機動戦士ガンダムRSD 第26話 散る命 残る命
ジャンヌ・ダルクの連装メガ粒子砲がとうとう敵イージス艦の左舷部に命中弾を当てた。
イージス艦は、沈み始めた。
※
タケミカズチでは、戦況の劣勢さが伝えられていた。
「クラミズハ撃沈、クラミスハ前に出ます」
オペレーターが自軍の被害と健在な艦の動きを報告した。
「目標、なおも進路を240にとっています」
ユウナは、いらだっていた。
「ほら、第二戦闘群をもっと前に出して。
どんどん追いこんむんだよ」
ユウナは、思わず命令を出した。
「あの艦隊の火器は、すべて健在です。
今前に出すのは、危険です」
トダカ一佐が冷静に戦況を分析した。
「ムラサメ隊とアストレイ隊は、何してるの?
何で墜とせない?」
ユウナは、モビルスーツ隊がサボってるのではと感じていた。
「実戦は、お得意のゲームとは違います。
そう簡単には、いきませんよ」
ユウナの発言にトダカ一佐が少し大きな声で答えた。
ユウナは、反論できなかった。
※
1機のガイヤス・ギヤがストライクダガーをビームライフルで墜落させた。
機体は、海面にたたきつけられて大破した。
※
サオトメは、ウィンダムに照準を付けた。
サオトメは、ウィンダムの上空を飛ぶとすれ違いざまにウィンダムのランドセル部分をメガビームライフルで破壊した。
ウィンダムは、墜落した。
※
馬場一尉は、目標を変更した。
「マン・マシーンは、地球軍に任せろ。
われらは、母艦を沈めるんだ」
馬場一尉は、部下に命令を出した。
「了解」
12機のムラサメがジャンヌ・ダルクに向かった。
※
それは、リーンホースJr.でも確認できた。
「右舷後方上空より量産型可変モビルスーツ接近。
数12」
ヘルマン中尉が戦慄しながら報告した。
「取り付かせるな。
撃ち落せ」
マーカー艦長が叫ぶように命令した。
「了解」
ハンナ大尉が答えた。
※
12機のムラサメは、おのおの巧みな操縦で三連装対空機銃の雨をすり抜けてリーンホースJr.に接近した。
そして12機のムラサメは、ミノフスキーバリアの内側でドラッヘASM全四十八発を撃ち全弾命中した。
内一機は、離脱に失敗して機銃で撃墜された。
※
その振動は、ブリッジを襲った。
※
攻撃を成功させたムラサメ隊にビームライフルが襲ってきた。
その攻撃で2機のムラサメが撃墜された。
サオトメ駆るガンダムサイガーMk-2が救援に来たのだ。
「ジャンヌ・ダルク、大丈夫ですか?」
サオトメが焦りながら聞いた。
「問題ない」
マーカー艦長が気丈に答えた。
「すみません、離れすぎました」
サオトメは、戦闘に夢中になりすぎていた。
「すまないと思ってるなら少しの間直掩にあたったらどうだ?」
マーカー艦長が遠回しに命令した。
「そういたします」
そこで通信が切れた。
※
ガンダムサイガー改は、カオスガンダムとセイバーガンダムの共闘から逃げていた。
「だから逃げるな」
ガンダムサイガー改は、振り向いて両腰のビーム砲で反撃したものの回避された。
「お前は、俺が」
スティング少尉は、高エネルギービームライフルとピクウス76mm近接防御機関砲を一斉発射したがガンダムサイガー改は雲に隠れて攻撃を回避した。
※
「サイジョウ元帥は?」
マーカー艦長がヘルマン中尉に質問した。
「緑色のガンダムと赤い可変ガンダムと交戦中。
苦戦しています」
マーカー艦長の表情は、険しかった。
※
馬場一尉は、あきらめていなかった。
「直掩機は、たったの一機だ。
突破するぞ」
馬場一尉は、部下を鼓舞した。
「了解」
9機になったムラサメ隊は、再度ジャンヌ・ダルクに攻撃を仕掛けた。
しかしジャンヌ・ダルクに着く前に次々と部下がガンダムサイガーMk-2に撃墜されていった。
そしてとうとう自分もロックオンされた。
馬場一尉は、覚悟した。
その直後後方から別のビームが飛来してガンダムサイガーMk-2を襲った。
しかし命中しなかった。
また違うビームが2機のガイヤス・ギヤを襲った。
しかし2機のガンダムサイガーも回避した。
皆その方向を見た。
「フリーダム?」
馬場一尉は、その機体の名を言った。
「キラ?」
アスラン准将の表情が明るくなった。
※
サオトメは、なおも9機の量産型可変モビルスーツが突っ込んでくるのを見た。
「ほお。
直掩機が1機では、何もできないと見たか。
しかし」
サオトメは、巧みな操縦で次々とメガビームライフルで量産型可変モビルスーツを撃墜していった。
「それは、大きな間違いだよ」
そして残り隊長機だけになった直後上空からビームが飛来してきた。
「またキラか」
上空を見るとキラの羽付きガンダムが飛んでいた。
そしてアーガマもどきは、リーンホースJr.に主砲を撃ったがミノフスキーバリアに防がれた。
その直後ミサイルが接近しているのに気づいた。
サオトメは、60mmダブルバルカン砲で全弾破壊して左腕に持っていたカスタム・ビームザンバーを右腕に持ち替えてミサイルを撃った合体換装ガンダムに接近した。
合体換装ガンダムは、今度はビーム砲を撃ってきたがサオトメは難なくよけた。
サオトメは、カスタム・ビームザンバーの主刀で合体換装ガンダムを攻撃したが海面と平行飛行することを予想していた。
そして海面と平行飛行し始めた合体換装ガンダムを踏みつけて海中に沈めてその反動でキラが操縦する羽付きガンダムに接近した。
※
シン中尉は、キラ准将に死神が殺されるのが気に食わなかった。
「あいつは、俺が」
シン中尉は、コロニー軍によるオーブ侵攻時で死んだ両親のなきがらを思い出した。
「俺が倒すんだ」
シン中尉は、ガンダムサイガーMk-2に四連装ミサイルランチャーを発射したが頭部バルカン砲ですべて破壊された。
作品名:機動戦士ガンダムRSD 第26話 散る命 残る命 作家名:久世秀一