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はじまりのあの日5 過ぎゆく時・育む想い

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大理石のように輝くチョコレートのザッハトルテ。そのケーキが、テーブルに鎮座したとき玄関ホールの呼び鈴が鳴る。モニターを確認し、迎えにでるキヨテル先生。姉達の外灯を手に戻ってくる

「たっだいま~。うう、寒かった~」
「戻りました。あら、とても良い香り」

ナイフを入れるまでには間に合った、ミク姉、ルカ姉。手を洗って、リビングにやって来る

「お帰り、ミク、ルカ。ごはんはどうする~」

カイ兄の心遣い。答える二人の姉

「いえ、一応食事は済ませて来ましたので」
「塩っ辛いだけだったよ~あのロケ弁。お水~、あれ」
「なんだか、こちらでは、初めて見るものがありますわ。神威さん、もしやこれは」
「何これ~。すっごく甘いにおい~」

高まる気持ちを、隠すこと無く話す二人の姉

「ぽ兄ちゃんが作ってくれたの~。ザッハトルテってケーキなんだって」
「これから切り分けるから。食べるか、ミク、ルカも」
「もっちろん、がくさんっ。わあ~おいしそうぅ~」
「やっぱり。頂きますわ、神威さん。留学先のお宅で頂いた以来ですわぁ」

ルカ姉は食べたことがあったらしい。それでも、ミク姉同様、目が輝いていた

「あ、その前にみんな~わたし達から」
「チョコレート。受け取ってください」

二人も、買ってきたチョコレートを銘々に配る。和やかに華やか。そして彼

「俺からも二人に。はい、チョコ」

彼もチョコレートを二人の姉に手渡す

「殿が作ったんだって。中身がそれぞれ違うらしいよ~」
「ミクには、メロンのペースト。ルカは桃を煮詰めたやつ」
「ええっ。メロン~。わ~楽しみ」
「ありがとう神威さん。食べるのが楽しみですわ」

花が咲いたように喜ぶ二人。それぞれにお礼を言う

「さ~、ケーキ食べましょ。カイト、切り分けて~」
「おっけ~め~ちゃん」
「では、私もコーヒーを煎れましょう。紅茶もいいですね。オレンジペコが残っていたはず」
「センセ、ウチも手伝う~」
「ああ、メイコ。今日ここまで、ほとんど飲んでないだろ。これ、一緒に飲もうじゃない」

切り分けを、兄に命ずるめー姉。各種お茶を煎れに向かう先生とリリ姉。そこで彼が差し出す、瓶。中身は琥珀色の液体で満たされている

「ん、神威君、何。アイスコーヒーか何か」
「いや、コーヒーウォッカ。コーヒー豆をウォッカでつけ込んだヤツ。スイーツとも、相性いいんじゃない。飲み過ぎ注意」
「わ、神威君ありがとう。も~最高じゃないの」

瓶を置き、ショットグラスを取りに行く彼。真剣に切り分けてゆくカイ兄。それぞれにケーキが行き渡る頃、湯気たつ和、洋、英国。各種お茶と戻ってくる先生と紫様

「さ、切り分けた。一切れが大きいよ~」

パン皿に、いっぱいイッパイのザッハトルテ。子供のわたしにとっては夢見心地

「すっご~い。塩辛ロケ弁の舌が癒されそ~う」
「ブレンドも入りました。紅茶も。砂糖は不要かと思います。ミルクはお持ちしました」
「センセ~って、お茶の煎れかた上手いよな~」
「お配りいたしますわ。氷山さん、リリィさん。本当に美味しそうなザッハトルテですわぁ」

そうして始まる、スイーツパーティー。カイ兄が切り分けた、紫の彼作の美味しそうなザッハトルテ。銘々好みの飲み物。これで気分が高揚しないほうがどうかしている

「さ、始めようじゃない。第二次会」
「わたし達にとっては一次会開幕だよ~がくさん」
「そっか。ま、どんなものか、みんな、食べてみてくれ」
「いただきま~す、ぽ兄ちゃん」
「あにさま、ありがと」

口を付けるわたし達。ちょうど良い甘さ。おいしい。すごく美味しい。ほろ苦のチョココーティング。しっとり甘めのスポンジ部分。そこにサンドされたジャム。絶妙と言う他ない

「素晴らしいお仕事ですわ、神威さん。あちらでも、これほどのモノは食べたことありません~」
「おいし~がく兄。これ、ジャムはなに」
「杏の缶詰を煮詰めただけ。簡単でおいしい定番じゃない」

一口食べ、ウォッカを含む彼

「合うわ~ウォッカ。抜群じゃない、神威君」
「こんなに大きなチョコレートケーキ。おいし~し、夢みたい~。ありがとがっくん」
「夢は言い過ぎじゃない、リン。でも、いいな、確かに。変なモンにはならなくて良かった。ウォッカと合うじゃない。カイト、コーヒーリキュールもあるけど飲む」

夢中で食べているカイ兄に聞く紫の彼

「いやもう完璧だよ殿。こんな美味しいの始めて。最高の組み合わせ。リキュールもいただきま~す」
「神威さん、私にもウォッカいただけますか。コーヒー豆をつけ込んだと伺いました。牛乳で割って飲んでみたいです」
「お、テル。それもおいしそうじゃな~い」
「あはっ、センセチョコついてる。カワイイな~もう」

キヨテル先生の口の端、ついたチョコを指で拭うリリ姉。ぬぐった指を舐める

「素晴らしい画をありがとう、ふたり~」
「って、なにしてるんですっ、ミクさん」
「おまえ、撮影してんじゃね~よ」

この辺りから、ミク姉が変なものに目覚めたんだっけ。彼が来て、またも新たに加わった。二月中盤の甘味祭り。ただし、体重管理は大切なので、この前一週間。この後、冬休みまでの一週間。徹底的に糖質制限、カロリー制限をする。これも、メンバーの掟になったっけ。TVの糖質制限の文字を見て、意識が今へと帰ってくる。今日は、甘味祭りではないので、用意するものはおかず祭りだなと思う―