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琅琊閣裏口入学センター2次試験 本年度予想問題と回答例

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夏冬が吹き出し、夏春は怒っている。
書簡は夏春がクシャクシャに丸め、床に叩きつけた。
霓凰が転がって来た紙を広げて見ると、紙の端に落書きがしてあった。
人の顔だろうか、耳が大きくて、髪はモジャモジャだ。

「やられた!。この部屋ではない!」
息巻いて夏春が部屋を出ていった。夏冬は笑いながら後を追って行った。

霓凰は寝ている胡歌さんを見る。
口元が何だか嬉しそうだ。

昔からこんなイタズラが得意だったんだわ、この人は。
姿は変わっても、何一つ中身は変わらぬ林殊哥哥なのだわ。
何も心配は要らないのかも知れない。
そうね、林殊哥哥の計画だものね。

霓凰はクスリと笑う。
ちょっと、どきどきしたけど、面白かったわ、林殊哥哥。
霓凰はくすくすと笑いながら、夏春と夏冬を追って行った。

胡歌さんが目を開ける。
胡歌さんも笑っていた。
霓凰が楽しんだ様で、満足だった。






────宮羽──────

穏やかな日差しの中、暖かくやわらかな風が窓から入り込む昼下がり。
大きな背もたれのある椅子で、うたた寝をする胡歌さん。

足音を忍ばせ、部屋に入ってくる人影。
宮羽だった。
物音をさせぬように、そろりそろりとまどろむ胡歌さんに近寄る。
胡歌さんが寝ているのを見て、安心したのか宮羽の口元がほころぶ。

起きた時にすぐに飲める様に、茶を、持ってきたのだ。
そっと音をさせないように、盆にのった急須と器をそっと側の小机に置いた。
そして、胡歌さんが気付かず眠っていることに安心をした。

宮羽はまた、そろりそろりと部屋を出ていった。


だが、暫くすると、また宮羽がそろりそろりと部屋に入って来た。

今度は、椅子の背後の棚の香炉を確認した。
少し香りが足りないような気がした。
宮羽は袂から、小さな紙包みを取り出した。
香炉の蓋を開け、包を開き、その中身を二つまみ程、香炉の中の香に足した。
宮羽が梅長蘇の為に合わせた香だった。
心穏やかになり、ぐっすりと眠れる様に特別に長蘇の為に合わせたのだ。
幾らかすると、香炉から香りが漂い、宮羽は満足した様に微笑む。
そしてまた、そろりそろりと部屋を出ていった。


また暫くすると、部屋にそろりそろりと宮羽が現れる。
室内の温度が気になるようだった。
暖かな、おだやかな風とはいえ、直接寝ている体に当たれば、良くはないだろうと、少し窓を閉めて、風の量を調節した。
これで胡歌さんに直接当たることはないだろう。
まだ心地良く眠っている、胡歌さんの姿にほっとして、宮羽は幸せそうに口元に手を当てて、くすりと笑った。
宮羽は、物音をさせずに、ゆっくりと出て行った。

またまた、暫くすると、宮羽が部屋にそろりそろりと入ってくる。
今度は何だろう、、、、。
ああ、、茶が冷めてしまったかどうか確認に来たのだ、、。

とうに、気配で目を覚ましていた胡歌さん。
何度も部屋を訪れる宮羽に、胡歌さんは目を覚ます機会を逃していた、、、。

───どうしようか、、、。
鼻が痒い、、。
寝返りを打ちたい、、、、て、いうか、目、覚めてるし、、、。

トイレに行きたい、、、、、、。

お腹も空いたし、、、、、。

あ、、、ぐ〜〜って鳴りそう、、、。───


、、、胡歌さん、困る。




─────藺晨──────────

藺晨が部屋に入ってくる。
「おい、長蘇、薬の時間だ、飲め!」
ずかずかと胡歌さんに近づくが、胡歌さんは寝たままで起きそうになかった。
「ほら、これは四刻置きに飲まねば、薬効が出ぬのだ。」
藺晨は胡歌さんを揺すって起こそうとするが、まったく起きる気配がない。
今日一日、このまま飲むのを続ければ、一旦治療を終了できる。
何が何でも起こさねば。
「おい、長蘇、起きぬ気か?。」
どう揺すっても、目が覚めぬ様だ。
「私を困らせて何が面白い、、、。」
「、、、、、仕方ない、、口移しにでも飲ませねば、、、。
飲まねば、また治療のやり直しだというのに、、。」
藺晨は薬を口に含もうと、器を口元に近付けた、、、。

