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永遠にともに〈グリプス編〉8

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トドメを刺そうとしたハンブラビにカツのGディフェンサーが援護に入る。
しかし、エマの窮地を救ったものの、ハンブラビからの攻撃で制御を失ったGディフェンサーが隕石へと衝突し、カツはその命を散らした。
「カツ!!!」
エマの叫びが宇宙に響いた。
その声がラーディッシュへと向かうカミーユとアムロの元に届く。
『カツ!!』
アムロは操縦桿を握る手に力を込める。
ホワイトベースで共に1年戦争を生き延びた子供。ア・バオア・クーではアムロをみんなの元まで導いてくれた。
その魂が宇宙に散っていくのを感じる。
「カツ…」
そして、遥か前方にハンブラビに攻撃を受けているエマのMk–Ⅱを感じる。
アムロは射程距離の2倍以上の距離からビームライフルをハンブラビに向けて射ち放った。
「落ちろ!!」
しかし、危険を察知したヤザンは脚に被弾しつつもギリギリで攻撃を避ける。
「チッ、避けたか!」
アムロは舌打ちをしつつ、猛スピードでハンブラビに向かい、ビームサーベルを抜く。
「ヤザン・ゲーブル!!」
「来たな!アムロ・レイ!!」
二機は激しい打ち合いを交わし、一進一退の攻防を繰り広げる。
「ははは!最高だ!流石はアムロ・レイ!」
アムロはハンブラビの脇腹に蹴りを入れ、一旦間合いをとるとビームライフルでハンブラビの腕と頭部のメインカメラを撃ち抜く。
「ふっ!やるな!だが、まだまだぁ!!」
メインカメラを失ってもヤザンは零式への攻撃の手を緩めない。
尚も激しい打ち合いを続けるアムロにラーディッシュから通信が入る。
《アムロ中尉!グリプス2のコロニーレーザーにティターンズとアクシズのモビルスーツ部隊が向かっています!至急援護に向かって下さい!!》
「しかし!!」
目の前のヤザン・ゲーブルをこのままにしておいてはラーディッシュが危険だ。せめてこいつだけでも!!
ハンブラビに対峙する零式の前にエマのMk–Ⅱが援護に入る。
《アムロ中尉!!作戦通り中尉はコロニーレーザーの護衛へ!!クワトロ大尉を危険に晒す気ですか!!》
エマの怒声にアムロは唇を噛み締める。
「了解!エマ中尉…すまない!!」
零式はその場を離脱するとコロニーレーザーに向かって飛び立つ。
「逃すか!!」
それを追おうとハンブラビがバーニアを吹かすのをMk–Ⅱが阻止する。
「貴方の相手は私よ!!」
攻撃を仕掛けるエマだがメインカメラを失って尚、凄まじい攻撃を仕掛けてくるハンブラビに劣勢となる。そのエマを助ける為、ヘンケンはラーディッシュを盾にしてMk–Ⅱを守る。
そのラーディッシュの艦橋をハンブラビの攻撃が襲い、ラーディッシュは激しい爆発と共に沈んでいく。
「ヘンケン艦長!!」
エマはラーディッシュが沈みゆくのを呆然と見つめる。
と、そこをハンブラビのビームライフルが狙う。エマを守ろうとカミーユのZガンダムが向かうが一歩間に合わずMk–Ⅱは撃墜され大破してしまう。なんとかコックピットから脱出したエマだったが爆風をその身に受け瀕死となってしまった。
「エマ中尉!!!」
目の前でラーディッシュを失い、エマのMk–Ⅱまで撃墜され、逆上したカミーユはそのニュータイプ能力を爆発させる。
「お前みたいな奴がいるから!!!!」
そのカミーユのプレッシャーにヤザンの動きが止まる。
「何だ!このプレッシャー!!Zか!?」
Zガンダムはハンブラビに向かいビームサーベルを抜く
「うぉぉぉ!!!」
慟哭と共にその機体を真っ二つに切り裂いた。
「何ぃぃ!Z!!!」
ヤザンのハンブラビは閃光を上げて爆発する。
カミーユは荒い息を吐きながら肩で息をしてその爆発を見つめた。
そして、宇宙を漂うエマをマニュピレーターでそっと掴むと安全な場所まで移動し、Zから降りてエマを介抱する。
ヘルメットを外し、グローブを枕にして横に寝かせると、エマがカミーユを見上げた。
「カミーユ…たくさんの人が、あなたを見守っているわ。あなたは一人じゃない。 寂しがることはなくてよ。」
エマはそっと微笑むと静かに息を引き取った。
「エマ中尉!!」
カミーユは涙を流しエマを抱き締める。
そして、顔を上げると立ち上がり、その部屋の扉の前まで歩みを進め、最後にエマへと振り返った。
「カミーユ・ビダン、行きます!」
そう告げるとその場を後にした。
Zガンダムのコックピットに座り、目を閉じて心を落ち着ける。そしてアムロの言葉を思い出す。
『少しずつ力を解放して心を研ぎ澄ませてごらん。きっと君ならコントロール出来るよ。』
カミーユは精神を集中し、感覚を戦場一帯に広げた。
すると、戦場の様子が次々と頭の中に映し出されていく。
アーガマで指揮をとるブライト艦長、メタスを駆り、必死に戦うファ、そしてシャアの元に急ぐアムロの姿…。
「ああ…見える…。これがアムロさんが見ていた景色…。」
そして、その中に禍々しい闇を纏った存在を感じる。
「ハマーン・カーン…、それにパプテマス・シロッコ!!この2人が人々を戦いに巻き込んでいく!!この2人こそが真に倒すべき敵だ!!」
カミーユは操縦桿をグッと握り締めると戦場へと飛び立って行った。


