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銀河伝説 (新たなる旅立ちの後) Ⅲ

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  「なぜヤマトが波動砲を撃ったらキケンなのですか?」

地下へ通じるエスカレーターをひたすら下る。下りながらサーシアはサーダに聞いた。

  「私たちのエネルギー源と融合するとこの地球は崩壊してしまいます。」(サーダ)

  「でもヤマトが"地球へ向けて"波動砲を撃つ事はないわ。」(サーシア)

サーシアにはここが地球で無い事は分かっているが知らないふりをした。

  「地表にいて的を外したミサイルが飛んでくるかもしれません。ヤマトが撃沈すれば
   なにも問題ないのです。」

サーシアは話しながら周りの空気が変わったのが分かった。

  (冷たすぎる…強い金属の力を感じる…この冷たい金属はこの女性からも感じるわ。
   もしかしたらロボットなのかもしれない。でもそれにしては動きが滑らかすぎる…)

サーシアは地上に立った瞬間の冷たさの原因がこれだったのかと気付いた。














ある程度までエスカレーターで下ると途中からエレベーターに乗り換え更に地下を目指す。サーシアは熱いエネルギーを感じたがこころはどんどん冷たくなっていった。

  (お母様…私は最期まで耐えられるでしょうか…)

イカルスやヤマトの調整された重力よりやや重い力を感じながらサーダに付いて歩く。そして貴賓室のような部屋に案内された。

  「移動大変でしたでしょう?ここはこの星の中心部で一番安全です。地上にた市民も
   全て移動を済ませました。戦闘が終わるまでここにいらして。」

サーダは落ち着かない様子でサーシアを残し飛び出すように部屋を出ていった。サーシアはすでに戦いが始まっていることに気付き心を澄ます。廊下にひとり兵士がいるのが分かる…一人ぐらいならなんとかなるかも…などと思っていると進の声が聞こえてきた。

  "あの星にはサーシアが…サーシアが!"

サーシアはすぐに無事を知らせたかったがまだこの星の全体像が掴めていない。そこへ真田の後悔の念がサーシアのこころに届く…と同時に廊下にいた兵士が周りの状況が変わったことにうろたえているのが分かりサーシアは行動を起こした。


















  「奇襲だ!」

重核子爆弾の内部は大騒ぎになっていた。まさかパルチザンがバリアー内に入ってくるとは思わなかったのだ。デザリアム側もハシゴを切ろうと撃つがコスモナイトでコーティングした特殊な金属でできていて切ることができない。登ってくるパルチザンを上から撃つが重装備のアンドロイドを先に登らせているので撃ってもどんどん上がってくる…アンドロイドに混ざりパルチザンがはしごを登り重核子爆弾の内部に突入してきた。



  「原始的な方法だな…私たちには想像できない攻撃方法だ…。」

アルフォンは静かに立ち上がった。

  「アルフォン少尉…どちらへ?」

少尉に仕えている兵士が聞く

  「戦いが始まっているのだ。加勢しに行く…」

アルフォンが静かに答えその兵士に向かって言葉を続ける。

  「1号…いや…兄弟か?…お前は来なくていい。そこで様子を見るのだ。」

アルフォンに1号と言われた男はアルフォンと同じ顔をしていた。

  「私に何かがあったら…この計画が遂行できなかったらお前はローダ様とドクターを
   連れて逃げろ。お前はきっとこの世界で生きることができるはずだ。そしてお前が
   信用できる仲間と一緒に逃げろ…」

アルフォンの言葉に1号が何も言えず固まっている。

  「この世界は美しい…私達は同じ細胞から生まれた個体だ。今までずっと一緒だった。
   お前が私と同じ顔じゃなければとっくに名前がついて別の任務をしていたはずだ。
   聖総統は私がダメになったらお前を"アルフォン"として使うつもりだった。」

1号は静かにアルフォンの言葉を聞いていた。

  「重核子爆弾が静止したら一度パルチザンは引くだろう。その時が脱出のチャンスだ。
   いいな?一度しかないからそのチャンスを逃すな。そして私を探してはいけない。
   お前はもう私の影武者ではなくひとりのヒトとして生きてくのだから。」

アルフォンはそう言い残し執務室を出ていった。