二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」
代打の代打
代打の代打
novelistID. 63523
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

はじまりのあの日10 歓迎会と思い出

INDEX|9ページ/11ページ|

次のページ前のページ
 

「ええ、覚えてますわ、神威さん。あんな大げんかは、最初で最後でしたもの。その時も大泣きしながら『がっく~ん』って。避難場所みたいに乗りましたわ。神威さんのお膝に」

ルカ姉、酔いが回り始めているのか、まつげが濡れている。恥ずかしい思い出を語られているのに、心の中は暖かい

「それ程のオオゲンカをされたコトが、あるでゴザッタカ~」
「ウチらも知らないってことは、ホント最初の頃なんだ。ウチら神威の妹も、割合古参メンバーなのにさ」

唐辛子入りのスモークチーズ、スパークリングワインと楽しむアル兄。チョコトリュフを、先生が煎れてくれたハニーティーと合わせるリリ姉。二人共通で浮かぶ表情は『意外』というもの

「うん、リリ姉達が来る、ほんの一月前くらいのこと~。兄妹げんか、茶飯事だったもんね~、リンちゃんとレンくん。でも、あの時は困ったよ~」
「はは、でもミク。ほとんどは、じゃれてるようなもんだったじゃない。あれは、コミュニケーションの一環だろう。だけど、あの日はヤバかった」

お互いを罵倒し、取っ組み合い寸前までいって、姉兄、紫の彼に止められた。あの日、わたしと片割れの間に割り入った紫の彼が言う。わたしはそのまま、彼の胸にしがみつき、膝の上で泣きわめいた。事の顛末が、めー姉、カイ兄によって語られる

「わ~壮絶です~。でも、どうしてそんな大げんかになったんですかぁ。リンちゃん、レンくん。それに『船』と言えばって」

ピコ君がやや竦みながら聞いてくる、ケンカの原因

「ん、あれ、何だったっけ、リン。おれ、覚えてないや」
「あ、レンも忘れてる。実はわたしもなの。何だっけ『船』」

レンまでも、わたしと同じく、ケンカの理由を忘れている。めー姉、少し驚いた顔で

「あらあら、あんな大立ち回り演じたのに覚えてないの~。レンがね、リンお気に入りのヌイグルミにコーヒー零したって言ってたわよ。ゲームセンターの景品、限定の代物」

ケンカの理由を告げるめー姉。苦笑し、お酒を一口。あの日二人とも、泣きわめきながら告げたのだろう、大人達に

「レンくん、一応謝ったんだけどね~。でも『わり~わり~』って笑いながら。ちょっと軽かったかな~」

ミク姉の表情は、困り顔。わたし達に巻き込まれた、ある意味当事者

「それで怒ったリンが、レンのプラモデル壊したらしくてね。腹いせに。今さ、マンションのエントランスに飾ってあるよね『伝説の宇宙戦艦』の大型模型。あれ、レンが作った四隻目なんだけど―」
「「ああ~思い出したぁっ」」