器を近付けながら、寝ている胡歌さんの様子を暫く見ていた。

藺晨は、ふと思い直して、器を小机の上に置いた。

「いや、、目覚めるツボに、針を打ってやろうか、ん?長蘇。」
そう言うと帯に付けていた袋から針道具を取り出して開き、何本かある針の中から一本を選び出し、胡歌さんを見てにやりと笑った。
やおら藺晨は、胡歌さんの衣服を胸までめくり、指を這わせ、胸の真ん中のツボを確認する。
「さーてと、打つか。」
何だか嬉しそうな藺晨だった。

ツボに針が刺さる直前、胡歌さんが目を開ける。
刺されたんでは堪らない。この藺晨は本当に刺すのだ!。
ツボなど何も無い所を、遠慮無く痛いように刺すのだ!。
以前、寝た振りを続けたらやられたのを思い出した。

「目覚めたな、長蘇。薬の時間だ、飲め。」
藺晨はにやりとし、針を薬の器に持ち替えて、胡歌の目の前に差し出した。
この薬は殊更苦く、量が多い、、、。


飲みたくない、、、胡歌さん。
藺晨の凍り付いたような微笑みは変わらない、、。

薬を挟んで、暫し見つめ合う二人、、、、。





───庭生──────────

庭生が、意気揚々と胡歌さんが寝ている部屋に入って来た。
「蘇先生、昨日の問題が解けました。」
返事が無いので、良く見ると、胡歌さんが気持ち良さげに椅子でうたた寝している。
「あ、、先生はお休みだ、、、。」
どうしようか、問題が解けたら、直ぐに持って来るように言われていたし、やっと解いた解を早く見てももらいたいのだが、とても庭生には胡歌さんは起こせない。
どうしたらいいか、困り果て、寝ている胡歌さんから離れて、床に座って待っている事にした。
心地よい風に、気持ち良く寝ている胡歌さん。
いつになったら起きるのか、、、また暫くは起きそうにない。

じりじりと待っていたが、全く起きる気配がなかった。

「起きないよ。」
背後から急に声を掛けられて、庭生は驚いた。
物音一つしなかったのだ。飛流だった。
「先生の問題を解いて来たんだ。
見てもらいたいけど、、、、お休みになっていて、、、。」
困り顔の庭生の側にしゃがんで、飛流はにこにこしていた。
「起きない。」
飛流は断定する。
(ああ、そうか、先生は時々具合が悪くなるのだ、だから医師から休む様に言われているのかもしれないな、、)そう、庭生は思った。
「そうなんだ、、お休みなんだ、、。」
庭生はガッカリしている。
「遊ぼう。外、行こう!。」
飛流はガッカリした庭生なんかいやだった。自分と一緒に遊べば、きっと庭生は元気になって、笑顔になるのだ。
庭生も、このまま座って、一体いつ起きるかも分からない胡歌さんを、正座して待つのも辛くなっていた。
「うん、遊ぼう!。」
庭生が遊ぶと決めて、飛流も嬉しそうだ。
「うん。行こう!。」
二人ははしゃいで部屋を去り、外に出て行った。

実は目を覚ましていて、部屋にただ一人残された、胡歌さん。
「、、チッ、、、。」
庭生と「三顧の礼ごっこ」しようと思っていたのだが、目論見は上手くいかなかった。
飛流に攫われてしまった。

───まぁ、良い、、、もう一眠りするか、、。───