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Lovin 'you after CCA 9

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「ああ、まあな。エドヴァルド・レイブンの腕はスゲーからな。俺もあんなMSを作ってみたいな」
「そうなんです!!エドは凄いんですよ!MSの全てを知り尽くしてる!それに常識に囚われないあのアイディアにはいつも驚かされる!」
エドヴァルドの話題に触れて、アムロが興奮したように力説する。
「はは!姉ちゃんも大概メカ馬鹿だな!」
「はい!」
「益々ウチに欲しくなった!本気で転職しないか?」
「それは困るな」
アムロを後ろから羽交い締めにしながら、噂のエドヴァルドが顔を出す。
「エド!」
「エドヴァルド・レイブン!?」
突然の大物の出現に、ネオ・ジオンのメカニックチーフが驚きの声を上げる。
「悪いがウチの娘はやれんぞ」
「娘!?」
「実の娘じゃないがな。大切な友人の忘れ形見だ。娘も同然に思っとる」
「エド…」
その言葉にアムロの瞳が潤む。
「それに、優秀なメカニック兼テストパイロットをそう簡単には手離せんな」
「はは、そりゃそうですな。ところで、今日はもう上がりですか?どうです?みんなで一杯。」
「お、それはいいな!行くぞ、アムロ!」
「え?エド!私、あんまり飲めないよ。」
戸惑うアムロの耳元でエドがこっそり囁く。
「この誘いに乗ってここから逃げないと、めんどくさい男に捕まるぞ。」
エドの視線の先を見ると、アムロの模擬戦の事を何処からか聞きつけたのだろう、真っ赤な総帥服の男がドックのキャットウォークから下を見下ろしていた。
「ヤバイ!」
「だろ?行くぞ」
「ハイ!」
エドに促されるまま、アムロはドックを後にした。
その姿を、赤い男が溜め息まじりに見送る。


比較的大きなお店で、ネオ・ジオンのメカニックとアナハイムのメカニック達が盃を交わしている。
その中心ではエドがMS談義を繰り広げていた。
それを、アムロは離れたカウンター席で見ながらグラスを傾ける。
するとそこに、レズンが歩み寄り、隣に座る。
「あんたはあの輪に入らなくていいのかい?」
「ええ、さっきまでは入っていたんですけど、疲れたんでここに避難してきました。」
「ははは、そうか。」
ほろ酔いでご機嫌なレズンが、アムロにグラスを差し出し乾杯をする。
「あんたホントいい腕してるね。」
「ありがとうございます。」
「あの操作性の調整は自身がパイロットでないと出来ないものだ。あんたホントはパイロットが本職だろう?」
グラスを持つ手で指差され、アムロはドキリとする。
「あ、えっと。昔の事です。今はメカニックが本職ですよ。」
「そうかい?あのギュネイを余裕で相手してたじゃないか。寧ろ上手く煽って実力を引き出してた。」
「そんな事は…」
『流石はMS隊長をしているだけはあるな。よく見てる』
アムロは動揺しつつもなんとか答える。
「あんたのあの動き…戦場で見たことがある気がするんだよね…」
その言葉に、アムロはギクリと肩を揺らす。
「そ、そうですか?」
動揺するアムロを見つめながら、レズンがクスリと笑う。
「もしかしたらどっかでやり合ってたかもな」
「ははは…」
『やり合ってた…“敵”前提か…』
「まぁ、そんな事はいいや。今日は飲もう!」
「はい」
その後は、特にその事には触れられる事なく、ジオンのパイロット達の裏話やMSの話で盛り上がった。
男勝りなレズンは、女だてらにMS隊の隊長をするだけあって豪快で、でも情に厚く部下思いな女性だった。
お酒にもやたらと強く、その勢いに乗せられてアムロの飲む量も増えていく。
