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第三部5(105)1934年ポスキアーヴォⅡ

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「朝…か」

気怠い夢の名残を引きずりながら、カーテン越しの薄明かりに包まれて、ユリウスは朝の仕事に出るためにベッドを出て身支度を始める。

ドレッサーの前で髪を整える。
髪にまだ残る懐かしく優しい手の感触。

鏡に映る自分の頰には涙の跡が薄っすらと残っていたが、驚く程晴れやかな顔をしている自分が鏡越しに穏やかな笑みを浮かべていた。