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天衣創聖ストライクガールズ 第二章:ターニャ・ナッツ

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それに応えてキリスが言う。しばらく一緒に寝起きを共にしていた龍之介もそれは同じ考えだった。それだけに予想外の喜びようが彼には嬉しかった。
「まあ、いいんじゃない?ほら、セフィーナが呼んでる。行きましょう。」
ミントはそう言って龍之介の肩を押した。
その後ろからセラは龍之介の守護霊を―――つまりエクスタシオを―――見ていた。
「心なし、彼女も楽しそうだな。うん、いい事だ。」
既にこの時点で龍之介のストレスはほとんど解消されているといっていい状態だった。

そして海の家で更衣室を借りる一同。その女子更衣室。
「む、この巨乳!隠す気一切無しですか!」
キリスが堂々とバストを露にしつつ天衣、なまあしマーメイドに着替えているミントをゆび指して言う。
「また巨乳って・・・まあいいけど、女の子同士、恥ずかしがってどうするのよ。」
「そういう問題ではないです!それは私たち貧乳に対するあてつけ、挑戦に他なりませんです!」
キリスはそう言うとセラの腕をとって自分の脇に引き寄せた。
「い、いや、私は別に・・・」
セラは困惑する。その騒ぎを他所に、セフィーナは一人ため息をついていた。
「スク水・・・水着がこれでさえなければ・・・セラさんのあれ、しょうぶのみずぎはさすがに恥ずかしいけど、それ以外にだってかわいい水着天衣いっぱいあるのに、よりによって、これ。はあ・・・」
その横を既にサマービューティー、至ってスタンダードなビキニ天衣に着替えたシルクが通り過ぎる。
「もう、いいなシルクは。私もかわいい水着欲しかった~。」
「あら、でも世の中の殿方の中にはその水着が大好きって人が少なくないのよ?」
振り向いたシルクのその言葉にセフィーナは表情を変えた。
「え?じゃ、マスターも気に入ってくれるかな・・・?」
「それは分からないわ。それじゃ参考までに。」
シルクはそう言うと手に持っていたスマホを操作した。
「検索したらこんな感じかしら。」
その画面を覗き込むセフィーナ。そこにはスク水を着た扇情的な幼女から少女という二次絵のオンパレードになっていた。
「う・・・好きってこっち方面なの・・・?」
「まあそういう傾向はね?」
「これ、気に入られてもなんか複雑・・・」

そんなこんなで着替えを済ませた女性陣は、既に着替えを済ませて待っていた龍之介の許にやって来た。
「お待たせしました、マスター!」
その声に振り向いた龍之介は、しょうぶのみずぎのセラ、なまあしマーメイドのミント、夏待ちビキニのキリス、サマービューティのシルクと順に視界に入り、最後にスク水のセフィーナが視界に入ると噴き出した。
「ぶっ・・・!いや、分かっちゃいたけどその順番は卑怯だって!」
思わず笑い出した彼にセフィーナは
「安心したような、残念なような、やっぱり複雑・・・」
そう言って表情も複雑にした。

海に来たらお約束、波打ち際での水の掛け合い、ブイまで泳ぐ、ブラ紐解いて背中にサンオイル、海の家で焼きそば焼きイカカキ氷、一通り楽しんだ龍之介は日に焼けようと砂浜に仰向けになったが、やがてウトウトと眠っていた。

