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代打の代打
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はじまりのあの日10 歓迎会と思い出

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「今日は、このあとさ。小一時間したら、一回閉めちゃわない。そのあと片付けして、風呂入った後二次会。スイーツ食べたい人もいるじゃない。飲み足りないヤツは、残りで飲めるし」

紫様の提案。素晴らしい妙案とばかりに

「神威君の案に賛成するわ。建物の中なら、安心して飲めるもの。寝落ちオッケ~」
「寝落ちはどうかと思うけど、オレも殿に賛同するよ。シャワーも浴びたい」

ひたすら楽しそうなめー姉。困り顔、カイ兄。でも、声は楽しさが混じっている。古参組が賛成をはじめると

「ウチもおにぃにノッタ~。スイーツ食べようぜ、センセ」
「よろしいですね、リリィさん。片付けは、わたし達でいたします、神威さん」

先生、今はまだ、ワインタイム。リリ姉と、ビーフシチューをアテに。リリ姉の飲み物は、紫の彼が漬け込んだ蜂蜜レモン水

「あ、そっか。和パフェ、無いなって思ってたけどがく兄」
「そ、冷蔵庫で冷やしてる、レン。どうせ、二次会するじゃない。冷たい方が美味しいよ~」
「キムチラーメンも、ちゃんと作ってあるからね、いろはちゃん」
「やたっ。ありがと~カイトさ~ん」

嬉しそうな二人。天使様は四人、一緒に座る。近くでは、キヨテル先生とリリ姉が面倒を見ている。レンは、ミク姉、ルカ姉と同じ席で楽しんでいる。小一時間なんて言ったけど、三十分後には撤収開始。今の今まで宴会していたのに、二次会モードへ移行する面々。夕暮れの中、焼き台の火の始末を、徹底的にする。コンロは、ガスを外す。テーブルは明日片付ければ良い

「拙者と、キヨテル殿で、食器は洗っておくデゴザルヨ。特に拙者ハ、調理で、戦力に成れぬユエ」
「マンションのキッチンお借りしますね。その間に、入浴を済ませてください。残り物の片付けもいたしますので」

申し出てくれる、アル兄と先生。洗い物を引き受けてくれるのも感謝だ

「あ、自分も手伝うす。ダンナ、テルサン」
「ぼくもです~。あまり、お料理手伝えなかったので~」

女子力の高い男子、勇馬兄、ピコ君も続く。早速、食器をトレイに載せる。余ったものを運ぼうとする

「ありがとう。それじゃあ、お任せしようかな。手早くシャワーだけ浴びちゃおう。お酒入ってるから、ホントは良くないけど。やっぱり汗は流したいよね」
「おし、別れようじゃない。俺の家、風呂広いから。女性陣一同で入って良いんじゃない。ヤロウはシェアハウス、借りようじゃない。皿終わったら、テル達もシャワーな」

それぞれ立ち上がる。彼の提案に応じる。それぞれの家へ戻って、お風呂セットを用意する。お皿を洗ってくれるメンバーに、やや、後ろめたさを感じつつ、神威家へ

「そういえばアタシ、初めてだわ。神威家のお風呂。見学させて貰ったことはあったけど」
「あ、別の家のお風呂ってなかったね~、今まで。ヒノキ風呂って言ったよね~」

マンションのエントランスで、めー姉、ミク姉の会話。実際、それぞれ家があるため、他のお宅に宿泊することはあまりない。どこでも徒歩三十秒『実家』があるから

「うふふ。わたし、入ったことがあるよ~、めー姉。温泉みたいな気分になっちゃう。すっごく気持ちいいんだよ~」
「マジかよリン。うわ~すっげぇ羨ましいんだけど。シェアハウスは、家(マンション)と、あんまり変わんないじゃん」

