第三部11(111) Messiah 1
「あ…失礼」
動転して飛び込んだその楽屋で思いがけず熱いシーンを見せられたマルコがきまり悪そうに詫びる。
「いや…いいさ」
バツの悪そうな顔で二人がサッと離れる。
傍のユリウスは恥ずかしさでこれ以上ないほど真っ赤になっている。
「で、どうしたんだよ?一体」
アレクセイがひどく慌てた様子のマルコに問いただす。
「今日のソプラノのソリストが…ビアンカが、インフルエンザで全く声が出ないって…!」
「はあ〜〜〜〜⁉︎」
アレクセイの声が楽屋に響き渡った。
作品名:第三部11(111) Messiah 1 作家名:orangelatte