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偽りの深窓の君と踊り子 / プラチナと烏

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 首筋に巻かれた上品に編み込まれたレース。ドレスのいたるところに散りばめられたオニキスとオパール。ひとつひとつを見ればそれぞれが高価な宝石も、彼女の美しさの中にそっと埋もれて慎ましやかに光っている。濡れているような長い睫毛は伏せがちだが、黒孔雀のように美しい扇のかたちで、落ちる陰が眸を隠す。長く艶やかな髪は両頬にそっと束で添い、襟足を軽く背中に残したまま高い位置に結い上げられた髪には、青と白の生花とレースが編みこまれていて、彼女が騎士団長の少し後ろに連れ添って歩くたび、軽やかに中空をすらっと泳いだ。

 「あれがシーフォ様の…?」
 「このような席にお招きになるとは、やはりご婚約との噂は本当でしたか」

 露出が控えめにデザインされている清楚なロングドレスは白の生地を基調に濃紺が随所にあしらわれ、縁取りをレースと銀の糸が飾り、彼女が手を引かれて歩みを進めるたびに涼やかな音色が尾を引いて鳴る。会場の中で一際目立つふたりの姿は、入場と共にすぐに人々の目を引き付け、噂好きな人々の関心に火をつけた。