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黄金の太陽THE LEGEND OF SOL27

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「さて、スピード勝負はこの辺にして、次はパワー勝負だ。こんだけ体格差があるんだ、まさか押し負けたりしねえよな……!」
「ぐっ!?」
 ロビンは一気に間合いを詰め、剣を振った。デュラハンはその攻撃を防御する。
「さすがに受けきれたな、貴様が受けられなかったらどうしようかと思ったぜ!」
 デュラハンは、受け止めることができたが、本当にギリギリの所だった。ロビンの攻撃はそれほどまでに速かったのだ。
 ギチギチと音を立てながら、ロビンとデュラハンの剣がぶつかり合う。
 ロビンは、純粋な力勝負を挑んだが、体の大きさは圧倒的にデュラハンの方が勝っている。
「ぐっ! おお……!」
 体格差が明らかに有利のはずのデュラハンが、押し負けまいと踏ん張るのがやっとであった。
 対するロビンは余裕の表情を浮かべ、じわりじわりとデュラハンを圧していく。
「ほらほら、どうした? オレの方はまだまだ全力じゃないぜ?」
 そう言うとロビンは、更に一歩前に踏み込んだ。上から来る圧力により、デュラハンは前屈するような格好で体勢を崩し始めた。
「ふんっ!」
 ロビンは腰を捻り、踏み込む力を腕へと伝えた。
「ぐおお……!?」
 デュラハンはついに押し負け、地面に膝をついた。
「ほらほらどうした!?」
 ロビンは更にデュラハンを沈め、完全に両膝をつかせた。
「オラッ!」
 ロビンは、首の無いデュラハンの鎧の穴から覗く骨を狙い、蹴りを放った。
「がああ!」
 デュラハンは、ロビンの蹴りをまともに食らい、地面を二転三転した。
「く……はっ!?」
 デュラハンは取り零した剣を拾おうとするものの、その手を止めてしまった。
 目の前には既にロビンが立っていたのである。
「……どうした、さっさと拾えよ?」
 デュラハンは急ぎ、剣を拾い上げようとするが、ロビンに腕を踏み潰された。
「ハハッ! 無様だな、デュラハン!」
「ぐ、ぬぬぬ……! かあっ!」
 デュラハンはロビンに向けて、エナジーの波動を放った。
「おっと」
 ロビンは即座に反応し、後方へ大きく飛び退いた。そしてデュラハンは、ロビンと距離が開いた隙に剣を拾い、デュラハンも後退した。
「つ、強い、なんという強さだ……!」
 ガルシアが思わず口にする。
「全くだぜ、本当にあいつ、ロビンなのか!?」
 ジェラルドも、ロビンのあまりの変貌ぶりに驚きを隠せなかった。
「あいつはロビンに間違いないぜ。けど、力は段違いだ。しかもあの様子、まだまだ力を隠してるぜ……」
 シンは、力通眼を通して見えるロビンの力を話す。シンの目には、まだ底の知れないロビンの力が見えていた。
「ぐぬううう……!」
 デュラハンは、終始ロビンに圧倒され、呻き声のような恨めしい声を上げていた。
 ロビンはやはり、余裕の笑みを携えてデュラハンを見ていた。
「ふう……」
 ロビンは呆れたようにため息した。そして顔の上半分を手で覆う。
「デュラハン、まさかこの程度、何て事は言わねえよな?」
 ロビンは上を向き、額に手を当て、長い前髪をかき上げた。
「まだまだ準備運動だぜ? これだけでそのザマじゃあ……」
 ロビンは一度下を向き、再びデュラハンを見据えた。澄んだ赤い双眸がデュラハンを突き刺す。
「オレがつまらねえだろ!?」
 見る者全てに、とてつもない恐怖を与えていた真っ赤な双眸は今、美しく澄んでいたが、デュラハンに恐怖を与えるには十分であった。
