【たった一言「愛しているよ」と何度でも囁こう。】
何年人を食っていなかったのか、それを考えると気が遠くなった。
それが衝動へと繋がることに俺は気づかないふりをしてそれを押さえつけた。
『……俺がしたかったのは…こんなことだったのか…』
ふ、と自嘲の笑みが浮かんだ。
…あいつが悲しむことを俺は始めて、した。
結局はこういうことだ。
人と妖。何もかもが違う。
俺はこれが普通だ。でも冬花には違う。
冬花にはこれは普通ではないのだ。
でも俺は、こういうことを普通に出来る男だ。
それを知ったら最低だと彼女は泣くだろうか。
作品名:【たった一言「愛しているよ」と何度でも囁こう。】 作家名:サザンカ