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Lovin’you after CCA12

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「ライル艦長…いや、カイルと…ノア夫人か?良いタイミングだ」
《シャア!やっぱり貴方知ってたな!後で覚えとけ!とりあえずそっちの艦は任せる!私は後方の艦を叩く!》
アムロはシャアに叫ぶと、二隻ある戦艦の後方の一隻に向かってνガンダムのバーニアを吹かす。
《アムロ!無茶をするな!》
シャアの言葉を無視して、アムロは戦艦からの集中砲火を避けながら砲台を次々と攻撃し、破壊していく。
その鮮やかな動きにカミーユが感嘆の声を上げる。
「ヒュー!流石ですね」
《感心している場合か!カミーユ、アムロの援護に向かえ!》
「了~解!」
カミーユもアムロに続いて敵艦の砲台を攻撃する。そして、シャアの元にはギュネイが応援に駆けつけた。
《大佐、自分もフォローに入ります!》
《…ああ、行くぞ!》
止めても無駄だと分かっていたが、無謀とも思える特攻を仕掛けるアムロに溜め息が漏れる。
しかし、アムロが墜とされる事はないという確信もある。シャアは気持ちを切り替えると、自身も目の前の敵艦へと攻撃を仕掛けた。

「艦長!本艦前方よりモビルスーツ接近!」
サラミスの艦橋では突然の襲撃に慌てふためいていた。
「何故バレた!?ミノフスキー粒子は充分放出していた筈だ!」
「前方レウルーラからも砲撃が!」
「何!?全砲スウィート・ウォーター及びレウルーラに向かって攻撃開始!!モビルスーツ隊も出撃しろ!」
しかし、その砲弾はレウルーラによって全て撃ち落とされていく。
そして、突如現れたモビルスーツによって砲台も次々と破壊されてしまう。
「なんて事だ!?何故レウルーラはこちらの攻撃に気付いた!?」
「艦長!!敵モビルスーツはνガンダムです!パイロットはアムロ・レイ!もう一機、新型のモビルスーツも接近!おそらくZガンダム!」
オペレーターの報告に艦長が固まる。
「アムロ…・レイ…、白い悪魔か!…モビルスーツ隊!ガンダムを墜とせ!白い悪魔と言えども相手はたった二機だ!」
しかし、十数機のモビルスーツ隊がνガンダムとZガンダムに向かって行くが、反撃も虚しく次々と撃墜されていく。
そして、あっという間に砲台も全て破壊されてしまった。
「たった二機のモビルスーツにここまで!?」
「艦長!前方味方戦艦もモビルスーツの攻撃にあっています!機体は…ヤクト・ドーガと…サザビー!総帥機です!!」
「何!?総帥自ら出撃だと!?馬鹿な!」
「砲台全滅!エンジン損傷!!航行不能!」
「なに!?生け捕りにでもする気か?」
「囮の艦隊もほぼ全滅!!艦長!レウルーラより通信が入っています!」
そのあまりにも早い戦況に、艦長はドカリとシートに座ると、大きく息を吐いてオペレーターに回線を繋ぐよう指示を出す。
《こちらレウルーラ艦長ライルだ、貴艦の投降を求める!》
「投降だと!?」
すると、サザビーからも通信が入る。
《私はネオ・ジオン総帥 シャア・アズナブルだ。無駄な犠牲を払いたくはない。直ちに投降に応じたまえ》
モニターに映し出された映像により、シャア・アズナブル本人だと確認する。
「総帥自ら通信してくるとは…」
艦橋のクルー達の視線を受け、艦長がぐっと拳を握り締める。
「作戦は失敗だ。…本艦は投降に応じる」
その言葉にクルー達から安堵の声が漏れる。
「艦長…」
その艦長の決断を副艦長がそっと頷き受け入れる。
「ここで皆を無駄死にさせる訳にはいかない。ネオ・ジオンの戦力を甘く見過ぎていた。こんなにも早く全滅とは…。それに…ネオ・ジオンは我々が思っていたよりも人道的組織なのかもしれない」
おそらく、たった二機とはいえ、この艦を沈める事が出来たであろうに、それをせずに攻撃力と推力のみを奪った。
過去に一年戦争でガンダムが戦艦を沈めるのを何度か見た。
その時も、たった一機で戦艦へと特攻を仕掛け、対空砲火やモビルスーツの攻撃を全てかわして沈めていた。
ガンダムには…アムロ・レイにはそれだけの力がある。それどころか、戦力を奪うだけという、更に難しいであろう事を成し遂げたのだ。
そして、それは味方の艦を攻撃していたシャア・アズナブルも同様だった。
「我々は…とんでもない相手に…戦いを挑んでしまったのかもしれない…」
その言葉に、艦橋のクルー達が一斉に息を飲んだ。


