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五十音お題。

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ういういしい(臨帝/若干えろい)


 彼はキスをされるのが大の苦手だ。
 顔を近付けただけで目尻に朱を浮かべてもっともらしい事を言いながら首を横に稼働して逃げをとる、実際に口を吸っても首を左右に振って俺の事を振り切ろうとするし、呼吸が苦しかったのか一回だけだだが舌に小さい八重歯を突き刺された事さえもある。
 また、それが溜まらなくて何度も何度も舌を絡めれば顔を真っ赤に染めて瞳に涙を溜めれば、酷く心に劣情がくすぶった。
「ふふ、可愛い顔」
「あ、……ふぁ」
 はくはく、と息を吸ったり吐いたり、その喘ぎ声は悲鳴のようにも聞こえた。
 いつもは大人しく地味めな印象を与える帝人君だが、今はいつもと違って女みたいに可愛らしい顔だ。無論、携帯を操って俺達の日常をかき乱す時の冷えた顔も好きだけども、この顔はきっと俺にしか見せないと思うとふつふつと独占欲が沸き上がる。
「……食べられちゃいそう」
「ん、ぁ…!」
 喉を舌で舐め上げれば溜まらないといったように、陸に打ち上げられた魚のように、びくんと身体を痙攣させた。
「ちっさくて、可愛い帝人君」
「…………ん、別に小さくないですよ。臨也さんと十センチほどしか変わらないです」
 愛撫を止めて、頬に添えていた手を腰へ滑らし抱きしめれば呼吸が落ち着いた彼は、拗ねたように言いながらも満更ではないようで俺の身体に腕を回してくれた。
「そんなに俺だって大きくないよ。シズちゃんと比べればまだまだじゃないか」
「……臨也さん、」
 耳をかぷ、と咬みながら叱咤するように言われる。二人しかいないのにほかの男の話をするなという名は出すなという意味なのだろう、そう思われているのが嬉しくて耳朶を嬲られるのを放置しつつ鎖骨へ服越しに指を這わせれば口は耳から離れ驚いたような顔してきた。
「……食べられちゃいそう」
 ここも、そこも、ここも。
 と続ければ狼狽えたようにする帝人君が可愛くて、今座っている革張りのソファへと押し倒していた。
「な、なにするんですか!」
「そんな事言われてもなぁ……」
 初々しい君が悪い、と漏れそうになる言葉をシャットアウトしてもう一度乱雑なキスを、言葉とは裏腹に誘うように開かれた唇へと落とした。



作品名:五十音お題。 作家名:榛☻荊