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電撃FCI The episode of SEGA 3

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 美琴は空中に足場を作りながら前に移動すると、その慣性を利用して自分の周りにあるコンクリート全てをサヤに放り投げた。
「もう一つ!」
 強力な一撃を受けてダウンするサヤに、美琴は雷を落としてダウン追い討ちをかける。
 追い討ちそのもののダメージはたいした事はないが、そのあとの状況は、美琴が攻めを続けるのに圧倒的に有利なものである。
 美琴は落雷させるためにジャンプして、雷がサヤに当たったことによってジャンプキャンセルを可能にした。
 ジャンプキャンセルをして何をするつもりなのか分からないまま、美琴はゆっくりと地面へと下りていった。
「まだまだ行ける!」
 サヤがダウンから復帰したその瞬間を狙い、美琴は砂鉄剣を作り出す。
「たあっ!」
 美琴はサヤの頭上から、サヤの頭を狙って砂鉄剣を振った。
「うぐっ!?」
 サヤはガードできず、体勢を崩されてしまった。美琴はその隙を逃すことなく、上段、下段と攻撃を仕掛けた。
「やっ、ふっ、しゅっ! えいっ! はああ!」
 上段に手刀を当て、下段に二連続で帯電した手刀打ちを行い、コンボの繋ぎに中威力の電気を放ち、最後に砂鉄の波の下段攻撃をした。そしてその砂鉄から砂鉄剣を作り出し、振りかぶる。
「食らいなさいよ!」
 美琴はインパクトスキルまでコンボを決めた。サヤは一方的に攻撃され続け、かなり後ろまで下げられてしまった。後方には、強固なクリスタルのイバラが柱のように立っている。
「行っけぇ!」
 美琴は、超電磁砲(レールガン)とはまた違った長距離に及ぶ電撃を放った。
 電撃の槍(エレクトロ・ショック)という技であり、本来の射程はそれほど長くないものの、ゲージを使ってEX技にすることで射程は本来の二倍以上に、発生速度も同様に格段に上昇している。
 その電撃の槍は、サヤの体を貫き、サヤは後方のクリスタルのイバラに強くぶつかって跳ね返った。
「ああんっ!」
 背中を強かに柱にぶつけたことにより、サヤは思わず声を上げてしまった。強く背後にぶつかったせいで、サヤは少しの間行動不能になってしまう。
 そこへ美琴はつま先で数回軽くジャンプすると、足に電気をまとわせながら、くるりと回って回し蹴りを放った。
「ちぇいさー!」
 普段、学園都市のとある自販機に向けて放つ、格闘家も顔負けのハイキックが見事に決まった。
 美琴の切り札たる技が決まってコンボは終了した。一度途切れはしたものの、ここまで連続したコンボ当てられ、サヤの体力は既に半分を切っていた。
 切り札を出したことによって、美琴は少しの間切り札状態と呼ばれる強化状態になった。機敏な動きができるようになり、隙が大きめの電撃攻撃や落雷を使った後の硬直がなくなり、それらを出した後すぐに小さな攻撃、ジャンプキャンセルが可能になった。
「こっちだよー」
 更に美琴はサポートを呼び出すとき、一切のモーションを取ることなくできるようになった。
 壁際に追い込まれた上に、敵の攻撃を受けても反撃に移り、また味方の攻撃が当たっても追撃を与える臨也が間に立ったことで、サヤはかなり苦しい状態となる。
「ちょっと怒ったよ……!?」
 サヤは切り返しの為にもパワーアップブラストを発動した。しかし、この行動はかなりの仇となってしまった。
「おっと……!」
 ブラストの波動が臨也の間合いに入ってしまい、サヤは例の連続攻撃を受けてしまった。
「ふふっ、可哀想に……!」
 美琴は再び空中に舞い上げられたサヤを逃すことなく、空中コンボを決めた。
