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Lovin’you after CCA11

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ずっと自分を支えてくれたアルには幸せになって貰いたい。そのアルと信頼するナナイが一緒に幸せになってくれるのだ。
アムロは瞳に少し涙を浮かべながらナナイの手を握る。
「大好きな二人には幸せになってもらいたい」
「アムロ大尉…」
ナナイは少し思案してアムロの手を握り返す。
「アルフレッドと…私などが一緒になってもいいのでしょうか?彼は貴女にとっても大切な人でしょう?」
確かに、ずっと自分を想い、大切にしてくれた人が離れてしまうのは少し寂しい。けれど、そんな彼だからこそ、本当に幸せになって欲しい。
「何言ってるの、アルがナナイ大尉を選んだんだよ?あなた達には本当に幸せになって欲しい」
「アムロ大尉…ありがとうございます」
そんな二人をファは微笑みながら優しく見守る。
「ファもカミーユとはどうなの?」
「え?私ですか?私たちは相変わらずです。なんだか一緒にいるのが当たり前な感じで…」
「既に熟年夫婦の発言だね。でもちゃんとした形が欲しくない?」
「ケジメはつけるべきでは?」
アムロとナナイに詰め寄られてファが後ずさる。
「二人とも怖いです!そりゃ私だってちゃんとした関係になりたいとは思っています。でもこういうのってやっぱり向こうから言って欲しいじゃないですか」
「だよね…」
「ですね…」
三人が同時にカミーユを探す。
しかし、フロアの何処にもカミーユが見当たらない。
「あれ?カミーユはどこ行った?」
「さっきまではライラ様のところに居ましたが…いませんね」
「もー!私達の事はいいですから!ほら、双子ちゃん達が暴れ出してますよ!」
見ると、ツリーの横で双子がオーナメント巡って喧嘩を始めていた。
「ああ!こらっルーク!アッシュ!」
ジュドーとルーが少し側を離れた間に喧嘩を始めたのだ。
何だかんだで盛り上がったパーティは、皆の笑顔で溢れ、最高のイブとなった。


その夜、アムロとシャアはシャワーを浴びて一息ついていた。
「ふふ、なんだか今日はバタバタだったけど楽しかったね」
シャンパンを片手にアムロがクスクス思い出し笑いをする。
「そうだな。さて、そろそろ子供達は眠ったかな?」
シャアの問いに、アムロが双子達へと意識を向ける。
「うん。二人とも眠ってる」
「そうか、カイルとライラは?」
「カイルはまだ起きてるかな。まぁあの子には明日直接あげればいいんじゃない?」
「ふふふ、そうだな」
「それじゃ、そろそろサンタさん出動かな?」
「ああ、行こか」
二人はプレゼントの袋を抱えて、そっと子供部屋の扉を開ける。
双子が眠る枕元にそっとプレゼントを置くと、その寝顔を見つめる。
「幸せそうな寝顔だな」
「そうだね」
「この子達が戦場に立つような事が無いように…この幸せなが永遠に続くように頑張らねばな」
「うん。一緒に頑張ろう」
アムロがそっとシャアの頬にキスをする。
それに応えるようにシャアもキスを贈り、極上の笑みを浮かべる。
次にライラの部屋へと行くと、ぐっすりと眠るライラの枕元にもプレゼントを置く。
アムロは一緒にプレゼントを買いに行った時の事を思い出し、そっとライラの頭を撫ぜる。
「アムロ、ライラが起きてしまうよ。部屋に戻ろう」
「…うん」

