はじまりのあの日10 歓迎会と思い出
「サンキュッ、アル。ほらみんな~食べようぜ~」
「色んなモノ、少しづつ持って行くっす」
素直にお礼、リリ姉。勇馬兄、お皿に様々盛って持ってくる。みんなで味わう至高の料理
「神威のに~さん、お口開けて~」
松皮造りに塩、わさび、小ネギを盛って差し出すIA姉。自然体で召し上がる紫様。鯛を味わい、お酒を流し込む
「ん~ん。やっぱコレだな。ありがとうIA、ピコMiki。リンも、お手伝いありがとう」
嬉しそうに微笑む紫様。表情がまぶしい
「は~い、リンちゃんもあ~ん」
「ありがとう~、IA姉」
わたしにも、お刺身を食べさせてくれる。適量のワサビ、塩が、身の締まった鯛を引き立てる。美味しい
「う~にゅ、おいし~。鯛の皮って美味しいんだね、に~さん」
自分でも食べて、美味しい笑顔のIA姉
「初めてか、食べたの。魚の皮、美味しいよなぁ。栄養も豊富じゃない。鮭なんか、皮の方が大事なくらい。ま、好き嫌い分かれるけど」
「そ~なんだ~神威のに~さん。あ、ユキちゃんもど~ぞ~、あ~ん」
紫様と会話し、ユキちゃんにも食べさせてあげるIA姉。ワサビは無しで
「ふぁ~。ふぉんふぉは~(本当だ~)おいしい。ありがとう、IAちゃん。ゆきも、はじめてしりました、ぽ父さん」
楽しく食べながら、調理を続けてくれるアニキ様達。わたしも、野菜を焼いていく
「お野菜、食べたい人はも~良いよ~。そのままでも美味しいけど、塩、タレ。どっちも、相性バツグンだよ~」
「上手に焼くじゃない、リン。唐辛子は、どえらく辛いから気を付けろ。子供達が食べないよう、どかして置こうじゃない」
褒めてくれる、隣の彼。とてもうれしい
「頂くわ、リン。この唐辛子、空豆もお酒にばっちりよね」
「おれも貰うっす。玉ねぎ、パプリカ。ト~モロコシもウマそ~」
つまみ上げてゆく、めー姉。その場で、トウモロコシにかぶりつく、勇馬兄。タレで口の周りが汚れる
「ゆ~ま君、汚れてるよ~」
「ふ、ググ、グミさん。あ、あざっす」
微笑んで、紙ナプキンで拭ってあげる。赤面する勇馬兄。それこそ唐辛子カラー
「あはは、あっちも姉弟に見えるね、め~ちゃん」
「勇馬の童顔も相まってね。アタシには、親戚の弟を世話する、姉にに見えるわ~」
隣の姉弟、めー姉、カイ兄が笑い合う。香ばしく、肉の焼ける音。やがて湯気と共に、立ち昇る良い香り。隣の鉄板からも漂ってくる、堪らなく良いにおい
「ステーキソースで食べたい人は、こっち~。第一弾、焼けたよ。赤いの滴っちゃう、レア状態で食べたい人、もう良いよ~」
「うっしゃ~、待ってたぜカイト~」
肉を鉄板から奪い取り、食らいつくテト姉。切り分けさえしないで、噛みちぎる。赤ワインで流して、上機嫌
「こっちも良いんじゃな~い。リリ、焼けたぞ~パイン添え」
「サンキュ~おにぃ、野菜も頂くぜ、リ~ン」
取り皿に取り、こちらは一口サイズに切る。すると
「いろは、良かったら食べねぇ、オリバーも。胡椒、ピリっとすっから気を付けろよ」
「ありがとう、リリちゃん。いただきま~す」
「リリタン、ボクモタベタヒデフ~」
子供達を気遣う。二人の前にかがみ、フォークで口に運んであげる
「アラアラ、しっかりお姉ちゃんしてるわね、リリィ。感心だわぁ。まったく、テトのアネキとは正反対」
呆れるめー姉。今度は、カイ兄にお酌をする。同じ発泡清酒を、自分のコップに注ぐ
「ありがとめ~ちゃん。あ、コンロのカレーと、ビーフシチュー。温め直して貰えるかな。シチューも、おつまみになるよ~」
「リンが、ゆで玉子作ってくれたからさ。カレーのアタマ(カレー汁)On the玉子も、つまみに良いんじゃない、メイコ。ご飯食べたいヤツは、もう蒸らしも終わってるんじゃない」
「嬉しいわ~カイト、温めちゃうわよ。神威君、リンもありがとう」
喜び勇んで、温めに行くめー姉。ひとしきり焼き終わって、テーブルに戻ったのは四時過ぎ。リラックスで談笑。ご飯を食べる面々は、器が小さい。ほぼ、一口サイズ。色々なものを、少しずつ食べられるようにという配慮。Mikiちゃんが握ってくれたお寿司は、大好評。すでに全品、メンバーの胃袋に消えている
作品名:はじまりのあの日10 歓迎会と思い出 作家名:代打の代打