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Lovin 'you after CCA 5 〈後編〉

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「当時、彼女の状況を完全に把握していなかった私は、愚かにも彼女が私を拒み、突き放したと思った。そして、エゥーゴとティターンズに分かれ大きな犠牲を払い、戦ったあの戦争でも連邦政府の腐った高官達や組織は変わる事無く、スペースノイドの状況も決して良くはならなかった。エゥーゴを見限った私はネオ・ジオンを立ち上げ、真っ向から連邦と戦う事を誓った。私を拒んだアムロに対して宣戦布告の意味もあったのだろう。」
「シャア…」
アムロが悲しげにシャアを見つめる。
「かなり強行な手段に出たのは自覚している。しかし、ラサについては連邦政府に事前に警告を出した。しかし、奴らは民間人の避難を指示せず自分達だけ逃げ出して民間人を見捨てたんだ。」
「そんな馬鹿な!!」
二階にいたハンナが叫んだ。
「だって!あの人は軍人だった。でも、落下に巻き込まれて死んだわ!事前に警告があったなんて嘘よ!」
そのハンナにアルが近付く。
「本当だよ。君は婚約者の彼が…エイダ少尉が死んだ時の状況を知っているかい?」
「どう言う事!?」
「生還した彼の同僚に確認をとったよ。エイダ少尉は軍が撤退をするにも関わらず民間人に避難指示を出さない事に疑問を感じ、上に掛け合ったそうだ。しかし、軍人の避難を優先した上層部よってその意見は却下された。」
「そんな!?」
ハンナは両手で口を覆い、驚愕する。
「彼は同志らと共に独自で民間人の避難に尽力した。そして、最後の輸送機が発進する時…自分の席を民間人の少女に譲ったそうだよ。その子が…君に似ていたからと言って…。」
最後の言葉にハンナが泣き崩れる。
「そんな!」
「お姉さん。お願い。私の弟達を返して。」
そこにライラが現れた。
「この子達はお母さんが命懸けで産んでくれたの。ライラが弟が欲しいってお願いしたから…。無理して産んでくれたの。みんなの宝物なの。」
ライラはハンナの手を取り懇願する。
そんなライラを見つめ、ハンナは返事も出来ず、ただ泣き崩れた。

「君たちはあの時のサイコフレームの光を見たか?アムロや地球を救おうとアクシズを押したパイロット達の心が見せたあの光を…。私はあの光に包まれて人々の心を知った。そして、アムロの心とアムロを求める自分の心を…。」
シャアは胸の前で右手を握りしめる。
「心のすれ違いや互いの立場が私とアムロを隔ててしまっていた。しかし、あの光が私たちを結びつけてくれた。」
そのシャアに対し、男は納得できないとばかりに叫ぶ。
「連邦を脱走したアムロ・レイが何故復帰してまで参戦した。貴様に情報を流していたんじゃないのか?アムロ・レイに撃墜されたジオン兵は無駄死にじゃないのか!」
「言っただろう?グリプス以降アムロとは会っていない。アムロは暴走した私を…ネオ・ジオンを止めるために軍に復帰した。脱走罪を帳消しにする代わりに自身を再び実験体にするという連邦の無茶な要求を飲んでまでな。」
「馬鹿な!!」
「あのアクシズ降下作戦の時、連邦軍はアムロ達ロンド・ベルに対して直ぐに援軍を送らなかった。そもそもアクシズを私に売ったのは連邦の高官達だからな。その事実を隠蔽したかったのだろう。」
シャアの言葉にロビー中が騒めく。
「君はこれでもアムロが連邦を裏切ったと言うか?それに、君たちを唆し、武器や資金を提供してテロを煽った人物の正体を君は知っているのか?」
「何!?」
「そろそろ出てきたらどうかな?地球連邦軍 ニュータイプ研究所管理官 ブラウン大佐。」