ラーディッシュを離れ、コロニーレーザーへと向かうアムロの脳裏にエマの叫びとカミーユの慟哭が響く。
「エマ中尉!ヘンケン艦長!!」
アムロは歯を食いしばり視線を前方のコロニーレーザーへと向ける。

グリプス2の周りではジェリドが率いるティターンズの小隊が攻撃するのをコロニーレーザーを守る為、アポリー中尉達が応戦する。
《ファ!出すぎるな!退がれ!》
《はい!!》
ジェリドの駆る赤いバウンド・ドックが隙を見せたファのメタスをビームライフルで狙う。
《ファ!!!》
そのファを庇うため、前に出たアポリーのリックディアスのコックピットにジェリドの放ったビームが直撃する。
《アポリー中尉!!!》
そこにアムロの零式も合流するが一歩遅く、アポリー中尉のリックディアスは閃光を上げて爆発した。
《アポリー…アンディさん!!!!!》
アムロはアポリーの本名を叫びその最期を目の当たりにする。
アクシズで初めて出会った時、連邦の白い悪魔である自分に反感を抱いつつも受け入れてくれ、その後は色々と世話を焼いてくれた。相棒のロベルト中尉、いやリカルドと共にいつも自分やシャアを支えてくれた。
リカルドもまた、先日の戦闘で命を落とした。
「アンディさ…ん…!」
アムロは唇を噛み締め、リックディアスを撃破したジェリドのバウンド・ドックの向き直りライフルで狙う。
《貴様!!ジェリド・メサか!!》
アムロの放つプレッシャーにジェリドが一瞬怯む。
《なんだ!この凄まじいプレッシャー!!零式…アムロ・レイか!?》
そこにカミーユのZガンダムも合流する。
《ジェリドっぉぉ!!!》
《Z!カミーユ!!》
慟哭するジェリドのバウンド・ドックを零式のビームとZガンダムのビームが貫く!
《なにぃぃ!!!こんな所で!!!カミーユ!!》
ジェリドは最期にカミーユの名を叫びバウンド・ドックは閃光を上げ爆発した。
カミーユは荒い息を吐きながらアムロの零式に向き直る。
《アムロさん!!シロッコがいます!!クワトロ大尉だけでは抑えられない!!》