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銀河伝説 (新たなる旅立ちの後) Ⅲ

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  「よろしいのですか?尾行も付けず解放して。」

ドクターがアルフォンに尋ねる。

  「最初からいなかったのだ…モリユキは。手術に失敗したと記録に残せばよい。」

古代が死んだと伝えればいつか自分を受け入れてくれると心のどこかでそうタカをくくっていた。アルフォンは策略に長けていると自負していて少尉という低い身分であるにも関わらず聖総統からも一目置かれる存在だった。そしていずれ王女を手に入れいつか自分が聖総統と同じ地位まで上り詰めるだろうと想像してた。だから自分に手に入れられないものがあるなんて思いもしなかった…

  (自分が征服しようとしていた星の現住人にココロで負けるとは…)

アルフォンは自分自身にヒトらしい"ココロ"が残っている事に驚いていた。

  (モリユキに関わったからなのだろうか…)

アルフォンはガリアデスにいる王女を思い浮かべた。

  (ローダ様…私がこれから犯す罪はとても重い…お許し下さい。)





  「私はガリアデスに戻ります。そして"モリユキは死亡した"と報告してまいります。
   王女様はさぞかしがっかりされることでしょう。モリユキの写真を見て満足そう
   でございました。」

医師はそう告げるとアルフォンの部屋を辞した。







  (ユキがいなくても星は美しい。)

アルフォンは夜空を見上げた。

  (きっと今頃古代が生きていることを耳にしているだろう。ヤマトが我々の母星へ
   向かっていることを告げなかったことをキミは恨むだろうか?そして古代進、
   お前は私に感謝するだろうか…恨むだろうか…一度対決してみたかった。)


アルフォンの胸にペーパーにアウトプットされた図面が秘められていた。




















  「こちらへどうぞ。」

サーシアはサーダに案内され見晴らしの良い部屋に通された。

  「賢明な判断ですわ。ヤマトはもうすぐ我々の餌食になってしまうでしょう。
   予言は必ず現実となります。私はサーダと申しまして聖総統の娘ですわ。
   若い女性が少ないから仲良くしましょうね。」

サーダが笑うがやはり目が笑っていない。

  「私はサーシアと申します。」

サーシアが自己紹介すると

  「まぁ可愛らしいお名前!まずはお疲れでしょうからこの部屋でごゆっくりなさって。
   食事の準備ができたらお呼びしますから。」

サーダはそう言ってサーシアの部屋から出ていった。サーシアは聞き耳を立てる…扉が閉まった瞬間にカギがかかった様子はない。監禁されていることはなさそうだった。そして窓を見るとヤマトが停泊しているのが見える。

  (ヤマト…すぐそばにあるのに遠い存在になってしまった。)

これからの自分の運命を思うと胸が張り裂けそうになる。

  (叔父様…行かないで…)

心の中でそう叫ぶが声にしてはいけないと心の中の自分が止める。

  (私は…このために生まれてきたの?)

サーシアは扉に手をかけるとカギがかかっていないのを確認し廊下に出た。そしてエレベーターを下り外に出た。空を見るとヤマトが見える。

  (ヤマト…)

サーシアが見ているとちょうど回転が始まりすぐに出航するのが分かった。

  (行ってしまう…)
















    …忘れないよ…サーシア



サーシアのこころに進のこころが流れてきた。姪として自分を愛してくれていたことに変わりはないとサーシアは信じこれからしなくてはいけないことに備える。










  「サーシアさん、ここにいたのですね。部屋にいないから探してしまいました。」

慌てた様子でサーダがサーシアを探しに来た。

  「ごめんなさい、勝手に出かけてしまって。ヤマトと最後の別れをしたかったの。」

ヤマトはもう肉眼で確認することはできない。

  「そうだったのですね。ここはキケンです。地下へ避難します。」(サーダ)
  「キケン?地下へ?なぜですか?」

サーシアがわざとらしく聞く

  「戦闘になればヤマトは艦首波動砲を発射するでしょう。地表にいてはキケンです。
   戦いに巻き込まれないために地下へ避難します。」(サーダ)
  「分かりました。」

サーシアは"自分がいるのにヤマトが波動砲を撃つわけがない"と思ったがおとなしくサーダに従うことにした。