シャアの視線の先に立つ男にリーダーの男が振り返る。
「リーダーの君、ケインズ中尉。君はあの男に利用されたのだよ。」
シャアの言葉にリーダーの男が驚愕の表情を浮かべる。
「何故!?」
正体を言い当てられ動揺するリーダーの男に、不敵な笑みを浮かべてシャアがゆっくりと足を進める。
「我々には優秀なブレインがいてね。」
そんなシャアに動揺を隠しきれず銃を向ける。
「動くな!」
テロリスト達が一斉にシャアへと銃口を向ける。
「君たちは私のしている事はスペースノイドの自治権獲得為の行動ではなく、ただの殺戮だと。そして、私がアムロと…連邦と通じていてネオ・ジオンを裏切っているとして総帥の座から引きずり下ろすのが目的なのだろう?」
「そうだ!」
「ネオ・ジオンは…スペースノイドは再び連邦の支配下に下れと?」
散々連邦高官の非道な行いを聞き、テロリストの中にも迷いの感情が混じり合う。
シャアは自分に向けられた銃口を気にも留めずブラウン大佐へと視線を向ける。
「貴様の目的はアムロと子供達か?」
「シャア総帥、何のことだか。」
冷たい目をしてシラを切るブラウンにシャアがニヤリと笑う。
「我々には優秀なブレインがいると言っただろう?貴様達の動きなど初めから掴んでいる。」
「ほう…それは我々が実験で孕ませた貴方とアムロ大尉の子供か?」
ロビーが騒めく。
「さあな。」
しかし、シャアは表情を変えずに冷たい視線を向けて答える。
「あのサイコフレームの光見て、興味を抱いた貴様らは、またアムロを被験体にしようと思ったのだろう?そして、生まれた真っさらな赤ん坊までも新たな被験体にしようと目論んだのではないか?」
「考えすぎですよ。」
「そうかな?和平条約を結んだ以上、ネオ・ジオンに下手に手出しの出来ない貴様達はテロリスト達を焚き付けて騒ぎを起こし、その混乱に乗じてアムロと子供達を拐おうと画策した。」
テロリストの男がブラウンを睨みつける。
「騙したのか!?」
「何を言う?利害の一致だろう?お前達は資金と武器を、私たちは被験体を欲した。」
「ふん、認めるのか?ブラウン大佐。」
「今更でしょう?」
ブラウンは銃を取り出し、シャアに向けて銃を放とうとした。
しかし、その瞬間ブラウンの銃が暴発する。
「わぁぁ」
腕から血を流すブラウンを皆が見つめる中、シャアとジュドー、カミーユがアムロを見つめる。
そこには、銃を手にしたアムロが居た。その銃口からは煙が上がる。
「この距離から相手の銃口に命中させるって…!」
呆れた顔をしてジュドーが呟く。
それを聞いたブラウンがアムロに目を向ける。
「貴様!!」
アムロを睨みつけるブラウンをアムロが冷たい視線で見下ろす。
「ブラウン大佐、貴方には今まで散々な目にあわされた。そしてまた、貴方は!!」
アムロの肩が怒りに震える。
「私にならともかく、シャアを傷付けるのは許さない!!」
アムロの言葉にその場が静まり返る。
しかし、次の瞬間、ジュドーの脳裏にカミーユの声が響く。
『ジュドー!アムロさんを抱えて横に飛べ!!』
ジュドーは咄嗟にアムロを抱えて横に飛ぶ。
すると、そこにブラウンの部下達が放った銃弾が炸裂した。
それを合図にテロリスト達も一斉に動き出す。
と、同時に特殊部隊も突入した。
テロリストは仕掛けた爆弾を爆破しようと起爆スイッチを押すが起動しない。動揺するテロリスト達を特殊部隊が次々と拘束する。
テロリストに扮したジュドーや特殊部隊がアムロを守り、人質に扮した特殊部隊がシャアを守りつつテロリストとブラウンの部下達を拘束してロビー内の制圧があっという間に完了する。
作品名:Lovin 'you after CCA 5 〈後編〉 作家名:koyuho