ふたたび庭へ出る

「あら、ではレンくん、ご一緒しますか」
「入っちゃおうよ~、久々に~」

凄まじいスピードで、シェアハウスへ逃げていくレン。さすがに、この歳で姉二人とは恥ずかしいのだろう

「今、レンが脱兎の勢いで逃げたけど、何かあったんじゃな~い」

笑いながら、近づいてくる紫様。手には、木製の風呂桶

「姉二人に、手玉に取られたトコロ~。あ、リュウト君も一緒だね、殿。オリバーくんは、ハウスにいるのかな」
「そういえば神威君、リンが神威家のお風呂に入った事あったって言ってたのよ。それって、何時のこと~」

興味が湧いた様子のめー姉が尋ねる。とたん、顔中に変な笑みを浮かべてテト姉

「そうだっ、かむい。おまえまさか風呂につれこぎいゃあっ」
「あら、ごめんあそばせ。お酒のせいですわ、躓いてしまいました」

ルカ姉、パンプスサンダルのヒールで、テト姉の足を踏みつける。抗議声を上げるも

「下劣なお話は聞きたくありませんの。もう一度躓きましょうか」

凄むルカ姉。本当に下品な冗談を聞きたくなかったのだろうな。完全に、目が据わっていた。反撃不能のテト姉。さすが、めー姉の妹だ。と、言うならわたしやミク姉もなんだけれど

「ふぁっははっ。やるじゃない、ルカ」
「お褒めに預かり光栄ですわ、神威さん」

紫様とハイタッチ。メジャーリーガーのように打ち合わせる

「ま、重音、お前が何思ったて構わない。ありえない、お前が思うようなことは。で、風呂の話しなんだけどさ。前にさ、ゲリラ豪雨降って、バス止まった事があったじゃない」

あの日の出来事を、話し始める彼

「あったね、めーちゃん。オレ達が買い物行ってた帰りだった」
「帰ったら、神威君とリンが、晩ご飯用意してくれてたわね」

そう、わたしが、雨に打たれたあの日。神威家のお風呂に初めて浸かったあの時。みんなでうどんの宴をしたあの夜

「リンが一人、濡れ鼠で帰って来たじゃない。良かったよ、俺、家にいて。風邪引いたら大変だから、お招きして、風呂にも入ってもらった。それが事の真相~」
「一人だけ、外れクジ引いたって思ってた~。でもね、お風呂入らせて貰って、おやつまで用意してくれて。逆に当たりくじだったよ。あの日ね、お願いして、初めて包丁握らせて貰ったんだ~」

彼に『決断』を迫った事を話し始める、得意気に

「初めのうちは、俺かカイトと一緒の時だけってな。今は、本当に上達したじゃない、包丁さばき」
「ああ、それでこの構図ができたんだ~。リンちゃんが、がくさんと包丁姿~。これ、いつ見ても萌えるんだよね~」
「ミクちゃ~ん、萌えるって何が~」

スマートフォンの操作を始めるミク姉。丁度やってきたIA姉、会話に参加を始める

「あ、IAさ~ん、見て~これ~」

画面を見せるミク姉。写っているのは、わたしと彼。わたしの後ろに立って、手を重ね、調理している姿。彼に包まれている格好だ

「ゎ~あ、萌え萌え~。リンちゃん護ってるかんじで~」
「神威のアニキとリンちゃん。昔っから仲良しなんだね~」
「というか、ミク。お前、いつの間に撮った」

IA姉は頬を染めて萌え出す。一緒にやって来たMikiちゃんは感動。呆れ笑いの彼

「困ったクセが付いたわね~ミク。まぁ、悪い写真ばかりじゃないのが救いだわ」

めー姉も笑い方が複雑だ

「まあ、ちょっと前は休日ごとに、この構図だったもんね。撮るチャンスは幾らでもあったよ、殿。ただ、オレもこれ初見」
「お~い、風呂整ってるぞ~。って、みんな何してん」

呼びに来てくれたリリ姉、不思議そう

「ん~リリね~さん、アニキとリンちゃんのこと。昔っから仲良しだったんだねって」
「これ覚えてるでしょ~、リリ姉~」
「ああ、最近見なくなったなコレ。ウチも結構好きだったな~。てか、ま~たミクの仕業かよ」