そして、気付くと何故か恋愛の話になっていた。
「私はさ、ちょっと頼りないけど実は芯の強いアイツが好きなんだよ!でも年下だし絶対アイツはちっさくて可愛い子が好みなんだよ。」
レズンはどうも年下のメカニックの男性に想いを寄せているらしい。
けれど、その性格からなかなか素直になれないと言う。
「そんなの聞いて見なくちゃわかんないだろ!」
「聞かなくったってわかるよ。でもさ、時々こんな私にも優しい言葉を掛けてくれたりなんかするからさ…」
「やっぱり脈があるんじゃないか?何とも思ってない奴に優しい言葉なんて掛けないだろ?」
「そんな事ない、アイツ誰にでも優しいんだよ」
「そうかなぁ」
「それよりもアムロ!あんたはどうなのさ!」
突然話を振られて、アムロが目を見開く。
「私?」
「そう!いい人いるんじゃないのか?」
「ああ、えっと。私もう結婚してるから…子供もいるし」
「ええ!あんた歳いくつだい!?」
まさかの答えにレズンが叫ぶ。
「え、二十九歳…だけど」
「私より年上じゃないか!?で、旦那はどんな奴だい?」
「え……えっと…」
貴方達のトコの総帥だとは言えず口ごもる。
「メカニックかい?それともパイロット?」
「あ…パイロット…かな」
「へー!それで?あ、グラス空だよ。マスターおかわり!」
グラスを渡され、そのまま飲まされる。
「だからぁ、あの人凄く面倒くさいのぉ」
散々飲まされ、だいぶ酔いが回ったアムロは呂律が回らない。
「なんだそれ、そんな奴のどこが良いんだよ!」
「え~、優しいとこかなぁ。でも優しすぎるからぁ…純粋すぎるから…自分を傷付けちゃう…そんな困った人なんだ…」
カウンターに突っ伏しながら、アムロが悲しそうに呟く。
「でも好きなんだ?」
「うん、好きぃ」
と、突然アムロは肩を掴まれる。
「おい!あんた飲み過ぎだぞ。もうやめとけ!」
現れたのはギュネイだった。
「あれぇ?ギュネイ准尉だぁ。何怒ってんの?」
「何じゃないだろ?レズンも飲ませ過ぎだ!」
「何であんたが文句言うのさ!私たちは楽しく飲んでんの!あ、まさかあんたがアムロの旦那なんて言うんじゃないだろうね!?」
「はぁ?んな訳あるか!」
「でも今日、やたらとアムロに絡んでたじゃないか?もしかして気があんのか?」
「ばッ馬鹿か!?」
ギュネイが顔を真っ赤にして叫ぶ。
「そんなに思いっきり否定しなくても良いだろぉ。ギュネイ准尉は私のこと嫌いか?やっぱり敵だった私の事なんて受け入れられないのかぁ」
トロンとした目で見上げられ、ギュネイの心臓がドクリと跳ねる。
酔いが回ってほんのりと赤みを帯びた顔に、潤んだ琥珀色の瞳が妙に色っぽい。
「べべべべ別に嫌いとかそんな事は思ってない!」
「それじゃ、好きぃ?」
「はぁ!?何言ってんだ!そんな事言える訳ないだろう!」
「じゃ、好きなんだ?」
面白いものを見たと言わんばかりに、レズンがギュネイをからかう。
「そそそ、そんな訳!」
「じゃあ嫌いぃ?」
アムロが薄っすら涙を浮かべて見つめてくる。
「だ、だから…、き…嫌いじゃ…ない…から…」
段々と語尾が小さくなるが、嫌いじゃないと言われてアムロが微笑む。
「ホント?良かったぁ」
その笑顔に、ギュネイの心臓が更に跳ねる。
「と、とにかくもう酒はそのくらいにしとけよ!レズン、もう飲ますなよ!分かったな!」
「あーはいはい。分かったよ。」
「じゃあな!」
それだけ言って、逃げるように去っていく。
「あははは、顔を真っ赤にして!中々可愛いトコあるじゃないか!」
「で?アムロ、続きだ。旦那との馴れ初めは?」
「え…馴れ初め?…うーん。初対面はMS越しだったからなぁ…」
作品名:Lovin 'you after CCA 9 作家名:koyuho