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こらぼでほすと 秋刀魚6

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 一桁組も寺のセルフサービスは理解した。自分が動かないとニールは食えないというルールだ。つまり欲しいものは自力で調達しなければならないらしい。一桁組が二人立ち上がり、冷蔵庫からビールやらツマミになりそうなものを取り出してくる。
「これはこれで新鮮だな。」
「まあねぇ。あんまり飲まないほうがいいんじゃないのか? 夕方から再開するんだろ? 」
「はははは・・・ビールなんぞでダウンはしないさ。おまえこそいいのか? 」
「私は食後に娘さんと昼寝するのさ。おまえらも横になったら、どうだい? 」
「いいな。昼寝は実にいい。」
「オールセルフサービスは、いいシステムだ。」
 そろそろ儀礼的な会食とかに、うんざりしていた一桁組は、ざっくばらんな寺のシステムには感動だ。食後、お土産の果物をいくつかとカリタで淹れたコーヒーをデザートとして用意した。虎がくれたコーヒー豆でコーヒーを淹れたら、なかなか好評だ。
「会議のコーヒーより美味いな。」
「あれと比べちゃいかんだろ。コーヒーメーカーで作って長時間、放置されている。完全に煮詰まってるんだからな。」
「ドブ水って、ああいう味なんだろうなあ。」
「国際会議って、そういうところは雑なんですか。せっかく難しい議論をしてるのに。」
「議論重視ってとこなんだろうなあ。それに実務者レベルだとメディアへの露出もないからさ。おじさんたちは、そういうところで虐げられてるんだよ、トダカの娘さん。」
「割と真面目にやってるんだけどねぇ。」
「だから、ここで食事させてもらうのは、いい癒しだ。すまないが、また頼んでもいいかな? ニール君。今度は、麺類が食べたいんだけど。」
「ああ、大丈夫ですよ。リクエストを連絡ください。ソーキそばは、作ったことがないので、それは無理です。」
「そっちは国で食べられるから、特区のやつを頼む。」
「たとえば、きつねうどんとかニシンそばとか中華そばというようなところですか? 」
「中華そばって、ラーメンのこと? 」
「ラーメンとは麺が違います。焼きそばの麺みたいなのを野菜たっぷりの出汁で食べます。オーヴにはないもんですか? トダカさん。」
「それが、ソーキそばと同じタイプだよ、娘さん。オーヴのは具材が肉系で、特区のは野菜がメインになってるって感じだな。それなら、胃に優しいから、じじいにもいいんじゃないか。」
「おまえが、私たちをじじいと呼ぶな。同じじじいのくせに。」
「その中華そばっていうのをリクエストさせてくれ、ニールくん。味見したくなった。」
「了解です。じゃあ、あとは適当に用意しますから日程が決まったら連絡ください。他のリクエストも受け付けますよ。」
「私は野菜たっぷりうどんがいいな。」
「うーん、迷うとこだな。ニールくん、少量ずつ二種類でもいいかい? 」
「ええ、大丈夫です。二種類くらいは作りますんで。じゃあ、うどんと中華そばで。」
 一桁組は庶民的な食事が気に入ったらしく、リクエストも、そういうものになった。それなら、いつも通りだから、ニールのほうも困らない。食事の後で客間で、ゴロゴロして二時過ぎに一桁組は帰って行った。二週間のうち、三度ばかり、ここのでの昼飯を堪能した。



 二週間後の週末に、吉祥富貴のスタッフは別荘にやって来た。予定ではMSの演習場で、ということになっていたが、晴天だったので庭で騎馬戦は執り行うことになった。別にリレーやら高跳びやらの本格的な競技ではないので、トラックがなくてもいいからだ。いくつかテントとタープを張り、デッキチェアやら椅子やらが配置され、飲み物や軽食も準備されている。
「これ、なんに使うの? 」
「これは、これを転がしてゴールするんだ。あっちは、あのカゴに玉を入れる。数の多いほうが勝ち。あとは、お楽しみに。」
「ふーん、特区には、おもしろい遊びがあるんだね。」
 競技に必要なものはレンタルしてきた。それをリジェネがキラに説明してもらっている。一桁組が来るのは午後近くなので、とりあえず遊んでみようか、と、年少組は玉入れを庭に、ふたつ用意した。やったことがないのが多いので、とりあえず説明だ。
「こっちは赤い玉、あっちは白い玉をカゴに多く入れたほうが勝ち。時間は三分くらい。八戒さん、スタートやって。」
「はいはい。じゃあ、はじめますよ? よーい、スタートッッ。」
 カゴは三メーター上空なので、投げ入れることになる。単なる遊びなのでアイシャやマリューも参加している。スタートと共に、悟空が、いくつかの玉を持って走ってジャンプしてカゴに届きそうなところからインしている。
「あ、ごくー、それは反則っっ。地面からだよ。」
「そーなのか。わかった。たくさん投げるのは、いいのか? キラ。」
「それはオッケー。」
 なんせ、ナチュラルじゃない生き物が、たくさんいるのでルールを決めないと、とんでもない方法でやりやがるから、お試しをしてみることになっている。リジェネも玉入れに参加しているが、なかなかカゴにいれられなくて焦れてきた。
「ムキーーーーっっっ、入らないっっ。」
「リジェネ、こういうのは練習するしかねぇーんだ。そーじゃなくて、下から投げろ。こうだ。」
 シンは経験者なので、リジェネに投げ方を伝授する。イノベイドといえ、日頃からニートなリジェネでは、こういうことは不得手だ。三分は、あっという間で、意外とカゴには入らなかった。カゴを下ろして玉を数えつつ外へ出す。
「ひとーつ、ふたーつ、みっつー・・・・・あれ? いつつーで終わりだ。」
「こっちは、むっつー、ななつー、で、終わり。」
「白組の勝利です。」
 わーい、と、悟空とマリュー、アイシャが万歳だ。負けた赤組のリジェネはタープへ走って来てデッキチアで鑑賞していたニールに抱き着く。負けたのは悔しいらしい。うーうーと唸ってニールの胸に、頭をゴリゴリさせている。
「悔しかったのか? 」
「・・・うん・・・・」
「練習だからな。本番は、もっとできるようになるさ。」
「・・うん・・・・」
「次の練習するみたいだぞ? あれは転がすのかな? さあ、練習行こうか? 」
 ひっつき虫になってしまったので、ニールも一緒に参加することにした。二メーターはあろうかという
紙の玉を転がす大玉転がしというもので、骨組みは竹でできているので軽いが、でかいので転がして思う方向に向かわせるのは、ちと難しい。悟空が蹴れば簡単と、キックしたら穴が開いた。
「ごくーっっ、蹴ってもいいけど破壊しちゃダメ。」
「んなこと言ったって。こんなにちゃっちいもんだと思わなかったんだ。」
「転がしてポールを回って一番に戻ってきたら勝ちだから、試しにやってみるか。交代でな。」
 大玉は二個なので、試しに適当に各自が転がしてみることになった。ゴロゴロと転がして走るのは、大玉をコントロールしなければならない。リジェネとニールは、ふたりしてゴロゴロと転がしてみる。そこへレイも駆け寄ってくる。
「ママ、大丈夫ですか? 」
「ああ、歩くくらいならな。・・・・ポールって、結構あるなあ。」
「お試しですから、そこいらまでにしましょう。俺も手伝います。」
作品名:こらぼでほすと 秋刀魚6 作家名:篠義