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はじまりのあの日4 摩天楼とむらさ・きいろ

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「さすがジャンボ。乗り心地抜群。輸送機とは比べものにならないぜ。食事も、良い物出るみたいだし、快適カイテキ」

テト姉。周りのメンバーと、カードゲーム。わたしも、しりとりをしたり彼がポータブル機材でDVDを観せてくれたり。乗り物酔いをしないタチで良かったと思う。飲み物が振る舞われる。あの日、初めて知った。コンソメスープや、オレンジジュース

「コンソメ、お願いします」

めー姉は、乗り物の中ではお酒を飲まない。彼が買ってくれた、ラスクが美味しくて、機内食もおいしくて。ついていたオレンジを、彼がわたしによこしてくれて

「オレンジ好きだったじゃない」
「ありがとがっくん、じゃ、このチョコあげる」
「それは、リンが食べる。育ち盛りダカラ」

やりとりが。彼との、みんなとの時間が楽しかった。後半は、長いフライトに、飽きてしまったのだけれど

「リン、みんなも。飽きたら眠っとこうじゃない。時差ぼけしなくてすむから」

紫の彼の気遣いで、メンバー全員、時差ぼけせずにすんだっけ。TVの音。CMの騒がしい音で、記憶の土地から、強制送還。あの選手の試合、観たかったな。などと思いつつ、夕食の準備に集中する―