14の病
あれ? でも、さっきプロイセンが、門の外でなにか受け取ったような話をしてたような……。
俺が首をかしげると、まるでそれが見えたかのようにフランスが言う。
『ああ、ちょっと到着が遅れてるか、なんらかの理由でそこにいけないんだろ。それで、プロイセンに、お薬的なものをわたして届けさせたみたいだから、必要だったら使ってくれ』
「薬? 君、なにか受け取ったのかい?」
いったん会話をとめて問うと、不機嫌そうに門のところによっかかっていたプロイセンは「これ、フランスがお前に渡せってよ!」とさっきの妙な銃を、頭の横で振って見せた。怒ってた理由はこれか…。まあ、確かに彼よりは俺の方が扱いなれてるからね。おかしなカスタムがしてあるなら尚更、懸命な判断だ。
だけど、更に話を聞いても、受け取ったのはそれだけで他には何ももらってないという。
「銃しか受け取ってないみたいだけど………まさか、麻酔銃でとりあえず眠らせろとか、そういう意味なのかい?」
『………それに近い』
ぽつりとかえってきた言葉に、流石の俺も絶句した。
そんな過激ことをさせようとする医者もそうだけど、そうせざるを得ない患者であるイギリスもどうなんだ。
『酷いんだよ………まあ、お前なら使わなくても大丈夫だろうが、やばそうだったら迷わず使え』
含みのある言い方のフランスは、でも俺が何か言うよりも先に再び口をひらいた。
『で、最後に、これを信じる信じないは、お前の勝手だ』
つーか、信じるようなやつなら、こんなに辻褄あわせに奔走しなくてよかったんだよなぁ…。お兄さん疲れちゃった……とぼやいたフランスは、最後にこう言い放った。
『一応お前んちの方の呼び名でいってやるよ。……ブギーマンに気をつけろ!』
※イギリスの銃云々は、完全なる捏造です。
意外とミーハーな銃の趣味しつつ、めっちゃカスタムとかするといいよね!という妄想。