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天衣創聖ストライクガールズ 第一章:セラ・レイトン

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「理由は、これだ。」
その言葉と同時に彼女の体は暗い光―――言葉は矛盾しているがそう形容する他無い―――を放ち、装いを変えた。
「それは・・・!」
キリスが息を呑む。
「ヴィーン・ボウスーツ!セラ!なんて事を!」
それを見たセフィーナは非難の声を上げた。
セラが纏っていたのはヴィーン・ボウの戦士の証とも言える天衣だった。
「私はエクスタシオをウィザーディアに戻す為なら手段は厭わない。これも一つの手段に過ぎないという事だ。」
「お姉さま!下がって!」
そう叫ぶと同時にキリスはセラに攻撃を仕掛けた。だが、キリスの体当たりを食らってもセラは涼しい顔をしている。
「邪魔をするなら容赦はしない。排除する。」
セラはそう言うと、次の体勢が整う前のキリスにゆらっと近付き、右手でその肩を掴んだ。
「超・振・動」
彼女がそう呟くと低周波音が辺りに響く。
「きゃああああああああああああああああっ!」
キリスは悲鳴を上げ、その場にへたり込んだ。
天衣開放・超振動。大型の敵ですら一撃で屠り得る威力を秘めた技である。さすがにひとたまりも無い。
「キリスちゃん!」
それを見たセフィーナはセラに向かって突進して行った。
「火属性か・・・」
突進してくるセフィーナを一瞥、簡単に身をかわしたセラは体勢を立て直そうと振り向いたセフィーナの喉笛を掴み、右腕だけでその体を吊り上げた。
「うっ・・・くっ・・・」
苦悶のうめきを上げるセフィーナ。
「水属性相手に火属性が勝てると思うな。超・・・」
「やめろーーーーっ!」
龍之介が叫んだ。
「お前の目的は俺だろう!ほら!エクスタシオはここにあるぞ!欲しければ持っていけ!」
そう言い放つと彼は両手を広げた。
「駄目・・・です・・・マスター・・・」
「・・・君の守護霊には悪いが・・・いいだろう。そこを動くな。」
セラはセフィーナを放り投げるように離し、セフィーナの体は出入り口の壁、床の順に叩きつけられた。それを一瞥もせずセラは龍之介に向かって歩き始めた。が、何かに引っかかるように歩みが止まる。彼女が足元を見るとキリスがその脚にしがみ付いていた。
「駄目です・・・エクスタシオは渡しませんです・・・」
弱々しく言うキリス。そんな彼女をセラは冷たく見下ろし、
「いいだろう。そんなに死にたければ死ぬがいい。」
そう言いながら右腕を上げた。

「!」

次の瞬間、超振動を発動させる前にセラの手は止まった。キリスの上に龍之介が覆いかぶさったのだ。
「ばっかやろう・・・てめえの獲物は俺だって言ったろうが!」
龍之介はそう吐き捨てるとそのままキリスをセラから引き剥がし肩に担ぎ上げ、彼女から数メートルの距離を取った。
「ちょっと・・・なんでこんな・・・余計な事するんじゃないです・・・」
庇われたキリスがこの状況でさえ憎まれ口を利くが、
「うるせえ!人を助けるのは理屈じゃねえんだ!特に俺のために目の前で誰かが死ぬなんて耐えられるかあ!」
龍之介は怒鳴った。怒鳴られたキリスは、その心臓がなぜか暴れだした。
(あ、あれ、なんですかこれ。ドキドキして、力が湧いてきますですよ!)
「・・・認めますです。」
「え?」
「かっこよかったです。嬉しかったです。ドキドキしましたです!キリスはもう大丈夫です。降ろしてください、ご主人様。」
「ご主人・・・様?」
自分の事をあなただのこの男だの呼んでいたはずのキリスの口から予想外の単語が聞こえ、龍之介は思わず聞き返した。
「そうです。キリスは認めましたです!たった今から龍之介さん、あなたがキリスのご主人様です!」
彼女はそう言うと、龍之介の肩から飛び降りるように離れた。
「決めました!キリスはお姉さまより、エクスタシオより、ご主人様、あなたを守りますですよ!」
キリスはセラに向き直り、そして彼女をを睨み付けると人差し指を向け叫んだ。
「許しませんですよ!ご主人様を傷つけようとする、あまつさえ命を奪おうとする輩は!」
明らかに雰囲気が変わったキリスにセラは身構えた。
「行けえ!天衣開放!ショットガン・ラ~ブラブ・ウェディングー!」
キリスが渾身の力で放ったヴァージンクロスの天衣開放、ショットガン・ウェデイング。敵に突進、接触した所で一定の時間ダメージを与え続けるというヴィーン・ボウスーツの超振動と似た性質の技である。そしてセラは回避が間に合わず止む無く攻撃を受け止めた。
「くっ・・・これは・・・さっきとはまるで別人・・・」
セラはその攻撃を何とかしのぎ、二人は一旦離れ、対峙した。
「どうしましたですか?ちょっとぐらいは痛かったんじゃないですか?」
キリスが挑発するが、事実、セラはそれなりのダメージを負った。とは言えキリスももう一度超振動を食らったらただでは済まない。両者とも下手に手を出せない状態だった。
「キリスちゃん・・・」
セフィーナはまだダメージが抜けず、立ち上がれずにいた。龍之介はそんな状態のセフィーナを見つけ、その側に駆け寄った。そのとき、
「およしなさい!」
一触即発のその状態に、上の方から声が聞こえ、その方向を一同は見上げた。そこには緑色のエンゲージクロスを纏った少女が上空からゆっくり降りて来る姿があった。
「シルクお姉さま!」
キリスが嬌声を上げた。彼女もウィザーディアでの仲間の一人だった。そして彼女は屋上から数メートルの所で止まり、
「さあどうするのかしら?貴女にとって不利属性の私と一戦交えたいのかしら?ここは退いた方が賢いと思うけど?」
そう言って不敵な笑みを浮かべた。
「風・・・確かにこの状況では勝算は無い・・・本意ではないがここは・・・」
セラはそう言うと一瞬で光の塊となり、飛んでいった。
「ま、待つですよ!」
「およしなさい、キリスちゃん。きっと追いつけないし、戦ったとしても無事じゃ済まないと思うわ。」
光を追おうとしたキリスをシルクが制した。
「シルク・・・久しぶり。」
龍之介に肩を借り、ようやく立ち上がる事が出来たセフィーナが屋上に降りてきたシルクに声を掛けた。
「まったく・・・水属性に火属性で喧嘩売るなんて、無茶し過ぎ。」
「ごめんなさい・・・でも・・・」
「分かってるわよ、マスターを守らなくちゃならないのはね。」
そしてシルクはセフィーナに肩を貸す龍之介に視線を移し、
「初めまして。貴方が新しいマスターね。私はシルク・デルタニア。マスターをお守りする天衣乙女の一人です。よろしくお願いしますね。」
そう言ってうやうやしく頭を下げた。
「ああ・・・俺は安藤龍之介。よろしく頼む。」
そして龍之介がそう言う脇から
「シルクお姉さま!お会いしたかったです!」
そう言いながらキリスが走り出し、シルクに抱きついた。

翌朝。龍之介の部屋。
「済まなかった!向こう見ず過ぎた!」
龍之介はセフィーナ、キリス、シルクを前に土下座していた。
「そんな、謝らないでください。私も考え無しに飛び出してしまったんですから。」
そんな彼をセフィーナが宥め、
「いいんですよご主人様♪キリスはあれでご主人様の事大好きになれたんですから♪」
キリスがラブラブ光線を発し、