あの日の夏は海の底 後編
するな」
「気持ち?」
カラ松を止めようとするポセイドンが、説明
した。
勿論、二人の秘密としているところを漏らさ
ないように、気をつけた上でだった。
「それは、一松の大切な気持ちだ!
訳あって俺が預かっているんだ」
「なぜお前が預かっているんだ?!」
「それは、俺が神様でナイスガイだからじゃ
ないか?ん〜ビンゴ?」
緊張感のないポセイドンに、僕の恐怖が少し
和らいだが、今のカラ松は何を言っても聞く
耳をもってくれない。
「なぜ俺じゃダメなんだ?」
悲しそうな顔で言い、僕から瓶を奪い取っ
た。
「こんな綺麗な一松の気持ちを閉じ込めとく
のは、勿体無いじゃないか…」
「や、やめろ…!!!」
「おい!やめるんだカラ松!クールになるん
だ」
僕とポセイドンの言葉は届かず、カラ松は瓶
の蓋を開けてしまった。
作品名:あの日の夏は海の底 後編 作家名:ぎったん