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機動戦士ガンダムRSD 第24話 罪の在り処

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「サイジョウ元帥のような一部のニュータイプと呼ばれる超人に対抗して薬や何かで肉体を改造強化されひたすら戦闘訓練だけを施されて適応できないまたは、付いていけない者は容赦なく淘汰されていく。
ここで死んでた作業員は、子供を庇っていたがもしかしたら自分たちの作品を守りたかったのかもしれません」
 皆は、少しでも作業員たちに同情した自分を遺憾に感じた。

                           ※

 その日ミサキ中尉1人がアイリス曹長の部屋を訪ねた。
「どうぞ」
 アイリス曹長は、ミサキ中尉を歓迎した。
「ケイト中尉は、どうしたんですか?」
 アイリス曹長は、ケイト中尉が来なかったので不思議に感じた。
「なんでも1ネタ考えてから来るって」
 ミサキ中尉は、答えた直後はっとなった。
「言っちゃダメって言われてたの言っちゃった」
 ミサキ中尉は、涙目になりながら告白した。
「どうしましょう」
 アイリス曹長も困惑した。
「どういうので来るんでしょう」
 アイリス曹長とミサキ中尉は、アイリス曹長の部屋で対策を考えていた。
「難解なものだと困っちゃうね」
 ミサキ中尉は、困り顔で言った。
「一瞬ケイト中尉の中で流行ったシャウト系は、困りましたし」
 2人は、ケイト中尉が突然カレーパンダのドリームだの叫んだ時のことを思い出した。
「ドリームってなんなんですか?
ケイト中尉の夢ってなんなんですか?」
 思わずアイリス曹長がミサキ中尉に聞いた。
「η艦隊で1人も戦死者が出ず戦後も皆で仲良く過ごすことだよ」
 その言葉にアイリス曹長は、少し照れた。
「ずいぶん手堅い夢ですね」
 アイリス曹長は、そういうのにずいぶんなエネルギーを要した。
その時チャイムが鳴った。
「来た」
 ケイト中尉が言った。
 2人は、ドアの前に立った。
「どうぞ」
 アイリス曹長の言葉でドアが開いた。
そして入ってきたケイト中尉は、なぜかシュノーケルを付け泳いでいるジェスチャーをしながら入ってきた。
しかしすぐに出て行ってしまった。
2人は、ものすごく驚いた。

                             ※

 施設から出た皆は、施設調査本部で心身ともに休んでいた。
「ああ。
兎に角今取れるだけのデータは、取っておけ。
後から専門のチームも来るだろうけど。
これだけの施設を連合がこのまま放置しておくとは、考えにくい。
ヘルマン、周辺警戒も厳に」
 マーカー艦長が部下に指示を出していた。
ミハイル副長は、運び出された死体を見てあの死臭を思い出し吐き気を催しその場を走り去った。
サオトメは、その姿を見て情けなく思った。
「ほんとにもう信じられませんよ。
ニュータイプは、自然に逆らった間違った存在とか言っておきながら自分たちはこれですか?」
 その時隣にいたホーク中尉が怒りを込めた口調で言った。
「ホーク」
 サオトメは、ホーク中尉をなだめようとした。
「相手を理解しようとするのは、間違っててこれはありなんですか?
いいんですか?
一体何をしたいんですかか、コーディネイターは?」
 ホーク中尉は、両手で机をたたきながら訴えた。
「そうだな」
 サオトメもそれは、同じだった。

                             ※

 アイリス曹長、ミサキ中尉とケイト中尉はテーブルに冷たい飲み物をテーブルに置き座っていた。
「幾星霜って響きがいいよね」
 ミサキ中尉が突然そんなことを言った。
アイリス曹長は、幾星霜を何度も言って本当に響きがいいか確認した。
(ゴム臭い)
 ケイト中尉は、まだシュノーケルを付けていた。
さすがにゴム臭くなったので外し飲み物を飲んだ。
しかしまた付け気分が下がった。
「なんで?」
 2人が疑問に感じた。
「いや、なんか。
せっかく持ってきたんだからいっぱい使おうと思って」
 しかしケイト中尉は、ゴムのにおいで気持ち悪くなっていた。
「大丈夫?」
 ミサキ中尉がさすがに心配した。
「ちょっと洗面所借りるね。
さっぱりしてくる」
 そういうとケイト中尉は、立ち上がった。
「タオルは、勝手に使っても構いません」
 アイリス曹長が許可を出した。
するとケイト中尉は、シュノーケルを入れた袋を持った。
2人は、怪訝に感じた。
「今度は、背泳ぎで登場するね」
 そういうとケイト中尉は、去っていった。
「こっから全然関係ない話しようぜ」
 すると突然大声でケイト中尉が宣言した。
それには、2人も戸惑った。
するとドア近くに置いてあった本を手に取った。
「この本が気になってた。
面白そうですね」
 ケイト中尉がなおもハイテンションで言った。
「確かに面白かったですよ。
ダイバーが出てくるんです」
 アイリス曹長が話した瞬間ケイト中尉は、両耳を塞ぎドアの前で丸くなった。
その姿にミサキ中尉が笑いアイリス曹長は、情けなく見ていた。
「じゃあダイバーが出てない本を買って帰ろう」
 ケイト中尉が提案した。
「どれか貸しましょうか?」
 アイリス曹長が別の案を提案した。
「選んだやつのほうが身に入るしさ」
 ケイト中尉が丁寧に却下した。
「わかる。
あれだよね、あれ」
 ミサキ中尉が必死に訴えた。
「あれな」
「そう、あれあれ」
「わかる、わかる」
 3人とも言葉は、出ずとも気持ちは通じ合った。
(なんだっけ?)
 アイリス曹長が1人思い出そうとしていた。
 ケイト中尉は、ミサキ中尉と別れて本屋に入った。
そこには、遊撃艦隊のパイロットも本を探していた。
パイロットは、ケイト中尉に気づいた。
(あれ?
ケイト中尉だ)
 パイロットは、思わず本棚に隠れてしまった。
(なんで隠れちゃったんだろう。
これじゃあストーカーじゃん)
 パイロットは、心の中で後悔した。
ケイト中尉は、一冊の本をとった。
(あの本は、私の好きな作者の新刊だ。
ずいぶん真剣だ。
本とかやっぱり好きなのかな?
趣味も合うのかな?
ショックのようなうれしいような)
 パイロットは、そこでとんでもないことを考えているのに気づいた。
(ショックとかひどい。
私すごくひどい)
 パイロットは、あたふたしていた。
すでにケイト中尉は、気づいていたが声をかけていいかわからなかった。
(どうしよう。
話しかけていいのかな?
マジ逃げされたらいやだな)
 ケイト中尉は、何もできなかった。

 ミサキ中尉とアイリス曹長は、アイリス曹長の部屋で地球駐留軍所属のミサキ中尉の従姉妹の写真を見ていた。
「ほらこれ、従姉妹から」
 場所は、コパカバーナ海岸だった。
「南国だ。
うらやましいですね」
 アイリス曹長がうらやましがった。
しかし写真をよく見ると従姉妹がかぶっている帽子に謎の昆虫がついていた。
「なんか特有のやつかな?」
 アイリス曹長は、固有種かなと考えた。
「たぶん」
 ミサキ中尉も否定しなかった。
「生きてるよな?」
 ミサキ中尉は、その固有種が毒性生物ではないことを願った。
しかし翌日に撮られた写真には、元気な従姉妹が写っていたため安心した。
「オーストラリアでも感じたんですけど海がきれいですね」