「!・・・寝てたわ・・・」
どのぐらいまどろんでいたのだろうか、彼は目を覚ました。
「って、なんだこりゃあ!」
龍之介の体は砂に埋められていた。もちろんこれまたお約束の女体型である。
「あいつらー・・・」
そのいたずらの犯人たちはビーチボールで遊んでいた。
「ま、いいか。こんな安らぐのも久しぶりだし・・・」
彼がそうしている頃、ビーチの一部では一人の娘が注目を集めていた。栗色のショートボブのその娘、注目の原因はその出で立ちであった。水着、ではなかった。首の辺りから左足にかけて、螺旋状にリボンを巻いただけ。そんな姿で堂々と砂浜を歩いている。やがて彼女はある物を見つけるとまっすぐその方向に向かっていった。
「ん、なんだあれ・・・」
彼女が向かっていた、その方向には龍之介がいた。やがて彼女は龍之介の顔のすぐ横に立った。変わった水着だなと思った龍之介の視界には、否応無しに彼女の股間が飛び込んだ。
「絆・・・創・・・膏・・・!?」
そう、彼女はノーパンだった。その股間、秘所、縦筋、陰裂、には絆創膏が貼られているのみだった。それに気づいた龍之介は慌てて目線を逸らした。
「安藤龍之介さんやね?」
娘が問いかけた。
「あ、ああ、そうだけど・・・」
龍之介は視線を逸らしたまま応えた。」
「アカンて、人と話す時はちゃんとその方見んと!」
そう言いながら彼女は龍之介の頭をぐりっと自分の方に向けた。彼女はしゃがんでいた。結果、彼の視界いっぱいにほぼむきだしの秘所が投影された。
「ちょちょちょ、ちょっと待て!あんた!羞恥心とか無いのか!」
龍之介のその言葉を無視して彼女は口を開いた。
「なあ。」
「え?」
「エクスタシオ、ウチにくれへん?」



第三話 ウチ平和主義者やねん

浜では女性陣のビーチボール遊びが続いていた。
「ミントお姉さま!行きますよ!」
キリスの言葉だった。彼女はこの半日ですっかりミントに懐いてしまった。今までキリスは彼女を毛嫌いし、一緒に過ごすなどという事が無かったためミントの人となりを知りようが無かったのだが、半日一緒に過ごす事で「結構いい奴→優しいいい人→お姉さま!」と彼女の中での評価は激変していた。龍之介の時といい変わり身の早さ、もとい、切り替えの早さが彼女の持ち味であった。
(なんて言うか、今朝までの態度と180°違ってなんか気持ち悪いんだけど、ま、いいか。)
ミントは苦笑いしつつそう思った。
「あ、そう言えばマスター、そろそろ起きたかしら?」
ミントのその言葉に一同は思い出したように龍之介の方を見やった。するとそこには彼の頭の脇辺りにしゃがみ込む、裸にリボンをぐるぐる巻きにした姿の娘が見えた。
「・・・!あれは、シュガーシルエット!ウィザーディアの天衣使いね!まさかビーン・ボウ!?」
シルクはそう言って警戒した。シュガーシルエット。その外観は前述の通り。耐久力増強型の強力な天衣である。
一方、龍之介の方は、
「なあなあ、隠さんと、エクスタシオ出してくれへん?ウチ平和主義者やねん。手荒なことしたないんよ。」
「い、いやエクスタシオとか隠すとか、なんの事やら・・・」
龍之介はとりあえずとぼけた。
「ほな仕方あれへん。実力行使や。」
その言葉に龍之介は身構え・・・たかったが砂の中なので無理だった。
「ほれ!」
娘はそう発すると右手を砂の中に突っ込んでまさぐり始めた。
「わかっとるんやで~、この辺にあるのは。気配ビンビンに感じるさかいな!」
「あ、ちょ、ふひっ!やめへへへへへ!」
動けない龍之介は情けない声を上げた。
「お?これか?」
娘は何かを握った。
「うひゃはあ!!!」
読者諸氏のご想像通り、彼女が握ったのは娘の刺激的な姿に戦闘体型に変形を遂げていた「それ」だった。

「何やってんのかしら・・・マスターの周りには対ビーン・ボウの障壁掛けておいたから、彼女ビーン・ボウって訳じゃなさそうだけど・・・見た所属性は風かしら。ねえ、セフィーナ?」
そう言うシルクだが、セフィーナにその声は届いていなかった。