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でもあいつは一応、元は騎士修道会なんて宗教色の濃いやつだ。国になってからも、標語は『神は我らと共に』ときてるし、なんかの加護があったりする……んじゃないかなぁ。

なんとなく不安は拭えないが、賽は投げてしまい、赤い目の騎士は飛び出していった。今は連絡待ちをするしかない。
　再びソファに座りこんだ俺は携帯を置き、その前でひざを抱える。
ああ、待ってるのがむさ苦しい野郎からの電話だなんて、ありえない。

そうして、ワインの栓は抜かれないまま、パリの夜はふけていく。