部屋に戻ると、様子のおかしいアムロをシャアがそっと抱きしめる。
「どうした?」
優しく問うシャアにアムロがギュッと抱きつく。
「双子の妊娠の時、私が危なかった事で、ライラが自分を責めているみたいなんだ」
「ライラが…」
「うん、ライラからお願いされたのはきっかけではあったけれど、私が望んであの子達を授かったんだ。ライラが自分を責める事は無いのに…」
「そうだな…。あの時…君が検査入院した日、ライラが夜に私の所にやって来てな…泣いて謝るんだ。自分がわがままを言ったから私たちが喧嘩をしたのだと…」
「ライラが?」
「ああ、幼いながらに我々の喧嘩の理由が君の妊娠だと知って私に謝りに来たのだ」
「ライラ…」
「あの子は何も悪くないのに…自分を責めてしまって…。そして、君が命懸けの出産になると知って…更に小さな心を痛めた事だろう…」
「そうだったんだ…」
「カイルもそんなライラを一生懸命支えていた」
カイルとライラには、シャアとの決戦の時にも心配をかけてしまった。
あの時は…シャアと刺し違えてでもと覚悟を決めていた。
きっと、カイルには私の想いが伝わっていただろう…。
「…私は…酷い母親だね。子供達に心配ばかりかけて…」
「君のせいではない、全ては私のせいだ」
「シャア…違うよ、私が弱かったから…」
アムロが涙を流しながらシャアに縋り付く。

「二人とも、自分を責めないで。僕たちは大丈夫だから、ライラもそんなに弱くないよ」
声の方を振り向くと、扉に前にカイルが立っていた。
「カイル…」
カイルはアムロの元に歩み寄ると、そっとアムロの手を握る。
「お母さんは一生懸命僕たちを育ててくれた。そして、いっぱい愛してくれた。あの時の事は辛かったけど、今はみんな幸せだから大丈夫だよ」
「カイル…」
アムロの瞳から涙が零れる。
「僕、大きくなったでしょ?これからは僕がお父さんと一緒にお母さんやライラ、双子達を守るから、お母さんは自分を責めないで」
優しく微笑むカイルをアムロが抱き締める。
自分よりも大きくなったカイルに、抱き締めるというより抱き締められる。
「ふふふ、本当に大きくなったね」
そんなカイルの頭をシャアが撫ぜる。
「よろしく頼むぞ」
「はい!」
「あ、そうだ。僕からお父さんにクリスマスプレゼントです」
カイルはポケットからリボンを取り出すと、そのリボンをアムロの手首に結ぶ。
「はい、どうぞ」
「へ?」
「仕方ないからお母さんをあげます。」
「仕方ないから?」
「お母さんをいっぱい泣かせたお父さんにはちょっと怒ってます。でも、お母さんがお父さんを大好きだから許します」
「…カイル!」
「ありがとう。喜んで戴こう」
「シャア!」
「ははは、じゃあね!お休みなさい」
「ああ、おやすみ」
「カイル!」
パタンと閉まる扉をアムロが顔を真っ赤にして見つめる。
と、リボンのついた手をシャアがそっと掴んでその手の甲にキスをする。
「最高のクリスマスプレゼントだ」
「シャア!」
シャアは優しくアムロを見つめると、右手をアムロの頬に添える。
「いい子達に育ててくれてありがとう。アルフレッドにも感謝せねばな」
「シャア…」
「これからも、私を傍で支えてくれ…。愛してる、アムロ」
「私も愛してる…、ずっと傍にいるから離さないで」
「離す訳がない!」
シャアはギュッとアムロを抱き締めると、アムロの唇に己のものを重ねる。
一年戦争で敵として出逢い、七年後、眩い夕陽の中で再会した。そして、別れ…また敵として相対した。
数奇な運命を経て、愛を確かめ合い、今この腕の中にいる。
この奇跡を聖なる夜に感謝したい。
星に瞬く宇宙の下、二人はその奇跡に感謝しながら愛を確かめ合った。



end


【おまけ】

カイルが扉を閉めると、そこにはライラが立っていた。
カイルが驚き、名前を呼ぼうとするのを、「しぃ」っと人差し指を立ててライラが止める。
作品名:Lovin’you after CCA11 作家名:koyuho