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はじまりのあの日11 メイコとカイトの婚約

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「あ、もしかしてカイ兄ってさ。めー姉追いかけて参加したの、このPROJECT。グミ姉達みたいにさ」

思いついたように聞く、片割れ

「半分当たり。もう半分は、オレも歌うことがスキだから。めーちゃんはね、子供の頃から目指していたんだよ。一流の歌い手に成ることを。夏休みは、二人で歌ったよね」

わたし達が、参加する前の話を聞くのは、初めてではない。でも、ここまで過去の話しを聞いたことはなかった。二人の関係に踏み込んだお話も

「本当に懐かしいわ。そしたらね、カイト言ってくれたの『ならボクも歌い手に成る。ね~ちゃんと同じ、一流の歌い手に』ってね。そしてね、一流の歌い手に成ったその時はって、くれたわね、あの日も」
「あはは、玩具の指輪ね。ごめんね、あんなので。しかもさ、勝手に告白しちゃって『お嫁さんになって』なんて。でも、嬉しかった。しっかり頷いてくれたとき」

さっき、わたしと片割れの記憶を運んで来てくれた『伝説の宇宙戦艦』は、二人の思い出も運んできてくれたようだ『宝船』に『宇宙戦艦』響きは違えど『船』あの日のキーワードは『船』だった。心地よいお惚気話しに、自然とわき起こる、祝福の歓声

「オイオイ、やるじゃないカイト。な~るほどなぁ。俺が来た日に言ってたじゃない『アタシの、オレの』ってさ。そんな子供の頃からなのか。そのペアリングで完璧じゃな~い」
「へっ、チクショウ、幸せ者共め」
「まぁお熱い。コチラまでのぼせてしまいそうですわ~」

豪快な物言いの彼、心の底から賛辞を贈る。声のトーンも弾んでいる。テト姉は、ヤヤつまらなさそうだ。頬を染めるルカ姉の声には、憧れの想いが滲んでいる

「っしゃ、センセッ。二人の婚約祝いにしちゃお~ぜ、この三次会~」
「リリィさんに賛同いたします。お二人を祝福いたしましょう。皆さん、飲み物を」

素敵な提案だとメンバー、今だ膝枕状態の二人の周りに集まる。めー姉にシャンパンを満たしたグラスをわたすルカ姉。カイ兄のテーブルの前、リキュールを置く紫の彼。牛乳瓶のような形。彼の地元限定の、ヨーグルトリキュールだ。スイーツや簡単なお菓子、おつまみを手に大集合

「じゃ~、メイコアネさん」
「カイトさんもですよ~」
「「お幸せに~」」
「「「「「「「「「「お幸せに~」」」」」」」」」」

アホ毛♡のMikiちゃん、ピコ君が発声。全員笑顔。そうだろう、こんなおめでたいこと、やたらにはない