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かんなぎ皇女・褐色の破壊神 壱ノ巻

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 正忠が皇王に就任してから神高皇家は好戦的になり、色々な星間国家を攻め入って嶺翁星の支配化に置くようになった。
 皇王自身に権力・支配欲が強くなった証である。

 最初は梛木神高皇家が有利とされていた一連の争いも周りの星間国家も力を付けるようになってからは戦況に変化が現れた。
 それが最も顕著に現れたのが播磨羅王バイラス将軍率いる播磨帝国軍の侵攻である。

 一度は神高皇軍に破れた播磨帝国軍は力を付けて報復に来たのだ。
 嶺翁星が戦場と化し、あらゆる都市機能が麻痺し多くの民が犠牲となった。
 力が弱まって来た神高皇軍。
 対する播磨帝国軍は圧倒的な有利。

 帝国軍は神高宮殿に攻め入り、皇族の者たちを隔離し始めた。
 星全体が完全に制圧されてしまったのだ。
 配下の者たちが人質として捕らえられても、それでも正忠は最後まで戦いの手を緩めなかった。

 だが敵が考えた戦法に依って命を落としてしまった。
 播磨羅王バイラス将軍の前で傷だらけのまま息を引き取った正忠。
 その様子を見ていたかんなぎ皇女はショックを受け言葉を失った。

 しばしの沈黙の後、怒りに火が付くと物凄い形相で提督に手をかざした。

 するとどうだ?

 風圧を受けたかのように将軍の巨体が吹き飛ばされたではないか!

 壁に背中を打ち付けて、そのまま床へ落下した将軍。
 かんなぎ皇女は歩み寄って来るなり将軍を見下す。
 そして手に持っていた鉾で相手の背中を何度も突き刺した!

 周りの敵たちが応戦して来たが、かんなぎ皇女は得意な武術であっと言う間に打ち負かした。
 勝仁の話しではかんなぎ皇女は幼い頃、あまりにも強くて男勝りの一面をも持っていたから母貴美枝は将来に不安を感じていたようだ。
 神高一族に伝わる秘術をも持っていたから尚更である。