機動戦士ガンダムRSD 第23話 トラウマ
ケイト中尉が体にいいと言われている食べ物を簡単に言った。
「そうですね」
アイリス曹長も賛同した。
「私は、乳製品とか大好きだよ」
ミサキ中尉が自分の好物を言った。
「私もです。
後魚も好きです」
アイリス曹長が魚を付け足した。
「私は、豆腐とか納豆とかも好きなの」
ケイト中尉は、豆類好きをアピールした。
「割と皆の好きなものですよね」
アイリス曹長は、そこで大多数が好きなものだと気づいた。
「だめだ。
わからない」
ケイト中尉は、音を上げた。
「完全にわけわからないね」
ミサキ中尉もお手上げだった。
「少しは、遺伝要因もあるでしょう」
アイリス曹長は、遺伝を疑った。
3人は、黙って考え込んだ。
「サオトメ大佐は、どのくらいの胸の大きさが好みなのかな?」
ケイト中尉が唐突にサオトメの話題に移した。
「サオトメ大佐は、大きさよりチラっと見えるのが弱いですが」
アイリス曹長が答えた。
「まるで子供ね」
ミサキ中尉は、笑いながら言った。
「サオトメ大佐らしいわね」
ケイト中尉が賛同した。
「α艦隊でもちやほやされたりして」
ミサキ中尉がいたずらするように言った。
「怖いこと言わないでください」
アイリス曹長は、本当に浮気を心配していた。
「耐性を身につけさせなかったの?」
ケイト中尉は、若干ストレートに質問した。
「私もサオトメ大佐も忙しかったので」
アイリス曹長は、恥ずかしそうに答えた。
「この話は、サオトメ大佐にしないでください」
アイリス曹長は、2人に念を押した。
ケイト中尉は、ほっぺを膨らませた。
その時ケイト中尉が何かに気づいた。
「アイリス、ちょっと上見て。
上」
ケイト中尉が突然アイリス曹長に上を向くように言った。
「む、虫?」
アイリス曹長は、虫が現れたのかと警戒した。
ケイト中尉は、アイリス曹長が上に気を取られているすきに胸を触った。
アイリス曹長は、反射でケイト中尉を殴ろうとした。
しかし寸前でケイト中尉は、よけた。
「すごい体重の乗ったパンチね」
ミサキ中尉は、パンチの威力の高さに驚いた。
「ありがとう。
すみません」
ケイト中尉は、アイリス曹長に謝り感謝した。
「私に触れていいのは、サオトメだけよ」
アイリス曹長は、どすの利いた声で警告した。
「落ち着いて。
殴ったほうも痛いって聞くよ」
ケイト中尉は、何とかアイリス曹長を落ち着かせようとした。
するとアイリス曹長は、ケイト中尉の右腕をつかんだ。
「拳を作ってくれませんか?」
アイリス曹長は、ケイト中尉に威圧的にお願いした。
ケイト中尉は、つかまれた方の手に拳を作るとアイリス曹長がその腕でケイト中尉を殴った。
「二度としないでください」
アイリス曹長は、ケイト中尉にお願いした。
「はい」
(しばらく触らないようにしよう)
ケイト中尉は、答えると心に誓った。
「私は?」
今度は、ミサキ中尉が聞いてきた。
「だめです」
アイリス曹長は、即答した。
「サオトメ大佐って抱き心地いいかも。
後ろから抱き着いてみたりとか」
ミサキ中尉がサオトメの話題に移した。
瞬間アイリス曹長が驚いた。
「私は、前からで顔を胸に押し付けたい。
アイリスは、何をしたことがあるの?」
ケイト中尉がアイリス曹長に質問した。
「後ろからなら」
アイリス曹長は、そういうとすぐに口を塞いだが手遅れだった。
「どうだった?
恥ずかしがらずに言ってごらん」
ケイト中尉は、あやすように質問した。
「いやです」
アイリス曹長は、きっぱり断った。
「そういえばステファニー軍曹もスタイルいいわね」
ケイト中尉が思い出したように言った。
「ああ、索敵士の。
サリー軍曹は、ある程度いいけどステファニー軍曹にあまり変なことしないほうがいいですよ」
アイリス曹長は、ステファニー軍曹に変なことしないように警告した。
(サリー軍曹は、いいんだ)
2人は、文句を言い心の中で突っ込んだ。
「たぶんですけどステファニー軍曹は、2人のことが苦手だと思うんです」
アイリス曹長の言葉に2人は、しばらく固まった。
「またまた」
2人は、冗談だと受け取った。
「いやいや」
アイリス曹長は、いたってまじめだった。
「たぶん私は、ステファニーのこと得意だよ」
ケイト中尉が自信満々に答えた。
「得意って何ですか?」
アイリス曹長が思わず突っ込んだ。
「私は、妹にしてみたいよ」
ミサキ中尉が願望を言った。
「なんなんですか、それ?」
アイリス曹長は、あきれていた。
「アイリス、妹になって」
ミサキ中尉が無理なお願いをしてきた。
※
アンディー大尉とサイジョウ元帥は、マン・マシーンの発進準備を行っていた。
ガイヤス・ギヤとガンダムサイガー改が発進しガイヤス・ギヤは、ベースジャバーに乗った。
「では、行くぞ」
サイジョウ元帥がアンディー大尉に命令した。
「了解」
アンディー大尉は、乗り気じゃなかった。
※
アイリス曹長は、売店でお菓子を買うとミサキ中尉とケイト中尉の許に向かった。
「これ、おいしい。
お二人もどうぞ。
これはあたりです、メロンチョコ」
アイリス曹長は、お菓子があまりにおいしかったので2人に勧めた。
「いいの?」
ミサキ中尉は、そういうと3個つかんだ。
「おいしいのは、前から知ってたんだけど」
ミサキ中尉がそういうとアイリス曹長は、悔しそうな顔をした。
「じゃあやっぱりあげません。
返してください」
アイリス曹長は、ミサキ中尉に返すように言った。
「ごめん、無理」
しかしすでにミサキ中尉は、全部食べていた。
「時々容赦ないですよね」
アイリス曹長は、そういうと落胆した。
「すねちゃった」
ケイト中尉がぼやいた。
「ごめんごめん。
おいしかったよ」
ミサキ中尉は、アイリス曹長の手を握ると必死に謝った。
「じゃあサオトメ大佐の物まねで謝ったら?」
ケイト中尉が奇抜な提案をした。
「誠に申し訳ございませんでした」
ミサキ中尉は、必死に似せようとした。
「全然似てない」
しかし全然になかった。
「どうすれば?」
ミサキ中尉は、手詰まりだった。
「あ、そうそう」
そこでケイト中尉は、持っていた有機エレクトロルミネッセンス式タブレットを取り出した。
「あのね、唐突だけどペンギンを描いてみようと思うの」
有機エレクトロルミネッセンス式タブレットの設定を絵描きモードにすると素早く描いた。
完成品を2人が覗き込んだ。
するとペンギンには、似ても似つかない生物が描かれていた。
「これがペンギン?
どう見てもやばい生物にしか見えないんですけど」
アイリス曹長は、半分引いていた。
「かわいいよ。
傑作だよ」
ケイト中尉は、反論した。
「明らかに怖いです」
アイリス曹長は、素直な感想を言った。
その時ミサキ中尉が何かを思いつき不明生物の隣に不明生物の顔のドアップと「近寄るとコワイ」と書いた。
作品名:機動戦士ガンダムRSD 第23話 トラウマ 作家名:久世秀一