レウルーラでは、ライル艦長が敵艦の投降受け入れの返答に安堵の息を漏らすと、チラリと横に立つミライとカイルを見つめる。
『過去にホワイトベースが一年戦争を生き残ったのは、ガンダムとブライト・ノアだけの力ではなく、彼女の存在も大きかったのだろう。そしてカイル、ある程度想定していただろうが、冷静な判断と指示。流石は総帥のご子息と言ったところか…』

ネオ・ジオンとロンド・ベルのモビルスーツ隊が次々と各艦に帰艦していく。そして、全ての機体が帰艦したのを確認して、サザビーとνガンダムがレウルーラに着艦した。
シャアがヘルメットを外し、コックピットから出ようとしたところに、前方から白いノーマルスーツの人物が向かってきた。
「シャア!!」
そしてそのまま襟を鷲掴みされる。
「アムロ」
「貴方!今回の攻撃を事前に察知してただろう!?なんで私に知らせなかった!」
責められているにも関わらず、怒りの色を見せる燃えるような琥珀色の瞳に目を奪われる。
「不確かな情報を与えてパイロット達を動揺させるべきではないと判断した。しかし、レズン少尉とブライト艦長には知らせてあった」
「何故私に知らせない!?」
「言っただろう?不確かな情報で動揺させたくなかった」
「その貴方の行動の方が余計不安にさせるって何故気付かない!?それに私は隊長だ、パイロット達を守る義務がある!第一そのくらいで動揺したりしない!貴方、私を見くびっているのか!?」
シャアの襟を掴む腕に力がこもる。
「…何事も無く、無事に終われば良いと思っていた。君をこれ以上戦いに巻き込みたくなかった」
「そんな事!モビルスーツ隊の隊長になった時から覚悟している!それに言っただろう?貴方と一緒に戦うって!貴方を支えるって!」
アムロの瞳に涙が溢れる。
「アムロ…」
そのアムロを抱きしめようとした瞬間、アムロの拳がシャアの腹部を襲う。
「うっ」
油断していたシャアはその容赦のない一撃をモロに食らってしまう。
「まだ式典があるからね。顔には痕を付けないであげるよ!」
痛みにもがくシャアをアムロは一瞥すると、その胸を突き飛ばしてそのまま跳び去ってしまった。
「参ったな…」
そう呟く総帥を、メカニックチーフが気の毒そうに見つめる。
「総帥の気持ちも分からんでもないが、アムロ大尉も不安だったんだろうしな…」

その後、アムロはパイロット達の無事を確かめ、労いの言葉を掛けると早々にロッカールームへと移動する。
ロッカールームに入ると、怒りをぶつけるように拳を壁に叩きつけた。
「クソっ!シャアの馬鹿野郎!」
そんなアムロをレズンが溜め息混じりに見つめる。
「気持ちは分かるけど、大佐もあんたを想っての事だったんだからさ。許してやんなよ」
「分かってるよ!でも!私は守られるよりも守りたい!一緒に戦いたいんだ!」
ただ、守られる事を良しとしないアムロに、レズンがクスリと笑う。
作品名:Lovin’you after CCA12 作家名:koyuho