「これでどうだぁっ!」
 美琴はコンボの締めに、EX電磁機動でサヤを叩き落とし、更に雷を落とした。
 コンボの総ダメージは臨也のサポートも入って大きなものとなったが、それでもまだサヤを倒しきるには至らなかった。
「チッ、まだやれるみたいね!?」
 ブラストを発動した時の僅かな無敵時間によって、臨也の連続攻撃は少し外れていた。それによりサヤは皮一枚で繋がった。
 しかし、ノーダメージの美琴に対し、サヤは後一撃何か受ければ倒されてしまう状況である。迂闊な行動を取れば即ラウンドを取られてしまう。
「ぐうう……!」
 サヤは起き上がるが、美琴は攻撃する素振りを見せない。
 サヤにはピンチポテンシャルが発動しており、尚且つパワーアップブラストの効果も出ている。体力がほんの少しずつ回復していっているが、それでも後一撃という状態に変わりはない。
――こうなったら一か八か!――
 サヤは次の行動を決めた。
「ミイナ!」
 追い詰められたサヤが取った行動、それはミイナを呼び、彼女のサポートの効果によって防御力を高めてこの場をしのいで反撃の瞬間を待つことだった。
「やったろうじゃない!」
 しかし、サヤの行動は悪手になってしまった。
「守ります……! ふわっ!?」
 美琴の突然の突進に吹き飛ばされるように、ミイナのサポート行動は潰されてしまった。
 勢いそのままに、美琴はサポート呼び出しの直後で身動きのとれないサヤに突っ込んでいった。
「ふんっ!」
 美琴はサヤに掴みかかると、頭に強力な電気を帯電して頭突きを食らわせた。
「あいたっ!?」
 電撃のこもった頭突きを鼻先に受け、サヤは一瞬意識が飛びかけた。
「さっきはよくもやってくれたわね。頭に刀なんか刺したら普通なら死んじゃうじゃない!? もっと痛い目にあわせてやるわ!」
 美琴はさっきのラウンドで止めに受けた攻撃を根に持っていた。美琴の怒りの様を表すように、バチバチと電気が弾け、辺りに発生した電磁力の影響で空中に砂鉄が渦を巻く。
 次の瞬間、美琴の超連続攻撃が始まった。
「もう許さないからっ!」
 電撃を纏った手刀打ち、砂鉄剣による斬撃、砂鉄を棘にして波のように打ち出す攻撃、空中に浮遊する砂鉄を激しく渦巻かせてぶつける攻撃、そして自動販売機をも破壊する電撃ハイキックがサヤを襲った。
「はっ!」
 美琴は電磁力で鉄筋コンクリートを空中に集めてそれを足場にすると、更に電力を増幅させた。その電圧は美琴の繰り出せる最大出力十億ボルトに達し、放電される電気も最強のものになった。
 その瞬間、信じられない事象が起こった。
 美琴の最大出力によって生み出された電磁力は、周囲に繁るクリスタルのイバラの一部さえも吸い寄せた。
 丸ノ内を異界と変化させたドラゴンの能力によって作られたクリスタルのイバラの中に、鉄片が多く含まれていた。その鉄片が美琴の放出する電気に吸い寄せられ、イバラを折って美琴の所にやって来たのだ。
 美琴は電磁機動で鉄筋コンクリートを投げ付けるように、集まったクリスタルのイバラをサヤに向けて放った。
「オラァっ!」
 美琴の超電磁砲(レールガン)に次ぐクライマックスアーツ、電装乱舞(ミコトスペシャル)が炸裂し、このラウンドは美琴が取った。
 美琴の放った電気がビリビリと弾け、クリスタルのイバラを打ち出した事によって抉れた地面から土煙の上がる中、美琴は地に伏すサヤにふんぞり返っていた。
「ふふん! S級能力者って言っても、大したこと無いんじゃない?」
「ぐうっ、言わせておけば……!」
 ラウンドが終了した事により、サヤはすぐに動けるようになった。
「……でっ、まだ、やれるんでしょ?」
作品名:電撃FCI The episode of SEGA 3 作家名:綾田宗