「ぐぬうっ! このくたばり損ないが、いつまでも調子づきおって! よかろう、ここから先はお遊びなしだ。本気の本気で貴様を屠ってくれるわ!」
 ロビンの底知れぬ力に戦慄するデュラハンであったが、舐められた怒りをあらわにした。
「ふっ、オレは準備万端だ。いいぜ、かかってこいよ。精々オレをがっかりさせないでくれよ?」
 ロビンは全く動じない。
「甦った事を後悔するがいい……!」
 デュラハンは黒魔術を発動する。
「悪霊の叫び、『スクリーム』!」
 デュラハンは、ロビンの動きを止めるべく、精神に作用する金切声を上げる悪霊の群れを放った。
「こいつらは……ちっ、キーキーうるせえな……」
 悪霊の群れは、ロビンに集り、精神に取り憑いて行動不能にしようとする。
「フハハハ! 悶え苦しめ!」
「うるせぇ、雑魚ども!」
 ロビンは一声、大声を上げた。それは気迫のこもった一喝であり、悪霊の群れはロビンの気迫に打ち消されてしまった。
「ふっ、こんなものでオレを止められると思ったのか?」
 ロビンは余裕である。
「ぬう、まだよ! 魂の一閃、『デスチャージ』!」
 デュラハンの影が実体化し、空間に出現した死神の鎌を握り、デュラハンの影はロビンに襲いかかった。
「ふん!」
 鎌の先端がロビンに触れるか否かの所で、ロビンはソルブレードで鎌を両断した。
「次はなんだ?」
 ロビンは挑発するように言う。
「死霊の誘い、『デスフォーチュン』!」
 デュラハンは、死霊に獲物の位置を知らせるナイフを飛ばした。
「おっと!」
 ロビンはナイフをかわすが、ナイフには対象を追尾する効果があった。
 しかし、ロビンはそれが分かっているかのように、後ろから更に追いかけてくるナイフの柄を握った。
「ほら、返すぜ!」
 ロビンはナイフを投げ返した。
「うお!?」
 ナイフはデュラハンの肩口に刺さった。しかし、デュラハンにナイフの効力はなく、デュラハンはすぐにナイフを振り払った。
 地面に落ちたナイフは霧散した。
「全く、そんなオモチャでオレを本当に殺れると思ったのか?」
 ロビンは、死霊に取り憑かれれば確実に死をもたらされるナイフを一蹴し、呆れてため息をついた。
「いい気になるな小僧!」
 デュラハンは剣を水平に持ち、刃を不気味に輝かせた。
「何だ?」
 ロビンはその光をまともに受けてしまう。
「いけない、ロビン、離れて!」
 デュラハンの術の正体を知るジャスミンが叫ぶ。
「フハハハ! もう遅いわ!」
 しかし、ジャスミンの叫びはむなしく、術が発動してしまった。
「これは……!?」
 ロビンの活力が黒い粒子となり、デュラハンによって吸い取られていく。
「フハハ、かかったな! 貴様を糧としてくれるわ!」
 デュラハンはロビンの体力を吸い取っていき、自らの体力としていく。
「魔の接触、『トゥルー・コライド』!」
 デュラハンが術を詠唱すると、吸収の勢いが一気に上がった。
「フハハハ! これはいい、ものすごい力が流れ込んでくるではないか! このまま干からびるまで貴様の体力を吸い尽くしてくれよう!」
 ロビンは、力が吸い取られていくのを感じながら、一瞬驚いたような顔をしたが、それ以上驚いた様子は一切見せなかった。
 むしろロビンは、何かを閃いたように口角を少し吊り上げた。
「そうかそうか、オレの力を吸いとってるのか。いいねぇ、だったら好きなだけ味わいな!」
 ロビンは気力と体力をエナジーに変え、デュラハンに向けて放出した。
 ロビンの行動を見ていた者達は、驚いた。
「あいつ、何をバカな事!?」
「みすみすデュラハンに力を与えるなんて……!」
「フハハハ! 自棄になったか? ではこちらも遠慮なくいただこうぞ!」