後ろに並び敬礼をした。

  「大変な…戦いになる。」

以前の訓練航海に同行した隊員が一部残っているので真田の言葉で想像できたのだろう…再度敬礼し持ち場に戻っていった。